第60話 新リトルパレス建国祭と二学期
今回の世界会議は、初日にヘンリー君をへこませたおかげで、精神衛生上とてもよい感じで会議の日程を消化していった。他国に文句を付けられる事も少なく、仲裁を押し付けられる事も無く、とても平和な世界会議であった。毎年こうであって欲しい。
さて、郷魔国アンテナショップ桔梗屋の出店は、多くの国々に認めてもらえた。
一方的にこちらの商品を販売するのでなく、相手国の特産品を郷魔国の桔梗屋で販売させてほしいと提案をしたところ、各国の王達も大いに乗り気になってくれた。
ドワーフや鬼人という酒飲み種族が多い我が国には、各国のお酒は特に売れると思うので、手始めに酒類を中心にお願いした。うちの鬼酒(純米酒や焼酎)なんかも逆に売り込めるだろう。元アルスだった北部はワインの名産地もあるしね。
そんな感じで、今回の世界会議は、ストレスなく終了するのであった。
「お姉さん!」
「まぁキキョウよ。よいではないか、よいではないか」
「悪代官みたいに誤魔化さないでください!」
世界会議で小人族の女王ティタティトが、リトルパレスが郷魔国に併合されたと宣言してしまった。私にそんな気は一切なく、単に住む場所を提供しただけだったのにね。近所に小人の国があるだけでワクワクしちゃうでしょう? それで充分なのよ。ほんとマジで。
「併合の件、わかりました」
「おお、よかったのじゃ」
「ただし! リトルパレスは独立自治領で、お姉さんは自治領主をしてくださいね」
「なんじゃ~それでは、今までと全く変わらんじゃろ」
「だって小人族が他の種族と混じって暮らす訳にはいかないでしょう? 私だって小人族用の政策を別にするなんて大変すぎます。なのでこれまで通りでお願いします!」
「うんむ、仕方ないのう。そうしようか」
現在、世界会議やリトルパレス国民の移住を終えた私達は、キキョウのお宿でバカンス中である。湖畔のデッキチェアに水着姿で寝そべり、ぐでーっとしながら夏の終わりを惜しんでいる所だ。目のやり場に困るような、際どい水着ノエルをはべらせ、とても優雅な時を過ごしている。
「こうしてみると……キキョウのおっぱいは、山の様じゃな。ほれ、周囲の視線独占しておるぞ」
「水着文化の布教活動中でーす。お姉さんにも水着用意しますよ?」
「いや無理じゃ。そのビキニとやらを身に着けても、腹が豊満すぎて恥をさらすだけじゃよ」
「じやぁ、来年に向けダイエットしましょうか。加護を使えば無理なく痩せられますよ。ああ、痩せる過程を記録して全世界に姿見写真集を発売しましょうね。タイトルは『私はこうして痩せた-ティタ姉のダイエット奮闘記-』とか?」
「キキョウ……笑顔なのに目が笑ってないのじゃが……」
そして九月。リトルパレスの象徴となる城が完成した。
キラキラ輝く巨大なガラスドームの城。その名もクリスタル・アルカサル。
しかもただのガラスドームではない。なんと内部に美しい尖塔をいくつも配した、優美なガラスの城が建っているのだ。
夜になるとライトアップされるのだが、青や紫の光が散りばめられ、さながら巨大な宝石のよう。あっちの世界でSNSに流したら、めっちゃバズりそう。
その翌日、城のお披露目と同時に、新リトルパレス建国祭が開催された。
小人族とはいえ、さすがに四万人も集まると城前広場では足りず、周囲の道路まで人々で溢れている。
あ、広場の真ん中に誰か土下座してる……と思ったら、マレーニャが群衆の中で絵を描いてるようだ。相変わらず自由人だわ。ここ最近、ずっとリトルパレスに入りびたり、小人達や風景を描きまくってるようで、住民達とも仲が良いようだ。今も多くの子供達に囲まれている。
城を背景に私と女王が舞台に上がった。みんなビールやジュースのジョッキを持ち、今か今かと待っている。ジョッキが汗をかいているので、早速始めよう。
「リトルパレスの皆さん、魔王キキョウです。我が郷魔国の民となった皆さんに望む事は一つ。それは繁栄です。この新たな地で、大いに繁栄して幸せに暮らしてください」
「皆の者よ。滅びに瀕していた我ら小人族は、魔王キキョウ陛下の恩情により、このような素晴らしい地に導かれ、繁栄を約束された。さぁ祝おう」
かんぱいっ!
