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ラヴィンティリスの白き魔王ですが、ユリハーレムに龍王や宇宙戦艦がいる件について語りますね。  作者: 烏葉星乃


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第78話 雪野家の面々

 明日は15時に第79話をアップするですよ。(ノエル)

 しんしんと街を白く覆ってゆく雪と共に降下してゆく、私を抱いた鬼神羅雪。

 眼下に懐かしき我が家が見えてきた。

 おや、玄関先で誰かが手を振っている。


「あれ、私の旦那様」

「えっ? キョウカ結婚してるの?」

「うん、キキョウと体を交換した翌月には入籍したよ」

「マジか。どんな電撃結婚よ……え、あの人」


 私の主治医だった奈良橋先生だ。マジか。

 家の前に着陸すると、先生が駆け寄ってきた。


「桔梗君……本当に桔梗君なんだね?」

「はい、先生。お久しぶりです」

「うわぁ~キョウカから話は聞いてたけど……本当にツノが生えてる。でも以前と変わらず、とても綺麗だよ」

「私という愛妻がいる前で何言ってんだ、このおっさん」

「おっさんゆーな。別にやましい気持ちなんてないよ!」

「うん。たとえ入院当時、病室に忍び込み、狸寝入り中の私にキスしたり、おっぱい触りに来てたとしても、今は元私の体の奥さんもいるし、やましい気持ちは無いよね」

「ひぃ……」

「へぇ」


 とんでもない秘密の暴露。そして、妻からの凍えるような視線に晒された夫は、雪に埋まる勢いで土下座した。顔がずぼっと埋まっておる。


「お父さんのと土下座とくらべると……四十点かな」

「しんしんと雪の降る中、夫の土下座姿を見れるとは思わなかったわ。雪土下座?」


 ふわりと暖かな玄関に入り、記憶の中の我が家と擦り合わせるように細部を眺めてゆく。そして、胸元のブローチに触れ、パイロットスーツを収納しながら、ひょいっと玄関に上がった。全裸になったので、下着と白ローブを魔法珠より出して着込む。現在、瞬間お着替えが出来ないからね。

