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ラヴィンティリスの白き魔王ですが、ユリハーレムに龍王や宇宙戦艦がいる件について語りますね。  作者: 烏葉星乃


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第68話 龍星族

「おはよう、カリン」

「おはようございまふ、お姉様……あ、私、喋れる。うわっ、肌青っ!」

「ふふふ、まずはお風呂に入りましょ」

「ふぁい」

「この美味しそうな殻、食べていいです?」

「まずは露天風呂だー!」

「じゃあ、殻の中に入っていいです?」

「入るのは、お風呂だけにしなさい」

「あい……」


 お風呂で髪と体のぬめりを落としながら、頭の角から尻尾の先まで、カリンの身体のあらゆる部分を隅々まで観察した。見た目は十六~七歳だろうか。大人ノエルぐらいの背格好だ。十字の瞳孔と青翡翠の瞳がとてもミステリアス。口の中やデリケートゾーンの色味から、血液の色は青だと思われる。

 あ、ごめんごめん。好奇心を止められなかったよ。私の見る? ちなみに私の血液は、ムラサキシキブの実のような、鮮やかな紫色だ。はしたない私の姿に、カリンが頬をポっと青らめた。

 よく見るとカリンの喉に小さな六角形のウロコらしき物が付いてる。

 クロが言うに、龍族の弱点である逆鱗らしい。クロの場合、龍化しないと逆鱗を見る事は出来ない。つまりカリンは、世にも珍しい人型の龍なのだ。


 カリンに手鏡を渡すと、目を見開き驚きの声をあげた。


「ふわ! 前世の顔に似てます……色々すごく青いけど」

「おや、前世もかなりの美人さんだったのね。実は私も転生したんだけど、前世そのまんまなのよ。人から鬼人になったけど」

「異世界転生すると、前世に似るのでしょうか」

「ん~シルヴィアは前世の要素全然ないし、何とも言えないなぁ」

「なんだか私……宇宙人っぽくないですか?」

「めっちゃ綺麗で可愛いと思うけれど、気に入らない?」

「いえ、芋虫から人型になれて、こうしてお話できるだけでもすごく嬉しいです」

 

 そう言いながら、私に肌を寄せるカリン。お話しできるだけの関係だけでは終わらせたくないと、熱を帯びたカリンの視線が告げている。

 私もその視線に応えるように、カリンのほっそりとした腰を抱き寄せキスした。


 露天風呂から出ると、カリンにシルクのガウンを着せた。どんな姿に羽化するか想像もつかなかったため、彼女の服はまだ一着もないのだ。

 尻尾は細めだが、背格好の似たノエルの服がそのまま着れそう。いや、あんな痴女みたいな格好の娘はノエルだけで充分よね……ふと服を着るノエルへ目をやると、すごいエロパンツを穿きよった。

 そんなえげつないパンツ。いや、パンツと言えるか分からないような代物を、いったいどこのお店で買ったの? あまりの衝撃に思わずノエルを問い詰めてしまったよ。


「んじゃあ、サッパリしたところで、理力石でステータスチェックしてみよっか」


【個体名】カリン・ユキノ(女)

【年 齢】4歳 誕生日8/1

【種 族】龍星族

【職 業】龍星族の女王

【理力値】2300  

【スキル】魔王の卵、勇者の卵、龍の卵、同族支配、飛行

     魔法(水、土、風、光)、覚醒

【加 護】メトロノウトの寵愛、健康の加護(大)

