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ラヴィンティリスの白き魔王ですが、ユリハーレムに龍王や宇宙戦艦がいる件について語りますね。  作者: 烏葉星乃


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第86話 ようこそ宇宙旅行へ

 日本皇国を属国化し、魔王の支配でこの国の統治機構をドラスティックに改革する事となった。だがそれはあくまで表向き。実際は魔王を利用した、皇国有志によるクーデターである。軍部、公安と意を共にする優秀な政治家を総理大臣兼魔王代理に任命。与野党関係なく、優秀な政治家や民間人にポストを与え、害悪な政治家を排し、国民の為の国家運営をなせる政府を彼らに作ってもらうのだ。叩けばホコリまみれの政治家や売国奴にスパイ。それらをしらふじと公安が、どんどん処理してゆく。場合によっては戦闘ドローンを投入し冷徹に排除してゆくのだ。


 だが、私がする事といえば、お洒落な格好で国会に現れ、笑顔で睨みを効かせるぐらいしかない。最初、お化粧をどうするか困ったが、キョウカの伝手で優秀なメイクさんを雇う事が出来た。なんとあの子、メチャ忙しいくせに、時々ファッション誌のモデルをしていたのだ。おかげで私もモデルをするはめに……お腹が目立ってきたら、マタニティ誌の方もよろしくだって。

 そんなこんなで、私のファッションがメディアに注目されるようになった。折角なので姿見水晶用に制作した衣装を披露したり、先日は親日アピール用に着物姿を披露した。

 その姿は全世界に拡散され、少なからずファッション業界に影響があった。

 こっちの世界でも私の美貌商法は通じるのだと実感。折角なのでお土産用に着物や織物を大量に買い付けようと思う。でもお金が……


 ところで、鬼人族の妊婦は頑強で、臨月に全力疾走しようと問題ないらしい。

 現在、妊娠二か月程だろうか。出産予定は今年の十二月前後だ。鬼人族の妊娠期間は、人族より少し長い十三ヵ月。

 だが、いくら頑強とはいえ、私がまた無茶をしないかと、みんな心配しまくっている。しかたないので、妊婦らしく静かに過ごそう……

 そう思ってたけれど、暇ね。

 隣にユリが居てくれるのが救いだ。みんなで惑星エデンに行くのは来週だし、それまで何をしよう。


「そうだ、お土産。みんなへのお土産を考えよう。クロちゃんには何がいいかなぁ……」

「クロって、お腹の子の父親?」

「そそ、可愛い龍王リヴァイアサン。私より年上のお姉さんにも変化出来るよ。立体映像見る?」

「う…すっごい綺麗な子……え。これ同一人物なの? 姉妹じゃなく?」

「ふふふ、そう思っちゃうよねぇ。ちなみに大蛇や超巨大な龍にもなれるよ。異種姦だよ異種姦」

「生々しい言い方やめて……」

「ちなみに、チンチンの形はこうギザギザして……むぎっ」


 ユリに脳天チョップかまされた。

 

 まったりとリビングでお茶をしながら、ノートPCでユリとイチャつきながらのお土産選び。中々楽しい暇つぶし……だったのだが、これがかなりの重要案件である事に気付いてしまった。

 今の私、ラヴィンティリスの人々の生活を豊かにできる、異世界のあれこれを持ち帰れるではないか。今まで何度も、あっちの世界のアレがあったらなぁ~なんて事があったもの。例えば、足踏みミシンとか、穀物栽培に適さない土地用の作物の苗とかね。

 衣類やアクセ、道具や食品、あとは品種改良された野菜や穀物の種。そして家畜。安易に持ち込んでいい物かはわからないけれど、ダンジョン内で隔離もできるし、その辺はラヴィちゃんに相談すれば何とかなるはず。

 そうそう、私が前々から大量に欲しかった物が、こっちでは安価に手に入るではないか。それはチョコレートと原料のカカオだ。あっちの世界では、唯一高温多湿なインセクティア南部でしか栽培できない超希少品。増産をお願いしたけれど、まだまだ庶民が気軽に食べれる価格には程遠いのが現状だ。


