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ラヴィンティリスの白き魔王ですが、ユリハーレムに龍王や宇宙戦艦がいる件について語りますね。  作者: 烏葉星乃


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第61話 ユキの学園生活です

 ユキの事を少し話そう。

 成長不良の体を加護で成長・最適化を始めた頃から、ユキは基礎学力を身に付ける為、精力的に学んた。盲目だった時、彼女は暗算をひたすら磨いてたそうで「数字を覚えたユキ姫様は、もはや算術を学ぶ必要がございません!」と、教師が舌を巻く程だった。

 さすがに読み書きとお姫様教育には少々苦労してるようだが、八月から学力の遅れ気味の生徒向け夏季講習に通い、晴れて九月から貴族科二年に入学する事となった。


「明日はお母さんも変装して、学園でユキの護衛をするわねっ」

「お母さん、子離れしないとダメだよ?」

「ええっもう? まだ親子になって半年なのに?」

「姉ぇちん、さすがに過保護すぎるよ。適度な距離感は大切だよ。母親を名乗るならね」

「くっ、さすが五人も産み育ててきたお母さんだ。心構えが違う」


 せっかくメイド服用意したのに……よし、今回はロレッタのメイドをしよう。ユキの護衛は、シルヴィア達がローテ組んで就いてくれる事になっている。貴族科は二人まで護衛や側仕えを連れて通えるので、ユキ専属メイドに選んだルネと共に毎日学園に通ってもらっていた。

 自分の身を護れるベルテ、アスフィー、アリアンの三人には、しらふじがこっそり水晶星で見守っている。

 セーラの場合、学友のベッキーがメイドだが、さすがに手が足りないので、セドリック王国から顔見知りの側仕えを呼んで就いてもらっている。こちらにも、しらふじがこっそり護衛しているので安心だ。


 とある十月の朝。


「今日のユキ姫当番は誰かな?」

「あ、わっちです。準備万端です」

「ノエル、アウト。懲りないわねぇ。おケツ丸出し痴女服は禁止です」

「えぇ~…」

「えーじゃない。ちびっ子ならまだしも、大人姿のノエルは著しく学園の風紀を乱すから、必ずメイド服を着用なさい」

「ノエルちゃんのメイドさん。かわいいからお・ね・がいっ」

「ユキにそう言われちゃ、仕方ないです」

「なんでユキのお願いは、そんな素直に聞くのかしら」


 わっちは基本的に、あるじ様から離れる事はないですけど、ユキの護衛は別腹になったです。大した理由はなく、週一度ぐらいならいいかなと思ったのです。学園内も見て見たかったですしね。

 月曜から金曜日をロリ巨乳、銀貧乳、うさダブル、手羽子、わっちの六人の中で、手の空いてる者が適当に代わりばんこですよ。


「みなさま、ごきげんよう」

「ユキ姫さま、ごきげんよう。今日の護衛メイドは、ノエルさまなのですね」

「郷魔国のメイド服は、フリルが多くてとても可愛いです」

「ユキ姫様は、見てるだけで心が洗われるような、驚きの白さですわ」

「そうそう、来週から転入生が三人も入るそうですわよ」

「今月だけで、もう八人になりますわね」


 そう、ユキが貴族科に編入して以来、転入生が増えているです。

 元々、貴族科の三年生以下のクラスは、各一クラスしかない少人数なのに、二年のクラスへの転入生が先月と併せ十二人。あきらかにユキ目当てですね。本来二~三年後に入学させる予定だった王侯貴族の子女を前倒しで送り込んでるみたいですよ。


 休み時間、珍しくユキがクラスメイトの男子に話しかけてるです。資料によると、八歳からこの学園に居る、アイヤゴン王国の第二王子のようですね。学園に捨てられた子供です。


