表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
梅花藻  作者: まりりん
1/1

僕の忘れられない夏休み

見て頂いてありがとうございます

僕の夏休みを一緒にお愉しみください

今年もまた

彼女と過ごした夏が来る

僕はとても風変わりな彼女にたぶん二度命を救われた

そしてもう二度と会うことはできない

なぜなら 彼女は大人になってしまったから




夏休みに入るとすぐ

僕と妹はお婆ちゃんの家に預けられた

冷戦状態だった両親はとうとう決着をつける気になったようだ

休み明け僕たちの生活は一変するのだろう

家族がばらばらになってしまうのは悲しい


本当に悲しい けど、

空気のぱんぱんに詰まったふうせんみたいに今にも破裂しそうな雰囲気の家は…


もう要らない


妹は自分を責めてばかりいる



母方のお婆ちゃんの家はど田舎だった びっくりだ

スマホはほとんど圏外

テレビは3局

ネットは無し


僕は何をして過ごせば良いのだろう?

山の中の一軒家

おばあちゃんは一人暮らし

空気のせいか、水のせいか、歩き回るからか、齢90を超えても元気がいい

計算したらわかると思うけど

うちの母は晩婚でおばあちゃんの末の子供だ


意外な事に妹はすぐにこの田舎ぐらしに慣れた

しかも楽しんでいる

おばあちゃんの後について料理、洗濯、畑仕事、裁縫

常家豆腐なんてもの、おばあちゃんはどこで覚えてきたのだろう?


すぐに慣れてしまった妹とは反対に僕は途方に暮れていた

持ってきたマンガはすでに読みあきてしまった

仕方なくベタに昆虫採集でもやってみるかと補虫網と虫かごを持って外に出てみた

でもやっぱり素人で

カブトムシがどの木にいるかわからず

蝉にはオシッコひっかけられるし

トンボにはバカにされっぱなしだ

でも、まあ 良いこともあった

例年になく宿題が8月に入る前に終わりそうだ

しかし、そうなると本格的に僕にはすることが無くなってしまう


そんなある日

おばあちゃんが泳ぐのに良い川があると教えてくれた

それで母さんは水着を持っていけと言っていたのか

僕は迷わずその案に乗っかった


澄んだ水はひんやりしてとても心地よく

どうした具合か天然のプールのようになった場所も滑り台のような所もあった

最初の頃は一緒に来ていたおばあちゃんと妹は3日もすると

もういい

と ついてこなくなった

僕は下手だったクロールの技術がメキメキ上達した

でもそれが慢心を招いたらしい


苦しかった

たくさん水を飲んだ

上と下がわからなくなりパニックを起こす


意識が遠くなりかけた僕の視界に天女が現れた



パン、パパン

突然顔に衝撃を受け 気がついた

いってぇ

身体を起こそうとすると吐き気がした胃の中のモノを吐きだす

苦しい

それでもお腹がパンパンだ

両頬が痛いし

なんだこれ?

身体が重く 思うように動けない?

ああ、僕は溺れたんだっけ

重い瞼を押し開けると目の前に見慣れない女の子が覗き込んでいた


「良かった、あんたになんかあったらチエちゃんが悲しむから」


誰?

チエちゃん?

覗き込んでいた女の子が身体を起こした途端視界に入る


「ちょっ、ちょっと なにやってるの?」


女の子は全裸だった

いや、申しわけ程度の布が腰に絡み付いている


「ん?ああ、ヒトはこれがダメだったっけ」


女の子は自らの胸を左手でトントンと叩いた

女の子は見た目僕と同じくらいの年に見える、色の白い…

白いっていうか薄い緑色っぽい?

凄く淡いグリーン

肩を少し越えるくらいの髪

大きな目と拗ねたような唇

あ、少し前に流行ってたアヒル口だ

あれ?

ヒトハコレガダメダッタッケ?

ヒトハ?

ヒトハ?

ヒトハ?

人じゃない?!

僕は慌てて起き上がると荷物を置いておいた所に行き、タオルを巻き、ビーサンを履いた

少しでも対抗できるように

かなり心もとない装備だけど意を決して女の子を振り返る

彼女はそんな変なモノには見えなかった

大丈夫そうだな

彼女はにっこりした


「あ、ありがとうございます 助けてくれたんですよね?」


「うん、苦しそうだったから」


「ありがとう えっと、君は誰?

近くに住んでるの?」


「梅花藻 住んでるのはココ」


「バイカモ?ココ?」


「そう。夏に梅の花に似た花が咲く水草の名前を貰ったの

ここが私の住んでる所

言っておくけど、人ではないわよ

あんた達の言うところのカッパだわ

妖怪って言うの?

それ」


か、か、か、か、カッパ?

えええええええええええええっ

なんだそれ?マジか?

ドッキリ?

どっかからカメラ出てくるの?

彼女はすっと立ち上がるとペタペタと足音をたて近づき


「ほーら、食べちゃうわよ~」


と怖い顔をして見せた

見て頂いてありがとうございます。このお話は10年ほど前にゲームの日記帳に書いていたお話です。

ゲームの友だちには評判が良かったものです。

コメントなど頂けたら励みになります

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