「そうだ、カカオパウダーとチョコレートを買えるだけ持って帰ろう!」

「え、チョコ?」


 手元には両親の遺産があるけど、正直それでチョコ買うのは抵抗があるし、国民が満足するような量は買えないだろう。それにチョコなんかよりも優先すべき物の方が遥かに多い。

 金貨なら大量にあるのに、この世界でも使えればいいのだけれど、これミスリルが混じってるから純金じゃないのよね。

 まぁ熔かすにしても、コレクターに売るにしても、コイントス様に怒られそうなので却下だわ。

 あとは手持ちの魔道具や宝飾品をオークションなんかで売ってみるとか……姿見水晶で私の立体映像を売る事が出来れば……あ。こっちの世界なら普通の写真集出せるんじゃない?


 リビングにヒュンと転送ゲートが現れ、しらふじがひょこっと出てくると、ユリがビクっとする。

 何やら話があるそうだが、先に写真集について相談してみた。


「しらふじ、どう思う?」

「いいんじゃないかな。キキョウちゃんだけでなく、他の子達の画像データや風景なんかもたっぷりと撮影してあるから、何冊もシリーズで出せるよ。全世界に向けて売ればかなり利益が出るんじゃないかな」

「うん、いいね」

「実は商売のオファーが、ボクのメアドやデポッポーにいっぱい来てるんだよ。その話するのに降りてきたの」

「マジか」

「例えばCMやテレビの出演依頼が多いね。愉快なのだとキキョウちゃんのフィギュア化や白鬼やボクのプラモ化の依頼が来てるよ~」

「マジかー」

「でも手っ取り早くお金が欲しいなら、魔王に貢げ~って、芦田総理に言えばいいんじゃない?」

「えー…それ、この国の税金だよ。郷魔国のお金だって私的流用しないのに」

「いやいや属国は別腹だよ。この国裕福だし、無い袖を振らせる訳じゃないし」


「買い物したいのでお金貸して」そう総理に打診したら、なんと国家予算から一兆円用意してくれた。どうやら私への上納金らしい。


「魔王陛下。返済の必要はございません。ですが可能な限り、我が国の優れた品々をご購入ください。経済効果もありますので」


 おおぅ、さすが敏腕総理。

 正直、そのまま使うのは気が引けるけど、ありがたく使わせてもらおう。

 もちろん写真集などの企画も進めるよ。


 本日は宇宙旅行の日である。

 参加メンバーは、私とユリ、そして雪野家の面々。コンビニの光洋君と双子の妹弟。検疫でお世話になった吉川さんご一家が三人。お疲れ気味の芦田総理と奥さん。そしてユリの叔父、太田さんご一家四人の合計十七人。本来は芦田総理も太田もめっちゃ忙しい時期なのだけれど、強制参加である。そしてもう一組、しらふじが呼んだサプライズ参加者がいるそうな。


 目の前に浮かぶ、青く美しい地球。

 集合場所は、特殊なフィールドで覆われたしらふじの艦首甲板であった。生身での宇宙体験にみんな目を輝かせている。宇宙服も着ずにこんな体験、当然だが地球人初であろう。やがて、メアリカ大陸上空へと差し掛かると、しらふじの呼んだ参加者が現れた。


「うわすご……あ、はじめまして、メアリカ王国の国王ドワイトです。こちらは王妃のカトレアと子供達と側仕えです」


 みんな驚いた。もちろん私も驚いた。まさか日本皇国最大の同盟国のロイヤルファミリーが参加するとは……小さな王子様と王女様可愛いな。側仕えの二人は双子のムキムキメイド。キャラが濃い。護衛兼任なのだろう。