「あのう……ラヴィドリー様でしたよね?」

「え……あ、はい。ユキ姫様に名前を覚えていただけたなんて、光栄です」

「クラスメイトなのですから、身分は気にしないでください。最近、急に落ち込んだお顔をしてるようなので、気になったのです。どうかなされましたか?」

「あ……顔に出てましたか、すみません」


 おおかたユキの存在を知った国元が、彼にユキと知己を得よと、無体な命令でもしたのでしょう。


「ユキと友達になったと、国元に言ってやるといいです」

「ええっ!?」

「ノエルちゃん、それってどうなるの?」

「捨て子同然のタンドリー王子の待遇が大幅に改善される可能性があるです」

「捨て子……私と同じなのですか?」

「え、ユキ姫様が捨て子?」

「ユキとは事情が違うですよ。第一王子の母である正妃に疎まれて、優秀なタンドリー第二王子は学園に捨てられたのですから」

「はい……よくご存じで……」

「ノエルちゃん、言い方!」

「だから、ユキと友達になったと伝えれば、待遇改善か、あるいは……」

「「あるいは?」」

「タンドリー王子を殺す為、本国から王妃の刺客が送り込まれるかもですね」

「「ええええっ!?」」


 タンドリーと同じ境遇の子に釘を刺す為、周囲に聞こえるように言ったです。

 聞き耳を立て、背中をビクリとさせる子達が何人もいたですよ。


「功績を上げれば本国に帰れるかもですが、今度はあっちで狙われるですよ。いいですか? ここに捨てられた子は、政敵から身を護る為に避難させられた子がほとんどです」

「そっ……そうなの、ですか?」

「本当に捨てるなら、わざわざこんな遠方の学園に大金を払って留学なんてさせず、危険な辺境に送ったり、闇のオークションに売ったり、修道院に入れるですよ」

「では……僕は疎まれて留学させられた訳ではないのですか?」

「この学園は、王子を……あなた達を愛する家族が、子供の幸せを願って送り出した、世界で一番安全な場所なのですよ」


 涙を流すタンドリー王子につられ、似た境遇の子達も涙してるです。

 ユキまで泣いてるですよ……


「幸いここには、同じ境遇の子も多いです。みんなで助け合い、この郷魔国で幸せになれる道を探すのがよいです。この学園も、先生方も、わっちのあるじ様、魔王キキョウ陛下も手助けしてくれるですからね」

「は……はい……幸せになる道を探します!」

「いつもは痴女のノエルちゃんが……なんだか頼もしいお姉さんに見えます」

「それは、ユキの気のせいです」

「えー…褒めてるのにぃ…もごっ」


 不満そうなユキの口に、ひいきの露店の新作しゅわしゅわソーダ飴を放り込んで黙らせた。ついでにタンドリー王子や、他のクラスメイトの口へ次々に放り込み、お気に入りの布教稼働をしたです。