【称 号】異世界転生者、イモルーの姫、龍星女王

【備 考】龍星女王は同族と下位種を支配下に置く事が可能です。

    卵系スキルは、いずれかが発動すると他は消滅します。

    発動したい卵を任意に選ぶ事は出来ません。


「クロちゃん、カリンの種族が変わっちゃったよ」

「はい、龍気を感じますので、間違いなく龍族ですね。喉に逆鱗があったので、もしやと思いましたが、人化もせず今の姿が龍だとは驚きです」

「ふぇ、私って龍なんですか? 龍の卵のスキルはそのままなのに……」

「おや、飛行スキルがあるけど、翼はないのね」


 カリンが飛行スキルを意識すると、腰付近から淡い緑色をした一対の光の翼が現れ、その場でふわりと体を浮かせた。形状はアゲハ蝶の前翅に似ている。


「ふわぁ、私……飛べるみたいです」

「魔力の翼かな。綺麗ね……本当に龍なの? 実は妖精さんじゃ……」

「光の翼を持つ龍族なら龍の里にも一人おりますよ。あとネロ様もそうですが、とても珍しい事には違いないですね」


 丁度そこに学園から帰ってきたユキ達が驚きの声をあげ駆け寄ってきた。

 同時にシルヴィア達大人組も合流し、カリンを取り囲み、やんやの大騒ぎだ。


「この子がカリンちゃんなの? すごい美人さんだねぇ」

「じぃー……」


 ユキもすごい美人だよ。で……なぜにアスフィーは、私を睨むのかね。カリンをハーレムに入れるかどうかなんて……いや、入れる気満々でした。

 アスフィーはここに来て三年半、ユキも二年半ほど経ち、もう十四歳だ。二人とも美しく成長している。もちろんベルテ達もね。


「うわー姉ぇちん達いいなぁ。カリンの羽化するところ、見たかったよ~」

「ふっふっふ、ボクが撮影を怠るはずないでしょう?」

「さっすがしらふじちゃん!」 


 その数日後、湖畔でカリン覚醒をお祝いする盛大なパーティーを開催した。

 今日の彼女は、鎖骨が眩しい薄手の白いブラウスとフレアスカート姿だ。

 もっとファンタジーな衣装の方が似合いそうな気もしたが、前世で着てたような普通の服が着たいという彼女の要望を汲んだのだ。

 だが、なんか異星人が地球人の格好をしてるみたいで、人外っぽさが強調されてる気がする。ちなみにこの服を仕立てたのはノノだ。まだパーティーの挨拶前なのに、もうできあがっている。


 さて今回の来賓として、インセクティアからアクティアスとクリュソクロアの二人にも、ゲートで急きょ参加してもらったのだが、カリンの姿に驚きを隠せないでいる。あの芋虫がこんなに美しい人型の龍種になったのだから。

 リトリパレスから呼んだティタ姉ぇ達も同様に驚いている。

 巨大芋虫を前にした彼女の悲鳴を思い出すと、思わず生暖かい笑みがこぼれる。

 ラビットピアからも村長達やカリンと仲の良かった子供達、そして亡命組のアルフィール姫達やセバスチャン一家も招いた。それと大魔導図書館に籠りまくりのムーレイを引きずり出し、家族と一緒に参加してもらう。ちなみに家族というのは、メイドさんと結婚して、子が二人いるのだ。


「ふぇ~、芋虫から姿は変わりまひたが、これからも変わらず宜しくお願いしまふ。かんぱーい!」


 緊張しながらも、カリンが乾杯の音頭を取り、パーティーが始まった。

 定番のバーベキューも良いけど、今回は料理人に来てもらって、大きな鉄板でステーキやお好み焼きをジュウジュウがメインのバイキング形式パーティーだ。

 普段は私達をお世話する側の館メイド達も、会場の準備を終えると私服に着替え、パーティーを楽しんでもらっている。


「どっどうぞなんだな」豪快に焼かれた、モウの厚切りステーキをカリンのお皿にドンとのせたのは、なんとトントローだ。この上位龍、ラビットピアの屋台は弟子に任せ、最近は城の厨房でも腕を振るってるらしい。

 

「これ……すごくいいお肉でふ……前世でもこんなの食べた記憶ないれす」

「うんうん、国産の高級黒毛モウだよ。ささ、どんどん食べて食べてっ」

「ふぁい。このオニオンソース、有名ステーキ屋さんのタレみたいで最高れす」


 美味しそうにお肉を頬張るカリンの隣で、ノエルも大きな肉塊を攻略中だ。

 カレンが香ばしいガーリック醤油の二枚目を口に運んでいると――


「あひゃ……ヤバいれす」

「モグモグ、ヤバいほど美味ひいです?」

「いえ……卵が孵化しますぅ~っ!」


 あわてながら皿を置くと、湖に向かって走り出すカリン。私が追うと、クロとノエルも後に続いた。バシャバシャと遠浅の湖の中を走るカレンがコケて水没すると、その数秒後、湖中に青白く発光する大きな魔法陣が現れ、ドドーンと水柱と共に何か巨大な存在が湖より現れ出でた。

 パーティー会場のみんなもその存在を見上げ、目を丸くしている。誰もが口をポカーンと開きっぱなしだ。私もモグっていた肉汁弾ける高級ソーセージを湖に落とし、足元を泳ぐ魚にパクリと食べられた。