二人そろってビールのジョッキを掲げ、乾杯の音頭を取ると、国民達も笑顔で乾杯した。そして一気に飲み干す。ふぱぁっ、まだまだ暑いので、キンキンに冷えたビールが素晴らしく美味しい。
じゅわぁぁっと大きな音を立て、ほわぁんと食欲をそそる匂いが漂ってきた。街中に点在する広場で、トントローや人族の料理人達が様々な肉や魚介、焼きそばやチャーハンなどを調理しているのだ。それを小人族が取り分け、民達に配る。
路上にビールやワイン、ジュースの樽が設置され、飲み放題になっており、この街全体が祭の会場になっているかのよう。城前広場にも様々な料理が並べられてゆく。目玉は五メートルはあろうアリゲーの丸焼きだ。これ一匹で何千人分なんだろうか。
大人も子供も目当ての料理に向け民族大移動が始まった。みんな楽しそう。
その様子を眺めながらティタティトは、改めて私に礼を言った。
「ありがとう、キキョウ」
「ふふふ、いいんですよ」
「あと、タスマニアンに同族の嫁を紹介してくれたしな」
「あぁ、あれはびっくりでしたね」
闇オークション後、ティタティト達を館に招いたあの日。
リトルパレスと親睦を深める為に開いたパーティーに、オークション被害者達も参加してもらったのだが、その中にいた袋猫族の女性ニニアと宰相タスマニアンが、一目会ったその日から、恋の花咲く事になってしまったのだ。
ぬいぐるみの様な外見のタスマニアンが、突然くるくると踊るように回りながら、ニニアの前でシュパパッとポーズを取り、両手のひらを差し出した。
「私と結婚してください!」
「よろこんでっ!」
みんな、ポカーンである。
突然、親睦パーティ会場の一角が、結婚披露宴になってしまった。
「でな、来月出産らしいぞ。のう、お父さんよ」
「はい、ありがたい事に」
「マジか。これどうぞ、安産の加護です。お父さん」
「あ、ありがとうございます。妻も喜びます」
ティタティトの側に立つ、ぬいぐるみのようなタスマニアンの照れ笑いが、すごく可愛いので、思わず抱きしめたくなったけど、妻帯者にやるのはまずいよね。
時は半年ほど遡る。ロレッタの事を話しておこう。
それ誰だって? 私が闇のオークションで落札した伯爵令嬢。三人目の妹になった娘の事よ。
彼女は昨年、学園の夏季休暇で実家に帰る途中、魔物に襲われ大怪我を負ったのだけれど、彼女を狙った何者かの犯行だと判明した。そして彼女の実家の詐欺被害も仕組まれたものだという。クロの手の者が調べてくれたので間違いない。証拠もそろっている。
その何者かとは、彼女のライバルで、王太子の婚約者になれなかった侯爵令嬢の実家、ホルブルック侯爵家だ。今回、ロレッタが消えた事でスザンナ侯爵令嬢が王太子妃に確定している。
さすがにこの事実を知り、ショックを隠せないロレッタ。小さな肩がふるふると震えている。私は彼女の震えが止まるまで、優しく暖めるように抱いた。
「ロレッタはどうしたいかな。連中ぶっちめる?」
「私は……もうお姉様の妹です。実家も救われ、弟も来年からキキョウ学園に通える事になりましたし、これ以上は何も望みません」
「そう、わかった。じゃあこれからの事を話しましょう」
「はい」
「退学になっていたロレッタの学籍は、休学に変更してもらったから、在学期間があと一年半残っているの。なので九月から貴族科に復学してもらいます。私のプロデュースでね」
「ぷろでゅーす?」
「そそ。時間はたっぷりあるから磨くわよぉ~」
「おっ…お手柔らかに……」
そして九月。現在に至る。
夏季休暇が終わり、二学期が始まると学園に激震が走った。