 芦田総理が固まっている。来月、訪米するから先に顔合わせ出来て良かったね。

 それに私としてもドワイト国王の同行は、渡りに船だ。

 ともかく全員揃ったので、みんなで順番に自己紹介をした。これから五日間、旅を共にする未成年八人を含む合計二十三人の大所帯である。あ、しらふじを計算に入れてないわ。


「はーい、みなさん。自己紹介は終わったかな。この戦闘空母の頭脳、しらふじちゃんでーす。よろしくね~」

「よろしく~、しらふりちゃん」

「うん、元気があってよろしい!」


 突然の宇宙人登場に、多くの大人達が息を飲んだ。事前に彼女の存在を伝えておいたが、やはり地球人と全く違う容姿に目を丸くしている。

 実はしらふじが一番緊張しているのは内緒だ。心臓バクバクである。

 今回、子供達が大勢参加すると知り、怖がられないかと、かなり気にしていたのだ。実際は怖がられるどころか、子供達は宇宙人の登場に大興奮で、あっという間に人気者になるのであった。まるで子供達に囲まれる芋虫カリンを彷彿とさせる。


「今回の宇宙旅行参加メンバーが全員揃いましたので、まずは艦長である魔王キキョウちゃんのご挨拶です」

「え、その設定まだ続くんだ……はい、魔王艦長のキキョウです。この度は、しらふじ宇宙観光ツアーのご利用をいただき、誠にありがとうございまぁす」

「キキョウちゃん、ノリノリじゃん」

「今回、異星人の宇宙戦艦を利用してではありますが、地球人類初の恒星間宇宙旅行となります。まずは太陽系の各惑星を巡ります。その後向かう惑星エデンは、地球人がネズミから進化したように、トカゲから進化した人類の住まう星です。どんな人達会えるのか楽しみにですね。それでは四泊五日宇宙の旅へ出発しましょう」


 歓声と拍手の中、少しクールな印象のしらふじアナウンスが響く。


『戦闘空母しらふじ、微速前進。当艦は地球を一周して月へ向かいます』

「ちょ、艦橋にみんな移らないと」

「大丈夫大丈夫、このまま月巡りしちゃおうよ。大迫力だよ~」

「マジかぁ」


 ガラス越しでもモニター越しでもない、ナマの宇宙空間。大気が無いので遠近感が感じられず、どんどん近付いてくる怖いほど巨大な月に、大人も子供も目を丸くし、口をポカーンと開けている。宇宙でポカーンといえば、私とひいらぎちゃんは二度目だ。

 この旅行で何度ポカーンとするのだろうか。


 月へ降下し、月面すれすれを飛行しながら起伏に富んだ大小のクレーターの絶景を楽しみながら、再び宇宙空間へ飛び立った。太陽のそばを通過するというので、私達は艦橋へ移り、みんな自由に空いてるオペレーター席へ座ってゆく。ちなみに操作パネルは触れると、それっぽく光るので、子供達が大喜びでいじりまくっている。いいねボタンっぽいものを連打しながら、キャッキャしているひいらぎちゃんが大変尊い。


「あのう、桔梗ちゃん……ちょっとだけ艦長席座らせて欲しいんだけれど……」


 先生が神妙な様子で、そんな頼み事をしてきた。

 やぱり男性はこういうの憧れるのかな。

 などと思っていたら……


「弾幕薄いぞ! 何やってんの!」「バリアーを張って、全速でヤツに突っ込め。バリアーに勝てるのはバリアーだけだ!」「地球か……何もかも、皆懐かしい……」


 艦長席から立ち上がった先生は、やり切った男の顔をしていた。


 そうこうしてるうちに太陽の側を通過し、少々駆け足気味だが各惑星を順番に巡り、いよいよ太陽系外へ向けたワープに入る。

 ちなみにポカーン数は、私もポカーンすぎて数えていない。

 

『本艦はまもなく惑星エデンへ向け、ハイパードライブを行います。全ハイペリオンドライブ臨界へ、超空間ゲートオープン。本艦は超空間航行へ移行します。3…2…1…ハイパードライブ開始。惑星エデン到着まで、四時間十六分です』

 

