信者
俺は相沢。
俺のように、生徒会にたてつく少数派はこの学校で生きていくのは難しい。いつ襲い掛かられるかわからない。教師も生徒会に支配されているから授業中でも、どこでも、自由に襲い掛かってくるだろう。だから俺はマトモに授業を受けることはない。授業中だと相手はクラスメート全員、さらに教師を含め大量になる。そんな大勢とマトモにやりあう気はない。休み時間ならば少しとはいえばらける。少数なら俺でも大丈夫だ。
授業中、俺は廊下をうろついていた。授業中に廊下にいるやつなんてほとんどいない。いるとしたら見回りか、俺と同じ生徒会にたてつく少数派か。
すこし歩き、廊下に人影を見つける。同じ少数派であるトベルだ。
「生徒会に関する情報、手に入ったぜ?」
トベルから声をかけてくる。トベルと俺は手を組み、生徒会に対抗する術を練っている。
「生徒会の奴ら、やはり催眠的なもので生徒達を操っているっぽいぞ」
「催眠? そんなものありえるのか?」
催眠なんて、マジックみたいな単語に俺がきく。
「催眠を馬鹿にするな。あなたは眠くな~るみたいのはさすがに難しいが、簡単な催眠もある。口車に乗せる、というかなんというか」
「ああ。商品に限定とか特別とかついてたら買ってしまうようなもの?」
「ちょっと違う気もするが結局はそうだ」
少しは理解できたと思う。
「さて、生徒にかかってる催眠を解きたいものだね。生徒が生徒会の見方だと何かと動きづらい」
「ああ、そうだな。とく方法は?」
「漫画とかの催眠とは違うんだ。催眠をかけた奴を倒したら解ける、とか都合のいい話はない。催眠の上から、さらに催眠をかけるか、正気に戻すか。それくらいでしか俺らの味方にはならないだろう」
「ほう、めんどくさいな」
素直な感想を言った。
「ああ。それに、今生徒になんか言っても聞いてもらえないしな。あと、もう一つだけ方法がある」
「ほお、それは?」
「それは、生徒にショックを与える方法。これは漫画とかの催眠に近いとき方だな。ほら、倒したらそいつにかかってた催眠が解けたりするだろう? そんな感じだ。とにかく、気を失わせるか、そこまでしないでもある程度強い打撃を与えるだけで解ける。それは、喧嘩の得意なお前にとっては楽なんじゃないか?」
「ふむ、たしかに。力ずくでなんとかなる話なら光が見えてくる」
「だが、さすがのお前でも大人数と一気にはできないからな。こつこつとといていく形になる。大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ。でも、最初に役員を倒すってのはできないのか?」
「? なんでだ?」
「いや、役員を倒せばそれを崇めてた奴らも少しは尊敬の念を薄めるんじゃないかと思ってね」
「うむ、むずかしいだろうな。役員の周りには生徒が大量にいるだろう。どうせそれにやられて終わりだ。せめて一対一がいい」
「確かに、それがベストだな」
キン、コン、カン、コン。チャイムがなった。俺とトベルは一旦解散する。このままでは廊下も人であふれる。
さすがに奴らも、見つけたらすぐ襲ってくる、なんてことはしない。俺が反発する態度を全面的に押し出したときだけ襲ってくる。そう考えると授業も平気そうだが、教師は授業中、生徒会の話をすることが多い。それに反発したとたんに襲われる。
生徒から少しずつ倒していく。
それが本当にできるのかわからない。
いや、できる。
そう、信じるしかないんだ。
俺らには、信じるしか、ない。
【現在、生徒会役員を含まない生徒、1032人】
短編、なくなっちゃった! テヘ!
と、冗談はさておき大豆です。
なんとなく学園は好きなので出してみました。
あと、いろいろと。