魔王キキョウの養女、ユキ姫が貴族科二年に入学したのだ。
その雪の如くの白く清楚な姿に、皆が息を飲んだ。
そして更に、魔物に大怪我を負わされ退学した、エンデルバ王国の妖精ことエスコット伯爵令嬢が一年ぶりに復学したのだ。しかも、魔王キキョウの妹姫としてである。
彼女を目にした者達は、ことごとく息をするのを忘れたという。
その美しさは、まさに幻想的。妖精姫の復活だと皆が口をそろえ、ロレッタの美貌を讃えた。
彼女は在学中から、エルフ族のような薄緑の銀髪やオパールのように不思議な輝きを放つ瞳と、その整った容姿から妖精姫と呼ばれていたそうだ。
そんな彼女の美しさを更に磨き上げる為、これまでの経験を活かし付与魔術をたっぷりと利用した。
まず用意すしたのは、我が国の砂漠地帯で産出するオパールと、白金の腕輪だ。学園で身に着けるのでオーソドックスなデザインの腕輪を選んでいる。
まず美の加護を中心に、有用そうな加護をリストアップし、ホワイトオパールのルースに付与してゆく。そして、それらを白金のブレスレットにまとめるのだ。
実はこの作業が結構面倒で、相性の悪い加護同士だと効果を打ち消し合い機能しなくなる。なので、ドワーフのアクセサリー細工職人立ち合いで、ルースをはめ込んでは外してを何度も繰り返し、やっと満足行くブレスレットが完成した。
その名も“美の腕輪”だ。
何か命名するたびに、シルヴィアにため息つかれるんだよね。しかも今回のは「普通過ぎる」って、理不尽すぎないかい?
美の腕輪に組み込んだルースに付与したのがこちら。
「美の加護Ver.2」「身だしなみの加護」「美爪の加護」「菫外線防御の加護」「虫よけの加護」「ウォータープルーフの加護」「幸運の加護」「健康の加護(大)」「紛失防止の加護」の九つだ。
どうも「美の加護」と「ダメ男が近寄らない加護」この二つは残念な事に共存できないみたい。「虫よけの加護」があるいはと思ったけど、普通に虫刺され防止だった。至極残念無念。
ほかに「防汚の加護」も付けたかったのに、「化粧の加護」を合成した「美の加護Ver.2」と相性が悪いようでダメだった。化粧って汚れなの? 仕方ないので、防汚は服に付けた宝石に付与をした。
健康の加護については、うちの国民であれば不要だけれど、ロレッタが他国に嫁ぐ事も考えて、とりあえず入れてみた。ちなみにウォータープルーフは、化粧と防水を合成したら生まれた加護だ。これが季節柄、城や館で働く女性陣に大絶賛だったよ。
もう一つ、同じデザインで護身用の腕輪も用意した。幸い美の腕輪と反発も無く機能するようだ。
次に制服を用意する。もちろん、ただの制服ではない。
最高級ドレスと同じクオリティで仕立てた、制服型のドレスといえる代物だ。
色は通常の制服と同じ紺と白だが、襟や袖を優雅なデザインに変更し、小粒のオパールを美しく配し、彼女の瞳や髪色にとてもマッチした仕上がりになっている。
ついでに薄紫と白のバージョンも仕立ててもらった。そう、私専用の制服だ。姿見写真集をロレッタと一緒に出す為にね。
折角なので、ベルテとセーラにも着ないか訊ねたが、ブンブン頭を振られ拒否られた。残念な事にグリーンとピンクのバージョンは、キャンセルと相成った。
ちなみにドレスで通う貴族科の令嬢も普通にいるし、学園章や学年章を付ければ何を着ようと問題ない。
最後に彼女の髪をセイクリッドヒールを使い、ショートヘアを膝上程までいっきに伸ばした。
元々腰まであったが、顔や頭に怪我を負った時にバッサリと切ったそうだ。