「はわわわわわ」

 

 空から響き渡るカリンの声。

 それは、巨大なカリンだった。さっきまでお肉を頬張ってた少女の姿そのままに、身長が百メートルを超えており、まるで伝説の赤い巨人のような大きさになっている。服は着ておらず、一見全裸にも見えるが、よく見ると六角形のウロコが薄っすらと全身を覆っており、肝心な部分はきれいに隠れている。まるで肌と同じ色の全身ぴっちりスーツを着ているような感じだろうか。これなら巨大な下着は不要そうだ。

 だが、なかなかエロい……目のやり場に困る者もちらほら。

 ほら、トントローなんて純情そうに顔を真っ赤にしながら、カリンの大きく艶めかしい肢体をチラ見している。

 ちがう、そうじゃない。一体これはどういう事?


「これは……龍の卵のスキルが孵ったようですね。驚きです。この波動は間違いなく超位龍のものです」

「超位龍って、クロちゃんやノエルみたいな龍王と同じな?」

「龍王の称号を得るかは不明ですが、この世界七人目の超位龍の誕生ですよ」


 超位龍とは、神に匹敵する力を持ち、天候をも操るという世界最高峰の種族だ。    現在、クロを含む龍王四柱と、無職の龍王ノエル。最後の一人がどこの誰なのかは不明だが合計六人いる。そして七人目がカリンだ。


【個体名】カリン・ユキノ・スターゲイザー(女)

【年 齢】4歳 誕生日8/1

【種 族】龍星族スターゲイザードラゴン

【職 業】龍星族の女王

【理力値】12000  

【スキル】龍魔法、魔法(水、土、風、光)、眷属支配、覚醒、龍装化、航宙

【加 護】龍神の加護、メトロノウトの寵愛、健康の加護(大)

【称 号】異世界転生者、イモルーの姫、龍星女王、超位龍、生体兵器

【注 意】フロア構造体への龍魔法メトロンノヴァ放射は厳禁です。


「カリーン! 大丈夫~っ?」

「すごく高いです……」


 差し出された手のひらに乗ると、カリンの胸元まで持ち上げられた。まるで私が小人族になった気分だ。この高さからだとキキョウの館ダンジョンの全景が見渡せる。ペタペタとカリンの鼻の頭に触り、キスすると目の前の大きな青翡翠の瞳が不安を訴えかけてきた。


「大丈夫よ、私がいるから」

「あの……私の事、怖くないですか? これじゃもう怪獣です……」

「ふはっ、うちの身内で一番かわいい怪獣ね」

「ふえ?」

「クロちゃんが龍王リヴァイアサンの姿になったのは、祭で見たわよね?」

「はひ……」

「私が見た目や大きさだけで誰かを嫌ってたら、きっとカリンはあの時、みんなに美味しく食べられてたよ?」

「ふわっ、そうでした……」

「うふふふ、カリンはおっきくても可愛いなぁ~」

「わわ、お姉様の方が可愛くて綺麗ですよぉ」


 そのイチャイチャが聞こえたのか、湖岸にいるクロとノエルが眉間にしわを寄せ、ズドンとその場に瑠璃と白の龍王が現れた。


「キキョウ様……私のこの姿は、やはりゴツくて可愛くないですか?」

「あるじ様、わっちはパンツ穿けば可愛くなるです?」」

「二人とも対抗すんな! 誰も可愛くないなんて言ってないし、いつも姿に関係なく愛してるでしょう」

 

 そんなギャースカ騒いでる中、更にトントローも龍化した。知り合った頃よりずっとスリムになり、不摂生でくすんでいた龍鱗も鮮やかなオレンジ色に輝き、とても美しく雄々しいドラゴンになっていた。こうして全員が並ぶと巨体なはずなのに、カリンが子供のようだ。


「トントロー、また痩せたですね! 以前みたいに太れです!」

「ノエル様ぁ、そんな殺生なんだぁ。ギャーッ!!」


 牙を剥いたノエルがトントローの尻尾にガブリと噛みついた。逃げようとするトントローが湖の中でコケ、ドバッシャーンと水しぶきが上がると、湖岸に集まった子供達がキャッキャと歓声を上げる。湖からはじき出された魚達がビチビチと空を舞い、森から鳥達がバサバサと飛び立つ。まさに怪獣大戦争の様相であった。


