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第三章 ピンチと秘密と皐月現る その5



「今から話す事は、変身能力を開花させたまめパン

限定の秘密です。まず人の姿に変身したまめパンは

更に何らかの特殊な能力を開花させる可能性があり

ます。しかし変身能力が突然開花したように、新し

い能力がいつ発動するかは誰にもわかりません。変

身できるようになった時から特殊な力を使える者も

いれば、一生なにも能力を身につけない者も普通に

います。そしてその特殊能力の種類は、それぞれ持

って生まれたDNAの違いや、育った環境によって

大きく異なり、身につける能力も、一つの場合もあ

れば、複数身につける優秀な者もいます。あと、特

殊能力が使えるのは、人の姿に変身している時だけ

です」


 おいおい、なんか何でもありのゲームのキャラみ

たいに思えてきた。っていうか、完全には理解でき

ない。とにかく凄いという事だけは分かる。


「どうですか、何故たかがペットのまめパンが、高

値で取引されるか分かったんじゃないですか。今の

アルドゥランでは、能力を開花させたまめパンの飼

い主は、国民から尊敬される程で、有名にもなるし

能力によっては大金を稼ぐこともできます」


「話しが凄い事になってるんですけど、その特殊能

力って、例えばどんなものがあるんですか?」


 ちょっと呆れたというか、話デカすぎというか、

今更ながらあまりにも現実離れしすぎてて、少し頭

痛くなってきた。


「能力は本当に様々で、例えば幻覚を見せたり、催

眠術で相手を意のままに操ったり、時には異性を発

情させたり、といった具合に色々とあります。他に

も手を触れずに物を動かしたりする念力や、未来予

知だったり、まあいわゆる超能力などがあります。

いまだに知られていない能力も、数多くあるでしょ

うね」


 マジかよ。まさかそんな特殊能力があるとはな。

なんか全部が恐ろしい能力に思えてしまうんだが。

っていうか、可愛らしい姿をしているが、実はまめ

パンが危険な生物だという気がするのは俺だけか。

本当に俺みたいなガキが飼ってていいのかな。とに

かく自分だけでは処理できない問題だ。


「まめパンには色々と不思議な力がありますが、生

まれた時から自分が仕える運命にある事を分かって

います。だから一目見れば、誰が自分の主人か分か

る者もいるでしょう。この子の場合は快くんを見て

本能的に、自分の主人だと強く感じたんだと思いま

す。だからすぐに契約のキスをした。きっとこの星

で二人が出会うことは、運命だったんでしょうね。

本当に素晴らしい」


 運命か……ファムとの出会いがなければ、そんな

眉唾な言葉に心躍らされることは一生なかったかも

しれない。


 そしてこの後、アレンはまた政府のお偉いさんた

ちと会う予定があるとかで、早々に話を切り上げる

ことになった。


「今日は色々とありがとうございました。ビックリ

する内容だったけど、これからまめパンを育てるの

にいい参考になりました。これでもう大抵のことに

は驚かなくて済みそうです」


「私の方こそ驚かせてもらったよ。また何か変化が

あったら、すぐに教えてください。それと、ここで

の話は内密にね」


「こんなトンでもない事、誰にも言えませんよ。信

じてもらえないでしょうから」






 ペットショップを後にしてから地元に帰ってくる

までの間、アレンと話したことを何度も思い出し、

混乱している頭の中を、自分なりに整理しようと努

力した。


 一応、部分的には理解できているのだが、奇想天

外ないびつな情報から正しい答えを導きだすのは、

初めから解けないように作られた、知恵の輪に挑戦

するのと同じで、無駄なことかもしれない。それに

何らかの答えが見つかったとしても、すぐにそれを

受け入れられるかは、別の話である。


 ある意味もう流れに乗ってしまっているこの状況

では、これから何が起きようが、逃れられない運命

のような気がする。でも、後はなるようになれ、と

いう感じの投げっぱなしな気持ちにはなれない。っ

ていうか、物凄く不安だ……。


 あれこれ考えているうちに、近所のコンビニまで

辿り着いた。


 さっき茜に、今日は晩飯作らなくていいから、と

電話したから、ここで弁当とかファムのお菓子を買

って帰る事にする。


 茜は作る気満々だったが、受験も近いし面倒かけ

るのは気が引ける。それにファムがいつ変身するか

も分からないし、当分は距離をおいた方がいいだろ

う。


 買物を終えてコンビニから出ると偶然、いつも通

りスーツ姿の我が親友、優さんと遭遇した。


 昨日はテンション高すぎて、お礼の電話をするの

を忘れていたので、ここで会えてよかった。


「昨日まめパンを受け取ってきました。ホンとあり

がとうね。しかもメスなんすよ」


「へぇ〜メスなんだ。飼いやすい方でよかったね。

てか昨日から普通にテレビに映ってたよ」


「そうなんすよ、めっちゃ恥ずかしいっす。しかも

ネットで色々晒されてて、もうどこの誰かも全部知

られてるし」


「はははっ、これから大変だね。それで、快君の後

ろから顔を出している、キュートなその子の名前は

なんていうのかな」


 ファムはフードから出てきて、俺の肩越しに優さ

んを見ていた。


「名前はファムっていいます」


「可愛い名前を付けてもらったね」


 優さんはファムの頭を優しく撫でながら言った。




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