この独特な薄緑がかった銀の髪は、長く伸ばす程、毛先にゆく程に緑が濃く鮮やかになる。
しかも、みだしなみの加護のおかげで、ふわりキラキラと一糸乱れずなびくのである。なんと美しい髪だろうか。思わず見入ってしまい、ため息がもれた。
説明がとても長くなってしまったが、これでロレッタの武装完了である。
一年ぶりに復学したロレッタは、嬉しくてたまらなかった。仲の良い同級生らは、最終学年になってしまったが、みんな変わらぬ笑顔で逢いに来てくれたからだ。
「ロレッタ様が魔物に襲われたと、お聞きした時は、セレーヌ様なんて足が震えて立っていられませんでしたものね」
「まぁ、リミエラ様だって、泣き出して大変でしたわよ?」
「ですわですわ」
「皆様、ご心配おかけしまして、申し訳ございませんでした」
「それにしましても、ロレッタ様、美しすぎます!」
「ただでさえ美しかったのに、驚きの美しさです!」
「その制服も素敵ですわぁ」
「ええ、すべてキキョウお姉様のおかげです」
「魔王様の妹姫様になられたのでしたね」
昼休み。貴族科校舎脇の広場にあるガゼボで、ロレッタと令嬢達が会話の花を咲かせている。一年ぶりの友人達との語らいだ。
お付きの黒髪メイドがお茶とお菓子を用意し、ニコニコしながら、その様子を見守っていると、ロレッタがあまり会いたくない者達が、さも偶然を装うように現れた。
「あらあら。誰かと思いましたら、ロレッタ様ではありませんか。え……」
「まさか、ロレッタが復学したという噂は、本当…………」
ロレッタの元婚約者、アントニー王太子と婚約者のスザンナ侯爵令嬢が、彼女の姿を目にし、あまりの美しさに絶句している。そして、ポカンとするアントニーより早く我に返ったスザンナが悔し気な表情を見せた。自分よりも圧倒的に美しい容姿と、ロレッタの制服の方が自分のドレスより高級品に見えたからだ。
「ご無沙汰……しております。アントニー王太子殿下、スザンナ様……」
大怪我をした婚約者に、汚物でも見るかのような視線を向け、捨てるように婚約破棄したアントニーと、その原因を作ったホルブルック侯爵家の令嬢を前に、ロレッタが心穏やかなはずもなかろう。
かすかに震えるロレッタの肩に、メイドが優しく触れる。すると、ピタリと震えが止まった。
「そっその顔は……腕はどうしたんだ。以前より……いや、遥かに美しくなってるではないか」
婚約者がそばに居るのも忘れ、ロレッタの美しさに高揚するアントニー。
そんな婚約者の様子にスザンナが眉間にシワを寄せ、ロレッタをキッと睨みつける。
「女神様のような御方に治癒していただきました。大変感謝しております」
そう言いながら、祈るようにうつむき、右手をさすりながら胸に手を置いた。
今のロレッタこそ女神のように美しいよ。そうメイドはニマニマする。
「そろそろお昼休みも終わりますわ。ゆきましょう、アントニー様!」
「まっ待て、ロレッタよ。体が元に戻ったのなら、もう一度私と婚約しても良いのだぞ?」
「なっ!」「「はぁっ?」」
アントニーのとんでも発言に、スザンナと令嬢達が貴族の令嬢らしからぬ声を上げた。
「それは出来ません。エンデルバ王国王太子殿下」
「なっなぜた。我ら相思相愛であったではないか?」
「確かに以前はお慕いしておりましたが、今はそうではありません」
「であろう! え……?」
「再び婚約者に戻ろうなど、これっぽっちも思っておりません」
「だっだが、私と再婚約すれば、そなたの実家も安泰ではないか」
ロレッタが立ち上がり、アントニーに向き合った。
「今の私は、郷魔国魔王キキョウ陛下の妹姫。ロレッタ・ユキノです」
