守らなきゃ! 1 / 隠れ場所は出口に 2
3月15日 白波さんに合わせる顔がない
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「はい!これで帰りのホームは終わり。解散!」
周りの教室から、ありがとうございましたの声が聞こえる中この教室だけ生徒たちのざわつきが響いていた。
「掃除しっかりやれよ~」
「あ、そうだ明澄、放課後職員室まで来てくれる?ちょっと話あるから」
「え?いいですけど…なんですか?」
「後で話すよ!」
教室から教師が出ると、明澄を問い詰める声がざわめきの中に混じっていた。
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7限後 明澄が不安そうな顔をしながら、職員室前に来た。
「あの~1年2組の明澄里桜です。沢山先生いらっしゃいますか…?」
女の教師が反応し歩いてくる。
「沢山先生ならコピーしに行ったけど…どうしたの?」
「大井先生、なんか呼ばれて」
「ふーんそっかぁ…」
「「・・・」」
「沢山先生ね、すごい変わったんだよ…」
「そうなんですか?」
「うん。去年は熱意があって楽しそうに仕事してたの。でもね今年から、なんか何考えてるかわからないし…ちょっとだけ怖くなっちゃって…」
「わかります、ちょっと目つきが怖いですよね」
「そんなことないでしょ」
「へ?」
プリントを抱えた教師が笑顔で近づいてくる。
「おぉ!明澄!ごめんな、ちょっとコピーしてて」
「じゃあね、明澄里桜さん…」
「え?あ、はい」
プリントを置いた沢山が職員室を出て明澄と話し出す。
「ここじゃあれだから、休憩室いこうか!」
「休憩室?」
「保健室の隣にあるだろ?あそこで話すよ」
2人が休憩室に入って話を続ける
「明澄、僕は説教するつもりはないし、君を否定する気もない。だからしっかり答えてほしい
「は、はい」
「明澄、指令待ちなのか?」
「…はい」
「それは、お前が望んでいるのか?」
「はい」
「そうか…………本当につらくなったらなんでもいいから伝えてくれ、いいな?」
「はい!」
安心した顔で明澄が返事をする
「わたし、先生のこと誤解してました!もっと厳しい人なのかと思ってました!」
「誤解が解けて良かったよ。明澄、聞きたいことはこれ終わりだから帰ってもいいよ」
「はい!ありがとうございました!」
明澄が元気な声で返事しながら休憩室の扉を開ける
多分大丈夫だな。明澄か…………あ、言い忘れてた
「言い忘れてたけど、女装はギリ許せるけど、授業中におもちゃ使って遊ぶのはやめろよ」
「え゛!?」
「じゃあな、気をつけて帰れよ」
沢山が休憩室を出て、職員室方面に帰っていった。
「まじかぁ……女子にもバレたことないのに…」
明澄はスマホを鞄の横ポッケからスマホ取り出しメッセージを送った
『ばれちゃいました、今日会えますか』