プロローグ
この学校は支配されている。この学校はおかしい。この学校は、異常だ。
この学校を支配しているもの、それはたった五人。
そう、たった五人なんだ。たった五人の……
『生徒会』
そのキーワードを聞くと、なにも変には思わない。むしろ、ただの生徒会に反発しているものかくらいの印象しか持たない。しかし、違う。
支配の規模がおかしいのだ。普通の生徒なら、中には生徒会の存在は知っているけども、そんなにしらない。生徒会はそんなに重要ではない、と思っているものも少なくないだろう。しかし、この学校は違う。教師は全員、生徒は九割以上が生徒会を神のように崇めている。崇めないものは生徒会によって始末される。こんな学校が正しいのか? そんな生徒会で正しいのか? そんな疑問を持つ俺は生徒会に対抗意識を持っていた。幸い、力は強く生徒会の信者、つまりただの生徒につかまりそうになっても切り抜けている。俺の味方は現在一人。斗辺 流依、俺はトベルとよんでいる。というか本人の要望で呼んでいる。
生徒会役員は五人。会長、副会長、会計、書記、書記。会長の顔は誰一人知らない。いや、生徒会役員ならば知っているのかもしれない。それでも、俺は知らない。
その生徒会はまだ、少しではあるが学校の外、この町、月下町にまで手を出しつつある。このままいけばおそらく、支配されるのだろう。そんなありえない話、だれも信じない。誰に言っても、無駄。だから俺は、俺とトベルは少数派なりに戦おうとしている。
この学校の生徒会。それはもう、バケモノだ。




