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ずっと君だけを  作者: Citron
1/1

日常

 ……チワッス。

 えっと、どっかで会いましたっけ?ちょっと、覚えてなくて。…あ、なんだ会ったこと無いのか。

 …聞きたいこと?

 え?そこの家の人について?ああ、南原さんか。

 てか…あんた誰。警察って感じじゃないし、探偵?南原さんのこと何か調べてるとか。違うの?じゃあ一体……知り合い?ふーん。

 てか、俺も南原さんのことなんかそんな知らないよ。近所で、会えば挨拶して、たまにちょっと話して。そんな感じだよ。

 だって南原さん23歳の販売員だよ?俺みたいな高校生のガキと話す内容なんてほとんど無いだろ。大抵天気とか、お互い勉強と仕事頑張ろうとか、それくらいしか話さないし。

 だから、教えてくれって言われても、ただ近所に住んでる綺麗なお姉さん、ってくらいしか俺も言えないよ。

 …は?俺が南原さんに恋してるか…?って、はは、無い無い。無いっすよ。

 だって、俺、彼女いるし。うん、彼女。付き合って8ヶ月なんだ、しかも、めっちゃ可愛いの。昨日も学校帰りに、二人でゲーセンで遊んで、その後ファミレス行って……あ、興味無いって。はい、サーセンね。

 ……あ~、そうえばこの前、帰りに南原さん見かけたなあ。声は掛けてない。なんか、掛け辛かったんだ。

 ずっとキョロキョロして周り気にしてて、怯えてるって言った方がいいのかな。いつもより早歩きな感じで、遠くからでも肩に力入ってるのがよく分かったもん。

 ストーカー?ああ…だからあんなに周り見てたんだ。それなら納得。

 ………てかさ、あんた南原さんの知り合いなら、俺みたいな、ただの近所の高校生に聞いてないで、自分が直接本人に聞けばいいんじゃないの?なんで知り合いなのに南原さんのこと教えてとかおかしくない?

 あ、ちょっとどこ行くんだよ。なあ。……はぁ、何だよアイツ。

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