「そっそうであったな。ならば、我がエンデルバ王国と郷魔国の繁栄の為にも、我々の婚姻は、とても意義のあるものになるはずだろう?」
「魔王キキョウ陛下は、即位後わずか二年に満たない間に、大国アルスを含む五ヵ国を併合なさいました。そのような超常のお力を持つ魔王陛下を怒らせたいのですか?」
「なぜ魔王陛下が怒るというのだ。むしろ感謝してくれるのではないか?」
「私がキキョウ陛下の妻の一人だからですよ」
「「は?」」
アントニーとメイドがハモった。
「魔王様の所有物に手を出すとエンデルバ王国が消えますよ。殿下は今の婚約者様を大切にしてください。では皆様、教室にお戻りくださいませ」
ポカーンとするアントニーや令嬢達の前から、ロレッタとメイドは校舎にむけ歩き出した。
「ロレッタ……どういう事? お姉ちゃん困惑中だよ」
そう、メイドは私、魔王キキョウの変装だったのだ。
ふふふ……誰も気付かなかったでしょう?
「私……あの時……」
「あの時?」
「お姉様が私を落札した時の事です」
「ああ、闇のオークションの時ね」
「あの時……黒ドレスの女性に落札された時……胸がドキドキしたのです」
「おっふ」
それって吊り橋効果というやつでは?
確かにそんな強い感謝と好意の視線は感じていた。
しかし、他に救った娘達も同様だったので、特に気に留めてなかったのだ。
「お姉様に救い出された時、余計な事しないでって思ってしまったのです。でも、黒ドレスの女性がお姉様だと知って……ときめきました」
「マジか……」
「はい、マジなのです」
「あなたには……どこか良家に嫁いでもらい、幸せになってもらおうと考えてたのだけれど」
「では、魔王キキョウ陛下のもとへ嫁ぎたいです」
「マジか……」
「お姉様、マジが二度も続きましたよ。あの……私は好みの娘ではありませんか?」
「いや、めっちゃ好き。超好き。本当は手放したくないって思っているわ。でも、姉と呼ばせてた手前……手のひらコロっとするのは、結構つらい……」
「ユキ様はお姉ちゃんから、お母さんって呼ばせたのにですか?」
「うぐっ」
「恐らく……ですが、アスフィー様もお姉様の恋人になる気満々ですよ?」
「ぐふっ」
じぃ~っと私を見つめるオパールの瞳。いつもよりキラキラが三割増しな感じがする。これ、私の方が逃げられないやつだわ。私はロレッタの手を取った。
「わかったわ。じゃあロレッタ……」
「はい……」
「私をお嫁さんにしてください」
「お嫁さんは、私です!」
その後、ロレッタの制服を彩るオパールが、紫水晶へと変わるのだった。
読んでくださり、感謝いたします。(ロレッタ)
アスフィー様に睨まれるのは、ハーレム入りの通過儀礼なのですね。
殺意はありませんが、嫉妬の視線が凄まじいです。成人までは手を出さないそうですが、彼女はもう良いのでは?
それにしましても、普段のお姉様も素晴らしく素敵なのですが、あのゴスロリ姿で黒メイクのお姉様は、とても妖艶でした。初めての夜の時に……あのメイクしていただけないかしら。あああ、今からたぎりますぅ~っ!
はっ……私ったら、はしたないですよね。
「いいよぉ~、初夜に黒メイクしちゃうよぉ~」
はっ……お姉様。いつから見てたのですか?
「ふふふふ……せっかくだし、あのオークションの続きしちゃう? 私が素性を明かさぬまま、あなたの黒ゴス主人になって……ベッドの上で、いろいろな命令しちゃうの……」
お……お姉様……よろしくお願いいたします!
興奮しすぎて、気絶しそうなのを必死で耐えました。鼻血出ましたけど……。