 そんなお着替え中の私をガン見する旦那を睨むキョウカ。仲睦まじくて何より。


 ああ、懐かしいなぁ。

 模様ガラスの引き戸から居間に入ると、ソファーの上に凄まじく可愛い存在が鎮座してテレビを観ていた。渋谷で撮影された私が緊急ニュースになってる。


「ママおかえ……」


 ピンクルビーの目を丸くして凝視する、白い髪の幼女。

 キョウカが私の隣に現れると「ママふえたーっ!」すごく可愛い驚きの声を上げた。もちろん私だって、自分が分裂したみたいな幼女の存在に驚いている。


「キョウカ……この子……」

「うん、私の宝物。可愛いでしょう」

「……半分は、私に所有権があるよね?」

「九分九厘私のよ! 残りはヨウくんの」

「えぇ……そんな」


 キョウカは愛娘が関わると、旦那の扱いが異様にぞんざいになるようだ。合掌。

 少し警戒気味な美幼女の隣にゆっくりと座った。ああ、可愛いっ抱きしめたいっ! だがここは我慢かつ冷静に。


「こんばんは、私はキキョウ。あなたのお名前はなぁに?」

「あたし、ひいらぎ。にしゃい。もうしゅぐしゃんしゃい」


 ああああ、可愛すぎて尊死しそう。小さな指のVサインから上手に三を作れない攻撃力は、核力砲やメトロンノヴァよりも上に違いあるまい。

 そして、その好奇心旺盛なピンクルビーの瞳は、私とキョウカを交互に見ながら、一生懸命自分なりの答えを探してるようだ。


「しろいママ……ツノがありゅよ」

「ほほう、お目が高い。私は……鬼なんだよ」

「おに……きぶちゅじむざんに、おににしてもらった?」


 おいおいおいおい。


「私は最初から鬼で、人を絶対に食べない、優しい鬼ですよ」

「やさしおにしゃん」

「ねぇ、ひいらぎちゃん。私の事は、お母さんって呼んでくれる?」

「おかぁしゃん?」

「ちょ、キキョウ何言ってんの!」

「まぁまぁ……私達、半分自分みたいなものだし。この子の白い髪、私由来でしょ?」

「ピンクの瞳は、私のママ譲りだから!」

「ああ、アイシャ姫ね」

「ママの事、知ってるの?」

「うん、アスラン王国に行った時、クロちゃんにね」


「では改めましてこちら、ひいらぎちゃんの本物のママです」

「いつものママ」

「そして私は鬼だけど、ママと双子の姉妹同然なので、お母さんって呼んでね」

「おに……おによめ?」

「お母さん」

「おかぁしゃん」

「はい、よく言えました。いーこいーこ」

「キャッキャッ」


 私に抱き着く可愛いひいらぎの様子に、解せぬ……という表情のキョウカ。そして蚊帳の外な先生は、台所で料理しながら私達のやり取りを笑っている。


「ごめんごめん。私もお腹の子に、あなたの事をもう一人のママって紹介するから」

「はぁっ?」


 妊娠してるのを知っていながら龍王と戦って、しかも時空転移した事をキョウカにめちゃくちゃ怒られたでござる。実は妊婦の転移魔法使用は非常に危険なのだ。

 なんと妊婦が転移した場合、お腹の子だけがその場に残ったり、どこかへ転移して消えたりという致命的な事故が時々起こるらしい。

 その為、妊娠を自覚してからは、ゲート魔法しか使用していないし、念の為に転移阻害の加護を身に着けている。

 ところが今回のは未知の時空転移だ。転移阻害は効果なかったようだが、幸いお腹の子に変わった様子はない。

 先程から、ひいらぎがお腹に頬をすりすりしている。


「ここにだれかいるよ」

「ひいらぎちゃん、よくわかったね」

「うん、ママのおなかにもだれかいる」


 ええええええ!? 大人達が盛大に驚きの声をあげた。

 正月明けに検査をすると、雪野家に第二子の存在が確認されるのであった。


「さぁ、年越しそばが出来たよ」

「はーい」

「うわぁ美味しそ~っ、先生が料理したんだよね?」

「まぁね、結構得意だよ。うちは夫婦そろって色々と忙しいから……」

「私も魔力病の……あああああああーっ!!」

「キョウカ?」

「キキョウっ! 私の魔法珠の中身持ってる? 水晶のメダル!!」

「え? うん、あるよ」

「ッシャアーーーッ!!」


 紫水晶とルビー。互いの腰飾り型魔法珠を近付け、念じながらキョウカの荷物を移動させた。


「ああ、龍王ファフニールよ! 会った事ないけど、キキョウをぶっ飛ばしてくれて、ありがとうっ!」

「言い方」


 早速キョウカが水晶のメダルを取り出しすと、天に掲げながら奇声を発した。

 チャラララ~ッ♪ 善太の電鉄でアイテムゲットしたようなポーズだ。

 そして、泣きながら年越しそばをすするのであった。音だけ聴くとお蕎麦なのか鼻水なのか判別できない。そんな母親の奇行を見て、ひいらぎが可愛らしくケタケタ笑っている。


 その後、確か五年ぶりであろう紅白を観ながら、私達は四年分の報告をした。


 まず、私が付与魔術師になった事。ノエルを封印から解放した事。アルス王国の顛末と、六ヵ国を併合し郷魔国が超大国となった事。女神ネロを含む美女美少女わんさかユリハーレムの結成。なんとシロくんが転生し勇者シルヴィアになっていた事。ユキを養女にした事。世界神ラヴィちゃんとの女子会。あ、あとお腹の子の父親はクロね。

 そして本日、龍王ファフニールが狂乱して相打ちになった事等々を報告し、姿見水晶で家族や恋人達を紹介した。


 とんでもない波乱万丈な私の四年間に、夫婦そろって驚き、呆れられてしまった。

 

 キョウカは私に成り代わってすぐ、その素性を同意の上、先生と結婚。雪野家のクズ親戚をボッコボコにしたり、現在進行形で魔力病の子供達を救う活動に邁進中だという。私が持ってきた水晶のメダルは正に福音。刻印されている魔法陣は体内の魔力を吸い出す事ができるのだ。これで世界中で苦しむ子達を救えるぞ~と、鼻息が荒い。

 そして、ひいらぎという最高の宝物を得た事がこの上ない幸せだという。


 キョウカはすごいな。世界中の子供の命を救おうと日々努力している。

 私なんて大勢殺したし、今日なんて、私のまきぞえで何百万人も死んだよ。

 

「キキョウ。失った命より、護った命の数を数えろ。名も知らない誰かの命なんて気にするな。どれだけ理不尽であろうと、そいつらの運命だ」

「え……」

「そんな顔してる。私だって救えた命なんて、手の届く範囲にいる子だけだよ」

「そう……」

「それに……もし、ひいらぎの命を天秤に載せる事態が起きたら、間違いなく全世界の名も顔も知らぬ誰かの子より、ひいらぎを選ぶぞ」


 舟を漕ぐひいらぎちゃんを、先生が寝室に連れてゆくのを目で追いながら、私は頷く。


「うん、そうだね。その通りだわ」

「よし、呑もうか」

「あ、ラヴィンティリスのお酒出そうか。今ね、世界中の国とお酒の取引してるんだよ」

「おっいいねぇ。ヨウくんつまみー!」

「いやいや二人とも妊娠中だろ! あ、今日桔梗君の誕生日だよね。ケーキあるよ」

「やったーっ!」

「ひいらぎには明日ね」

「むにゅ……ケーキのによいすりゅ」

「うわっ、ひいらぎちゃん起きてきちゃったよ」

「この子、すごく嗅覚が鋭いのよね」


 もにょもにょと、寝ながらケーキを頬張るひいらぎちゃん尊し。

 その後は、アリゲーやモウの串焼きを肴にお酒をちびちび。お互い妊娠してるので、度数の低いお酒を舐める程度にして、ジングルベスターカウントダウンを観ながら年明けを祝い、床に就いた。

