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1 ・はじまりの日

初めての投稿になります。


よろしくお願いいたします。

入学式当日。



天気、晴れ!


目覚ましのアラームが鳴る前に、ベッドから勢いよく起きた。


うん!今日はいい日になりそうだ♪


真新しいネイビーブルーのセーラー服に着替える。

胸のスカーフは水色だ。

最近では、ブレザーの制服が多いけどこの学校は、セーラー服だ。しかも、ネイビーブルーなんて珍しいと思う。

指定のハイソックスは薄い水色か紺色で、とても清楚な感じがして私は結構気に入っている。

と、いうか制服目当てで入学してくる女子も多いんだよね、実際は。


髪を整え、リップクリームを塗る。


顔は…まあ、ふつうかな。


…うん。


スタイルは、そこそこ?


…だよね?


笑えば、可愛いよね?


…のはず!



自分の部屋の、姿見に真新しい制服姿をクルクルと回りながらいろんな角度から確認する。


第一希望高には、落ちちゃったけど今日から通う「緑ヶ丘高校」は実は、小さい頃から憧れていたんだ。

まあ、お母さんには内緒だけどね。

だって、うちのお母さんは学歴至上主義!

緑ヶ丘も県内では有名な進学校だけど、同じ市内にある「愛星学園」はさらに上!

愛星学園の制服を着てれば、皆から羨望の眼差しで見られること間違い無し!

某有名大学への進学率もこの地方で一番だしね…。


「…ハア~」


大きな、ため息をついて時計を見る。

そろそろ、朝ごはんを食べないと間に合わなくなる。


「みおり~!早く降りてきなさい!!」


キッチンから、お母さんの少しイラついた声がした。


早く、行かなきゃまた余計に怒られちゃう!


もう一度だけ、鏡を見つめてニコッて笑った。


うん!笑顔になってる


スクールバックを手に取り、ダイニングに行った。


「おはよ~。」


「お!似合うじゃないか。」


新聞を片手に、パパが笑う。


「でしょ(笑)」


目の前で、くるっと一周して見せる。


「早く食べなさい!」


焼きあがったトーストをテーブルに置きながら、お母さんが言う。


パパと、私は小さく返事をしながら急いで食べ始めた。


ちなみに、私とお母さんは物心ついたときから仲が良かった記憶がない。


と、言っても別に虐待されているわけでも、口をきかないわけでもない。

ちゃんと、ご飯も作ってくれるし、学校行事だって熱心に参加してくれる。

進路については、うるさいくらいにアドバイスしてくれたし、欲しいものは常識範囲内で買ってくれる。


…けど、笑ってくれないんだ。


私に話す時は、だいたい怒ってる感じかイラついてる感じ。


それが、当たり前だから今は気にしていない。

ただ、機嫌が悪くなりすぎないように注意しなきゃ!って思っているかな。


だって、じゃなきゃ家庭内の空気が悪すぎるしね。


パパは、実は二度目のパパで本当のパパじゃない。


私が、5歳の時にお母さんが再婚してパパになってくれた人。

ほんわかしてて、やさしいし…顔もかっこいい。

内緒だけど、つい最近までは一番好きな人がパパだった。

でも、親友に話したら「血が繋がっていないんだから、ヤバくね?」って言われて自重してるんだ。

確かに、実の父親を好きって言っているなら、ファザコンで済むけど血が繋がっていないからね~微妙な感じ?

誤解されても困るし!


私のパパはちゃんと常識人なんだからね!


というか、うちのお母さんにはもったいないよね…。


いつも機嫌悪そうなんだもん。


「みおり、バスの時間は大丈夫なの?」


「うん、40分にバス停で麻子と待ち合わせしているの。」


「じゃあ、そろそろ出なきゃ待たせちゃうわよ!」


時計を見ると、30分を回っていた。

確かに、急がなきゃ!

慌ててミルクを飲み、もう一度鏡で自分の顔をチェック!


よし!いってきます!!


パパの優しい「いってらしゃい」の声を背に、バス停までの道のりを走った。












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