表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

2・入学式

バス停に着くと、ベンチの隅っこで麻子が待っていた。


野村麻子は私の幼馴染兼親友。


私も背が小さいけど、それよりも麻子の方が華奢で小柄だ。

おかっぱ頭で、瞳がクリクリと大きいのでマジで可愛いの!


「麻子!ごめ~ん、待った?」


うつむいていた顔を、ぱっと上げこちらを見た。


可愛い!!


「みおりちゃん!」


こちらに駆け寄って来ながら、「今、変なこと考えていたでしょ?」と、じとっと見つめてきた。


「えへ(笑)」


こんな可愛い顔して、この麻子は「可愛い」と言われるのが苦手らしい。なんでも、三姉妹の末っ子の彼女にとっては、本当に可愛くて綺麗なのはお姉さん達で、自分は全然イケてないと思っているらしい。


もったいない…。


「だって、こんなに緑ヶ丘の制服が似合う女の子なんてきっと居ないよ!って思うくらい可愛いんだもん。」


「みおりちゃんだって、とっても似合っているわよ。」


二人で見つめあいながら褒めあっていると、横から冷たい声が聞こえた。


「はいはい、朝からイチャついていないの!次のバスに乗らなきゃ遅刻するわよ!」


165㎝でスラッと、モデル体型の彼女は私のもう一人の親友、秋山なつみ。


口は悪いけど、サバサバしていて男女ともに友達の多い姐さんタイプだ。


緑ヶ丘高校に行きたかった理由の一つは、この二人が中一の頃からこの高校に行くって決めていたから。


こんな理由を、お母さんに言ったら「友達でも、受験はライバルなのよ!」って怒るんだろうから絶対に言えなかったけど。


あと、もう一つの理由はお母さんとお父さんと、パパの母校だから。


離婚したお父さんと、お母さんが同級生でパパがクラブの先輩だってお祖母ちゃんが言っていた。

まあ、お母さんからお父さんの話なんて聞いたこと無いけど…。



━ 緑ヶ丘高校


門をくぐると、背の高いポプラ並木が続く。それも圧巻なんだけど、正面の校舎の裏手にある大きな桜の木が、よくある話なんだけど伝説の木なんだ。


そこで、ビビッと来る人に出会えたら二人は恋に落ちるって話し。


よくある話なんだけど、乙女って好きだよね(笑)!


とりあえず、行ってみよう!って三人で入学式前に校舎裏に行ってみることにした。



有名な伝説らしく、すごい人!人!人!!!


「わぁ~、さすがだね。」


麻子がつぶやけば、なつみがため息まじりに「学園ラブしちゃえば相手は多分、今ここにいる可能性が高いね」と言う。


確かに。


それだけ、すごい人なのよ!


でも、みんな楽しい高校生活おくりたいもんね!


きょろきょろと、周りを見渡してビビッと感じる相手が居ないか確認してから、桜の木の下で手を合わせてお祈りしてみた。


楽しい高校生活、素敵な人と出会えますように…。


両隣をチラリと見たら、二人も同じように手を合わせていた。



「さあ、入学式だ!」











評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