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第三章 ピンチと秘密と皐月現る その1



 電気を消しベッドに入ると、ファムは唇におやす

みのキスをしてくれた。これが人間の女の子、てか

さっきの金髪美少女だったらいいのにな、と本気で

思ってしまった。


 体は疲れてないのだが、摩訶不思議な状況のせい

で脳の疲労が激しい。驚きすぎて、少し脳細胞が死

んだかもしれない。なので布団をかぶると、のび太

くん張りにそっこう睡魔に襲われ、いつの間にかぐ

っすりと眠っていた。


 それから数時間後、朝日と思われる眩しい光が差

し込み、俺の顔を照らした。


 もう朝かよ。と思ったが、目を開けるとまだ真っ

暗で、時間を確かめると夜中の3時だった。


 てっきり朝かと思ったけど、どうやら気のせいだ

ったようだ。


 そのまま二度寝してからすぐ寝返りを打つ。する

と、ぷにゅっと柔らかい感触のものが顔全体を包み

込む。


 俺は無意識にその柔らかい何かを掴んで二度ほど

モニュモニュと揉んだ。 


 なんか気持ちいいなぁ、この枕は。って俺の枕っ

てこんなに柔らかかったかな? それになんか生暖

かいし……と眠りの中でおぼろげに思う。


 んっ? やっぱこの感触は、枕じゃないよな。形

もおかしいし。それにこの柔らかくて尚且つ弾力の

ある触りごこちには覚えがある。


 確か……そうだ、風呂で掴んだファムの胸の感触

と同じだ。


 この時、あっ、これ夢だな、と思い、目を開ける

事無く寝続けた。


 夢と確信した俺は調子に乗って、ぽちゃぷにゅの

巨乳に埋もれる自分の顔を、更に深くうずめて楽し

んだ。


 なんだ、やっぱり枕じゃなくてファムの胸か。相

変わらずいい乳してやがる。


 調子付いた俺は夢だからと思い、手に納まりきら

ないファムの巨乳を掴んで遊んだ。しかしちょっと

動かすだけで、プニュンプニュンと音が聞こえそう

なほど揺れ動く。ホンと最高に柔らかい。女の胸っ

てこんな感じだったんだな。ってまあ、これ夢だけ

どな。


 流石に俺の見る夢だけはある、なんちゅうリアル

さだ。堂々と人前では言えないが、ある意味ノーベ

ル賞ものの技術だぞ。


 その時、ちょっと強く手に力が入ってしまった。

するとファムが「うにゃん」と色っぽい吐息を発し

たように聞こえた。


 んっ? これは本当に夢か? いくら何でもこの

感触は……。


 俺はハッとして、起き上がりこぼしの如くビョー

ンと飛び起きた。


 やべぇ、これは夢じゃないぞ、現実だ⁉ やっぱ

ノーベル賞は無理だったか。ってアホなこと言って

る場合じゃない。なんでこうなった。


 ファムに目をやると、やっぱり変身している。さ

っき朝日と思った眩しい光は気のせいじゃなく、フ

ァムが変身する時に放つ光だったのか。


 なんでまたいきなり変身してんだよ。しかも眠っ

たままで。更に当然、まめパン姿のファムは何も着

てないから、今は裸だし。ホンとなんなんだこの状

況。俺はエロゲの世界にでも迷い込んだのか?


 だが一つだけ分かったぞ。変身能力の発動は、今

のところファムの意思とは関係ないようだ。


 でもこうして眼前にしても、動物が人間に変身す

るとは、未だに信じられん。しかも絶世の美女で、

スタイルまでも完璧だし。なんかこの状況に恐ろし

さすら感じる。


 さて、これからどうするか。放っておいたらまた

すぐに元に戻るかもしれないし、余計な事はしない

方がいいのかもしれない。それにもう少し見ていた

いし、とか考えていたら、一階の方でガタっと物音

がした。


 なんだいまの音は。いきなり泥棒なんていわない

でくれよ。


 だが俺の切実な願いなど即却下するように、もう

一度ガタっと音がした。


 おいおいマジかよ。完全に入る家、間違えてるだ

ろ。リスク背負ってこんな一般庶民の家に入ってど

うする。それとも初心者かバカなのか。まあどっち

にしろ、ジャケットを着たモミアゲの長いお茶目な

泥棒さんなら歓迎もするけど、ガチはやめてくれ。


 もしかしてさっそくまめパン狙いの泥棒か? い

くらなんでも早すぎるぞ。


 とにかくファムはベッドに寝かせたままにして、

部屋のドアの前に張り付き、数分程様子を窺った。

でも物音はせず、静寂が破られることはなかった。


 さっきの音は気のせいじゃない。このままにはで

きないし、俺はそっとドアを開け、音をたてないよ

うに摺り足で進んだ。そして階段を下り、無事一階

に辿り着く。

 

 やばい、マジでドキドキする。心臓が痛いぐらい

だ。頼むから何も出てくるなよ。と心から願ったそ

の時、後方で人の気配が微かにした。


 透かさず振り向くと、数メートル先の闇の中に、

人のシルエットが浮かび上がるように見えた。


 で、でたぁぁぁーー‼ マジで泥棒だ‼ 


 勘弁してくれよな。これだったら幽霊が出た方が

まだましだ。


 俺は大声を出して威嚇しようとしたが、ビビって

彫刻のように固まってしまい、まったく声が出なか

った。


 泥棒の方も向き合った瞬間は驚いたのか、同じよ

うに固まっていた。だがすぐに雄叫びを上げながら

動き出し、何かを振り上げて突撃してくる。


 至近距離まで近付いたことで、泥棒の容姿が見え

た。声の感じから中年オヤジに間違いないが、随分

と小柄で、服の上からでもメタボ確定と分かる大き

な腹をしている。顔は覆面レスラーが被っているマ

スクで隠しているが、それ完全にデスト〇イヤーで

すやん。プロレスファンまるわかり。てか一瞬笑い

そうになったぞ。そんでもって振り上げた手には、

ガードマンが持っているような警棒を握っている。


 とにかく一見しただけで、俺の方がかなり背が高

いと分かる。だから向かい合った時に泥棒の方もビ

ビって固まったのかもしれない。


 っと説明している場合ではない。振り下ろされた

警棒は、容赦なく俺の頭めがけ襲い掛かってくる。


 回避するか腕で受け止めるか、どちらかの選択肢

しか俺にはなかったが、反射的に仰け反ってうまく

躱した。しかし勢い余ってそのまま尻餅をついて倒

れてしまった。


 だがラッキーなことに、泥棒の方も攻撃を躱され

バランスを崩し、尚且つ倒れた俺の足に躓き、勢い

よく転がりこける。ここで俺と泥棒の位置取りが入

れ替わった。




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