私の彼氏は、“お爺ちゃんの親友の玉蔵さんです。”
私の彼氏は、“お爺ちゃんの親友の玉蔵さんです。”
私はお爺ちゃん子で、お爺ちゃんとおばあちゃんが家に近くに
住んでいるから、幼い時からずっと一人で遊びに行っていた。
おばあちゃんは、私が遊びに行くと? 必ずおやつや晩ご飯も作って
くれてよく食べて家に帰る事もあった。
お爺ちゃんは、私が欲しいモノをなんでも買ってくれる優しいお爺ちゃん。
そんなお爺ちゃんは、昔から仲が良い親友の玉蔵さんというおじいちゃん
が居て、よく私が祖父母の家に遊びに行くと必ずこの玉蔵さんも居たの。
玉蔵さんの奥さんは、10年前に亡くなっており子供は二人居るのだけど?
二人共女の子で既にお嫁に行って家を出ているらしい。
だから玉蔵さんはいつも一人だったのだけど? お爺ちゃんが玉蔵さんを
家に遊びに来るようにいつも誘っていたのだ。
孤独な玉蔵さんをお爺ちゃんはほっておけなかったのだろう。
私は最初、“お爺ちゃんが二人でできたと喜んでいたわ。”
優しい二人のお爺ちゃんと優しいおばあちゃん。
・・・でも? 私は成長していくうち、玉蔵さんを一人の男性として
見るようになっていたわ。
お爺ちゃんもおばあちゃんも、私が玉蔵さんに恋してるとは最初は思っ
ていなかったと思う。
でも? “おばあちゃんには、私が玉蔵さんの事を好きな事がバレて
しまい、” こんな事を言われてしまった!
『“まさかだけど、有望? 玉蔵さんの事、好きなの?”』
『えぇ!?』
『ダメよ! 玉蔵さん、幾つだと思ってるの! おじいちゃんと一緒
の歳よ、もう直ぐ72になるんだから!』
『・・・で、でも? 私も25歳にもう直ぐなるのよ。』
『“通りで有望がなんで彼氏を作らないのか凄く気になっていたら?
まさかそんな風に玉蔵さんの事を想っていたなんてね、”』
『私、本気よ! 玉蔵さんの事を心から愛してるの!』
『絶対にダメ! おばあちゃん許さないから! もっと有望と歳の近い
男性と好きになって付き合ってほしいの!』
『じゃあ、どうして玉蔵さんじゃダメなの?』
『有望! おばあちゃんの話を聞いて! 玉蔵さんはもう歳なの!
それに玉蔵さんは生涯孤独よ。奥さんも居ないし、お子さんもお嫁さんに
行って家には居ないわ! お爺ちゃんが玉蔵さんの事を気にして家に呼ばな
かったら? 今でもずっと独りで居たかもしれないのよ!』
『“玉蔵さんを、もう孤独にさせない! これからは私が玉蔵さんの傍に居て
寂しさを埋めてあげたいの!”』
『・・・ゆ、有望、アンタ、そこまで玉蔵さんの事を、』
『お願い、おばあちゃん! 私が玉蔵さんの事を好きでいる事を見守って
いてくれないかな? ねえ、おばあちゃんお願い!』
『・・・融通が利かないのは本当に誰に似たんだか? 分かったわ、
有望がそこまで言うなら、おばあちゃんは有望の味方になるわ。』
『ありがとう、おばあちゃん!』
『しようがない子よねぇ~本当に!』
『おばあちゃん、ダイスキ!』
私が玉蔵さんを好きな事をお爺ちゃんにも話すと、、、?
予め! おばあちゃんから聞いていたのか?
“納得はしていなかったけど、理解はしてくれていたみたいだった。”
そして私は玉蔵さんに、“私と真剣に付き合ってほしいと伝える事にしたら?”
玉蔵さんは最初、困った顔をしたけど?
お爺ちゃんが、“私と玉蔵さんが付き合ってもいいと理解はしていると私が
玉蔵さんに言うと、玉蔵さんは私と付き合ってもいいと言ってくれたの。”
*
・・・その後、祖父母の家で私と玉蔵さんがイチャイチャしていると?
お爺ちゃんが凄く怒って家を出て行く事もあったりして。
やっぱり、お爺ちゃんからしたら? 自分の孫が親友とイチャイチャ
していたら嫌なモノなのか?
おばあちゃんも、私と玉蔵さんを見て少し引いているし。
それでも“恋をしている二人には歳の差なんて関係ない、毎日イチャイチャ
したいと想ってるぐらい私は玉蔵さんが大好きだ!”
『ねえ玉蔵さん? 今度二人で温泉旅行に行かない?』
『いいよ、部屋に温泉がある部屋にしような。』
『“一緒にお風呂入る?”』
『ワシもそう思ってたよ。』
『恋人らしい事もしてないし、たまにはいいよね。』
『そうじゃな! 二人で温泉旅行に行こう。』
『うん!』
一応! お爺ちゃんとおばあちゃんには、二人で温泉旅行に行く事は
伝えていた。
ただ二人で歩いていると? “孫とおじいちゃん”という関係に見えるのか?
旅館でも受け付けの時に、“おじい様はお元気ですね” と私は言われたから、
“おじいちゃんじゃないですよ、私の歳の離れた旦那様なんです”と答えると?
受付をしてくれた旅館の女将は、相当ビックリした顔をしていたわ。
でもね? 二人きりになると、玉蔵さんも男の顔をするのよ。
私の体を求めて触ってくるし、キスも何度もしたがるの!
夜も元気な男女の営みを難なくこなす玉蔵さんはまだまだ元気みたい。
これからも私は玉蔵さんと生きて行くわ。
私は玉蔵さんが大好きだし、ずっと私の傍に居てほしいから。
“これからも私の為に長生きしてね、玉蔵さん!”
最後まで読んでいただいてありがとうございます。