「こらこらこら、やめなさい!」

「ふわぁ~みなさん、すごく大きいです」

「大きさなんて、個性の一つでしかないのだから、気にしなくていいのよ?」

「そうだよ、ボクなんて本体がここに出たら、とんでもない事になるからね」

「え、しらふじってそんなに大きいの?」

「うん、尻尾も含むと全長二千百メートル」

「「でっか!」」


 その数日後、まるでアゲハ蝶のような四枚の美しい光翅をひろげたカリンの手に乗り、私達はインセクティア島へ向かった。

 島の首都上空を飛び、カリンが降り立ったのは、彼女が育った元イモルー牧場。現在は多くの龍蟲族がキュウキュウ住まう、住居兼教育施設のひとつだ。


 身長百八メートルもあるカリンが降り立つと、蟲人族はその場で硬直し、龍蟲族達はみんな揃って上体を起こす様に立ち上がり、カリンを祝うように、歌うように声を上げた。まるで合唱してるかのような美しいハーモニーが響き渡る。そして足元でカリンを中心に盆踊りが始まるのであった。いや、盆踊りではないけれどニュアンスで。


「ふわ……」

「カリン、どうしたの?」

「この子達と精神のパスが繋がりました。お姉様……私、ここでこの子達を導こうと思うのですが、いいでしょうか」

「うん、カリンはこの子達の女王様だものね。私も協力するからお願いね」

「ふぁい!」



 その後の協議の結果、島の南東部に位置する深く大きな森を龍蟲族の住まう地とした。

 その森は元々彼らの生息地だったので、特に施設や小屋も必要なく、問題なく暮らせるようだ。ただしカリン用の屋敷は用意する事にした。私達も寝泊まりしたいので、そこそこ大きなロッジ風の屋敷である。

 食料に関しては、主食の果実類は森に充分自生しているが、彼らはトウモロコシのような甘い穀物も非常に好むので、森の外縁にある農場から供給する事とした。

 住民たちの食事に立ち会ったが、実も茎も余すところなく、バリバリ美味しそうに食べている。


「こらぁっ、ヒゲだけ食べて残しちゃダメですよ!」


 小さい子はトウモロコシのヒゲが好きで、真っ先に食べるようだ。


 さて、蟲人族の生活圏から、いきなり荷車を曳くイモルーこと龍蟲族が去ると、島の産業が立ち行かなくなる。ちなみに馬は高温多湿が苦手なので、この島には適さないそうだ。


 龍蟲族を森に連れてゆく前に、その事を説明し、彼らの自由に選択させたところ、結構な人数の者達が蟲人族との共存を望んで街に残った。

 理由としては、荷を曳くのが面白い。そして蟲人達との交流が楽しいからだという。

 そして、森で暮らす事を選んだ者達の中には、蟲人族にいじめられたり、仲間を殺され食われた事を認識している者達が少なからずいた。

 心に傷を負った子達には、森の奥で静かに暮らしてもらおう。


「お姉様~お久しぶりです~」

「うわっ、えええっ!?」


 離れていても念話で毎日のように会話しているが、半月ぶりに逢うと、カリンはとんでもない姿で暮らしていた。なんと身長が四メートル程になっていたのだ。しかも腰にハート柄の可愛いパレオを巻いてるだけで、ほぼ全裸である。


「そっその姿、どうしちゃったの!?」

「人のサイズだと、みんなにもみくちゃにされちゃって、大きすぎても今度は小っちゃい子踏んじゃいそうなので、この位が丁度いいんです~」

「あははは、なるほど。カリンは人気者だものねぇ」

「ふわ~もう、私じゃなく木に登りなさ~い!」


 カリンの周囲には、大小大勢の芋虫っ子達がまとわり付き、キュウキュウ楽しそうだ。なんだか女王というより、保母さんだわね。


 ふわぁ、いつも読んでくれて、ありがとうございまふ。(カリン)

 覚醒して羽化したら、大きな芋虫か、虫人間か、チョウチョになるんじゃないかって不安でした。龍になっちゃったのは予想外でしたけれど、すごく人っぽい姿になってホッとしてます。お姉様は私の姿がどうなろうと、たとえ芋虫のままであろうと、私を恋人にする気満々だったそうです。正直、冗談かと思いましたが、思い起こせば蛹になる前から、私にキスしたり、裸で添い寝とか……してましたね。

 私、超位龍になったせいで、実質不老不死らしいです。

 この先、何万年も生きるそうなので、お姉様に一生ついてゆきますよ。

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