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ねこ太郎

にゃい。

むかーしむかし。寂しくくらーい山のなかにねこがいました。

ねこが川で顔を洗っているとドンブラネッコドンブラネッコと大きな桃が流れてきました。

(おおきな桃だなぁ)

ねこは帰りました。


ねこが家に帰るとおじいさんねことこねこがいました。

(なんでいるかなぁ)

と不快に思いましたがこのねこはおばあさんのねこなのでフシャーするのもめんどくさいので放っておくことにしました。


「鬼ヶ島にいってまいります」

三びき特に揉め事もなく暮らした一年後、ねこ太郎はいいました。

ねこ太郎というのはねこが勝手に心のなかで呼んでいる名前です。

ねこはでかけるときにでかけるなどと報告しない生き物なのでねこ太郎は遠くにいくのだなぁと思ったねこは『クァーッペッ!』と毛玉を吐き出してねこ太郎の背中に乗せました。

「これはくさい!」

しかしねこ太郎はそのまま旅に出ました。

「ねるよぉ」

おじいさんねこはそのまま亡くなりました。

ねこは(一匹になるのは少し寂しい)と一週間ほど思いました。


そして一週間と三日目の朝、ねこが川で顔を洗っていると大きな船がドンブラネッコドンブラネッコと流れてきました。

「おばあさん。ただいまかえりました」

「?」

船にのって帰ってきたのはたくさんの動物たちとねこでした。

「?」

「忘れましたか?僕ですよ」

「?」

ねこは完全にねこ太郎のことを忘れていましたが、なんとなく懐かしく感じるので無視して走り去ることはしませんでした。

「おばあさんのくさい毛玉のおかげで犬にも猿にもキジにも襲われず鬼を倒すことができました」

「うむ」

ねこはとりあえずうむと言っておきました。


ねこ太郎が連れてきた動物達が山で暮らしだしてから毎日が騒がしくてありません。

(うるさいがまあよし)

ねこは熊がたててくれたおじいさんねこのおはかの前で耳をパタンと閉じてうつらうつら現実と夢の世界をいったり来たり。

「おばあさん。風邪をひきますよ」

ねこ太郎が布をかぶせてくれたそのときです。

「あっ、ねこ太郎」

「ねこ太郎?」

「ふふふ」

ねこは急にねこ太郎のことを思い出したこととねこ太郎をねこ太郎と声に出して呼んだことがないことに気がついてなんだかおもしろくてネッコリ笑った。

「やあ、おばあさんがはじめて笑った!」

「うむ」

おばあさんはまたうむといいました。

「いい天気」

ねことねこ太郎と山の動物たちはそれから楽しく仲良く過ごしたよ。

よかったよかった。

めでたしめでたしだよね、こ。



にゃいよ。

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