 ワープに入るとみんなで食事をしたり、はしゃぎすぎ疲れた子供達はお昼寝をしたり、総理と国王は非公式会談を始めたりするのであった。



「ねぇ、しらふじ。太陽系クルーズを商売にしたら、すっごい稼げると思わない?」

「そりゃあ、とんでもなく稼げるだろうけど……キキョウちゃん、どんだけ強欲なの」


 ぐふふ笑いの魔王をよそに、艦橋の一角では、子供達がおやつタイムを楽しんでいた。


「ひいらぎちゃん、かわいい! 以前からこうしたかったの!」

「ほにょ」

「あーっ、あたしもぉっ!」

「ふにゅ」

「あめいじーん!」

「へにゃ」


 頬を赤らめ、白い幼女を抱きしめるのは光洋の妹、双葉だ。

 利発そうな八歳のぱっつん前髪の似合う美少女である。

 それに続くように抱き着いたのは太田紫陽花。

 父親似ですこしぽっちゃりな五歳児だ。

 そこへ力の限り特攻したのが、最も歳の近い王女トゥルーデ。

 少し気の強そうな赤毛碧眼の三歳児である。

 少女達にもみくちゃにされるひいらぎ。

 その姿は、まるで何やら将来を暗示してるかのよう……ああ、ひいらぎに幸あれ。



 ☆魔王キキョウちゃん@Shirafuji 12時間    … 

 地球から二万光年離れた惑星エデンに遊びに行ってくるね。精強な宇宙艦隊を持つ、爬虫類から進化した人類の住む惑星だよ。ワープ機関の完成が間近だから、近い将来、地球に遊びに来ると思う。画像は偶然救助したエデンの宇宙船クルーとの記念撮影。ぱっと見は髪色以外、地球人とあまり変わらないね。

 返信500万 リポッポ5億4000万 いいね7億1000万


 いつも読んでくれて、ありがとうです。(ノエル)

 あるじ様はあっちの世界で楽しくやってるようですね。

 でもこっちは、あるじ様に依存してた案件で問題が出てるですよ。

 例えば物流。海外の桔梗屋への商品の輸送は、ゲート魔法に頼っていたですからね。一応、もしもの時を考えて、ゲート魔法なしでの検討をしてたですが、クロミエルが龍の里を恫喝……に依頼して、龍達に国家間の物流を任せたです。

 あとは加護石。下級のものは一般の付与魔術師に量産させてたですが、上級のものはあるじ様でないと量産できないです。

 魔王キキョウ不在が知れ渡ると、あっという間に店の在庫が捌けてしまったです。

 そして一番の問題は、キキョウの館の住人達の『キキョウロス』です。

 普段から規律正しい真面目っ子の手羽子でさえ、ほら、ガゼボのテーブルに突っ伏して、だらんと無気力状態になってるです。

 ん? クロミエルは普通ですね。一番おかしくなってそうなはずなのに……いや、やはり元気がないですね。おや? あるじ様の部屋から出てくると、元気そうな顔をしてるですが……どうやら、寝室に秘密があるようです。

「すぅぅぅはぁぁぁ……キキョウぅぅっ!」

 ……なるほど。ああやって、あるじ様の残り香で回復してたですか。

 うわ、ひとりエッチおっぱじめたです。

 ですが、いつまでも寝具に匂いが残ってるはずもなく。

 ああ、ひと月も経たずダメミエルになってしまったです。

「ノエル……すんすん、すんすんすん」

 なっなんです?

「やはりキキョウ様と体臭がよく似てますね……今日は一緒に寝ましょう」

 わっち……クロミエルは苦手なのですが、仕方ないですね。

 この事は、すぐに家族達に知れ渡り、わっちはみんなの抱き枕となるのでした。

 まぁそれはいいのですが、突然尻に顔を押し付けるのは勘弁してほしいです。

 特にヒマリ。さすがあるじ様に淫獣娘と呼ばれし者ですね。

 ひゃんっ! イノゥバもですか!

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