 ああ懐かしき私の部屋よ。自室か……何もかも皆懐かしい……ガクリ。

 ベッドに入ると、気絶するように眠ってしまうのだった。



 夢を見た。都市が光に飲まれ消し飛ぶの。

 人がいっぱい消えて……『あるじ様~っ』エロいパンツを脱ぎ散らかすノエルが……


「はっ……夢か……」

『起きたです?』

「えっ、ノエル? ……まだ夢?」

『夢じゃなく、念話です』

「念話……マジかっ!」

『マジです。無事で良かったですよ。今どこにいるです?』

「私が生まれ育った世界よ。ノエルはどこにいるの?」

『もちろんキキョウの館です。あるじ様、すぐ転移で帰ってこれそうです?』

「ああ~帰る方法、その手があったね」


 死の契約をしている者同士は、お互いの場所へ転移が可能なのだ。こうやって念話がつながった以上、異世界転移も出来るはず。ただ、現在私は妊娠中なので、今すぐ転移は危険すぎる。地球への時空転移でお腹の子が無事だったのは、万に一つの偶然の産物だった可能性もあるのだから。


「妊娠中の転移は危険だから、赤ちゃんが生まれて、落ち着いた頃に帰ろうと思うの」

『じゃあ二年後ぐらいです?』

「そうね、早くて二年後。遅くとも四年ぐらい……遅いとみんな怒るかなぁ」

『あるじ様の望むままでいいと思うですよ。あ、クロが来たです。涙と鼻水ずるずるで喜んでるですよ』

「あはは、こっちは大したケガも無く、お腹の子も無事だって伝えてちょうだい。あと、こっちでキョウカと合流したので、生活も心配ないよって」

『あい』

「あと、愛してるって。ああ、これはノエルにも、みんなにもね」

『あいあい……じゃあこっちも、クロの言葉を伝えるです』

「よろしくー」


 などとやり取りをしてると、十分ほどで念話がプツリと切れてしまった。

 次に繋がったのは、二日後の同じような時間帯だった。どうやら周期があるらしい。


「おかぁしゃん、あけましておめれとぉ」

「はい、ひいらぎちゃん。あけましておめでとう」


 元日の朝、豪華なおせちとお雑煮が出てきた。


「あ、ひいらぎちゃんにお年玉あげないと……」

「そういうのはまだ早いから。というかこっちのお金もってないでしょ」

「じゃあ……これだ。すーぱーでほるめ魔王キキョウぬいぐるみ~」

「うわぁ、おっきいおかぁしゃん」

「な……なにこれ」

「私のお店の人気商品……きもいって言うな」

「いや、何も言ってないでしょ」

「目が言ってる。ちなみに先王キョウカもあるよ。ほれ」

「いやぁぁぁぁっ!」

「ひいらぎちゃん、これは若い頃のママよ」

「わぁい、ママ赤い」


 なぜかあっちの人、年配者ほどディフォルメを苦手とする傾向が強いのだ。

 キョウカも例にもれず、そんな感じであった。


 いつも読んでくれて、ありがとうです。(ノエル)

 あるじ様と念話がつながって、ほっとしたです。

 もうね、あるじ様が消えてからのクロミエルは、ポンコツそのもの。

 念話がつながり、やっと元に戻るかと思いきや、今度はわっちの尻尾にしがみ付いて離れないです。あるじ様と似た体臭だからって、股間の匂いを嗅ぐなです。

 念話は概ね二日に一度、十分程度。まだ次の念話まで半日もあるですよ。

 はーなーれーろーですぅぅっ! ぶちん。

 あ。尻尾もげたです……。仕方ないですねぇ。

 「ふんぬっ!」気合い入れて、一瞬で尻尾再生完了です。

 もげた尻尾……せっかくだし、食べますか。

 開けた場所でもげた尻尾を龍化させると、長さ80m太さ10m程の巨大尻尾がズドンと現れたです。食べる分だけ切り分けて、あとはまた今度。

 鱗は食べれないので、ドワーフに渡してみるのもいいかもですね。

 さっそく家族やラビットピア、リトルパレスにおすそ分けして、ステーキやハンバーグにして食べたです。普段ごちになってるトントローにも、いっぱい食べさせてあげたですよ。

 みんな、おいしいおいしいと、食べてくれたです。なんか嬉しいですね。

 ちなみに、なんの肉かは説明してないです……お肉、です。

 後から知った事ですが、上位龍や超位龍の肉や血液を摂取すると、万病に効き、不老長寿の効果もあるようですよ。


「このお肉……ノエルちゃんの匂いがする」


 うお、ユキにはバレたです。

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