「ん? なんだかいい匂いがするな…もごっ」


 語学の教師が来たので、彼の口にも飴を放り込んで、ルネと頬をもごもごさせながらユキの護衛開始です。内緒ですがユキ専属メイドのルネも勇者ですよ。

 護衛中のわっちは、常時半径二百メートル程の範囲を探知スキルでチェック中です。不自然な動きの者、殺気を発する者の存在を……む。

 隣の校舎に妙な殺気があるですね。ユキへ向けられているものではありませんが、危険の可能性は全て排除しないとダメなので、必要があれば潰すです。


「ルネ、ちょっと行ってくるですよ」

「はい、ノエルお嬢様。こちらはお任せください」


 気配を消し、校舎を移動すると……いたです。用務員のようですが、学園の匂いが全くしないので、異物感丸出しです。

 廊下を掃除する男のすぐそばで気配を消すのをやめると、きゅうりに驚いたヌコのように飛び上がったです。


「何者っ……メイド?」

「お前が何者ですか。暗器の臭いがするです。暗殺者……いや、勇者ですね」

「……」

「この学園で流血沙汰は色々困るのです。このまま帰るなら、このソーダ飴を食べさせてあげる上に見逃すですよ」

「帰らなかったら?」

「死ぬです。わっちには、勇者を復活させず殺せる能力があるですから」

「大きく出たな、やってみろ」


 わっちの前から殺気を露にした暗殺勇者の姿が消え、二十メートルほど後方へ勢いよく転がった。


「なっ何をしたぁぁっ!!」

「食ったです」

「俺の腕がっ! 足がぁぁぁっ!!」


 猛ダッシュでわっちに襲い掛かってきた瞬間、サッとかわしながら四肢を食ってやったせいで、バランスを崩し吹っ飛ぶように転がったです。味はイマイチですね。


「何だこれ……痛みが無い。なんで血が出てないんだ」

「それが本来の状態だと体が認識してるです。元々手足は無かったのだと。だから、たとえエリクサーを飲もうと、死に戻りしようと二度と再生しないですよ」

「ばっばかな……」

「そして、そのままわっちが全身食うと、お前は魂ごと消えて復活せず終わるです。おっと、自害しても死にきる前に食うですよ」

「ひぃぃっ! 貴様っ何者だっ!」

「龍王バハムートです。運が無かったですね」

「りゅ……なんでそんな奴がこんな所に……」

「くっくっくっ。わっちの正体を知った以上、ただでは済まないですよ」

「自分でばらしたくせに! なっ……何をしているんだ?」

「パンツを脱いでるです」

「なんで脱いでるんだっ、ままま丸見えだぞ!」


 ペロンと股間を見せつけると、暗殺者のくせに顔が真っ赤です。


「舌を噛まれると面倒なので、口に詰めるですよ。ユキが刺繍してくれたハンカチしかないのて、もったいないですから」

「やっやめ…もごぉっ」

「さぁ、超の付く美少女の脱ぎたておパンツを味わいながら選ぶですよ。魔王の軍門に下るか、わっちに食われて死ぬか……」

「もごもごもご」


 左腕のようにボリボリ咀嚼せず、飲み込んだだけの無事な右手を、口からずるずる引っ張り出すように吐き出して見せ、あるじ様のように、ニタァと笑うと暗殺勇者が気絶したです。

 これでよし。勇者の能力を封印する首輪をハメて、しらふじちゃんにあるじ様のもとへ転送してもらい任務完了です。


「ただいまです。暗殺者の勇者を捕えて、あるじ様の所に送ったですよ」

「それはお疲れさまでした、ノエルお嬢様。はい、あーん」

「あむっ」


 ん~ルネお手製の焼きたてフィナンシェは絶品です。授業中なのでサクサク音のしないお菓子がご褒美とは、気遣いも一流のメイドですね。

 でも……ふわりと漂う焦がしバターの香りが凶悪すぎて、ユキやクラスの全員が、教師までが物欲しそうに、こっち見てるですけど。

 やらかした事に気付いたルネが魔法珠からバスケットを取り出し、焼きたてフィナンシェをみんなに配りだしたです。

 ちなみに授業中の飲食は、音や匂いに配慮すれば認められているですが……このフィナンシェは、間違いなくアウトですね。


 語学の授業が終わると、ユキが優秀すぎて免除されてる算術の授業です。この時間は、他の学科の見学をしたり、図書館に行ったりしてるです。

 今日の見学先は、魔法科三年生の実技です。これから魔法広場と呼ばれてる魔法の練習場に行きます。

 ユキはどこに行っても人気者ですね。魔法科の教師と生徒達に挨拶して、練習場横の観覧席から、魔法実技の見学開始です。

 生徒達は、技量に合った距離の的に向け、魔法を放つです。


「駆けよ稲妻、轟け龍鳴、漆黒の炎を纏い、我が敵を討ち滅ぼせ! ファイヤーブレット!」


 しゅぽん! ひゅるるるる~ボフン!


「ロニール君、初級魔術は無詠唱出来るようになりなさい。あと、関係ない文言を魔法行使中に使うと、暴走したり、魔力が枯渇する危険性がありますからね」

「はい、すみません……」

「せんせー、ロニール君は、ユキ姫様が見てるから格好付けただけでーす」


 どっと笑いが溢れたです。こちらを見る生徒達に、笑顔で手を振るユキ。


「いいなぁ、魔法。私も使ってみたい」

「ユキには適正が無いので、諦めるですよ」

「ぶー」

「あるじ様も魔法を使えませんから」

「え。お母さん、いつも凄い魔法使いまくってるよ?」

「あれは、しらふじちゃんの魔導銃を使ってるのです。本業は、付与魔術師ですからね」

「そっかぁ」


 適正がなくとも魔力がそこそこあれば、魔導師の加護を身に着ける事で、初級魔法程度なら使えるようです。ユキも魔力はあるので、護身用に魔法を覚えるのも悪くないかもですね。


 本日の昼食は、週に一度の授業としての昼食です。礼儀作法の授業の一つで、テーブルマナーというのを勉強するのです。キキョウの館でマスターしてるユキにとっては、ただの昼食ですね。

 うむう、貴族科の昼食は、相変わらず豪華ですね。料理の取り分けなどの配膳役も授業として、メイドや執事を目指す下級貴族の上級生が行ってるです。ユキの配膳をする子がすごく緊張してるですね。普段の配膳はルネがするですけど、今日は壁際から見守ってるです。その間に交代で昼食ですよ。さてと。


 わっちは校舎の屋上で探知スキルを発動しながら、優雅にお弁当の時間です。このお弁当は、半年前にトントローの弟子にしたブヒ人間の串焼き弁当です。

 ん、美味しい。あ、ブヒ人間が作った串焼き弁当です。誤解されないよう言い直したです。修業は上々の様ですね。串焼きとおにぎりを食べ終えたら、ルネと交代するですよ。


 ふわり。

 あ、そういえば、ずっとノーパンだったです。やはり開放感がよいです。

 スジに沿って風が吹き抜けてゆくのが良いのですよ。

 さて、穿いてないのを見つかると、お小言がうるさいので穿きますか。

 ん~真珠のパンツと蝶のパンツしかないですけど。よし、真珠にしますか。

 ちょっと食い込むですが……



 ◇ラヴィンティリス豆知識◇

 

 キキョウ学園貴族科は、在学できる十歳から十七歳の八年間のうち、四年生以上を三年間通う事で卒業資格が得られる。留学生の場合、十四~五歳で入学するのが一般的で、この貴族科の卒業を王位や家督を継ぐ為の条件としてる王侯貴族も多いのだ。

 なぜ世界中の国々の王侯貴族が、キキョウ学園を利用するのか。

 まず、元勇者という長い研鑽を積んだ優秀な教師から、世界最高水準の教育を受けられる事。大勢の勇者に護られ安全である事。そして、各国の次代の王達と交流が出来る事が非常に大きい。

 

 キキョウ学園が人生に疲れた勇者達の受け皿になっている話を覚えているだろうか。実はもう一つ、受け皿がある。


 多額の入学金や生活費が必要になるが、十歳未満の子供でも入学が可能だ。

 そういった者は大半が男児で、ほぼ学園の寮住まいのまま、成人し卒業してゆく。卒業後も帰国せずに学園で働いたり、郷魔国の民となり暮らす者が大半だ。

 そう、お国の事情で捨てられた、子供達の受け皿なのだ。

 王侯貴族の家から放逐された、訳アリの子供達を学園が教育し導く。おかげでこの国には、元王族の鍛冶師やアリゲー漁師、元公爵令嬢の冒険者やお針子がいたりするのである。


 この物語をご覧いただき、ありがとうございます。(ルネ)

 館メイドのルネでございます。私が勇者なのを知る人は、実は同僚でも極一部です。館メイドは数百人いる城メイドの中から極少数が選ばれる、いわばエリートメイドです。ですがここは男子禁制ですので、出逢いが皆無です。同性愛者の城メイドもおりますが、キキョウ陛下の寵愛を受けたいと思うような不埒な娘は、まず館入りできませんのであしからず。まぁ休みも定期的にあるので、出逢いは本人の努力と根性で……。それにお見合いパーティーも定期的に開催されてますからね。最近は、キキョウのお宿が出来たので、兎人の美青年をゲットするぞ~と、鼻息を荒げる娘も増えておりますよ。キキョウ陛下も恋愛を禁止してませんしね。


 私の事をお話しましょうか。私が館メイドになったのは、もう四百年以上前です。今はもう亡き小国の貧乏貴族出身ですが、勇者になった事で王家に売られそうになり、郷魔国へ逃げたのです。王家は私を諦めず、罪をでっち上げ国際手配したのですが、クロ様に保護され、ここでアイシャ姫様のメイドをするようになりました。

 弱小王家との勇者契約なんて、ほぼ奴隷契約と同じですよ。

 今回、ユキ姫様の専属になったのは、クロ様の推薦です。アイシャ姫様の事を思い出しますね。ユキ姫様も大変お美しいですから、彼女を巡って騒動にならないよう、私も微力を尽くさせていただきます。

 とはいえ、保護者も護衛達も超過保護で、簡単に国家を奪い取れるような武闘派集団ですから大丈夫でしょう。

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