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1m、1ガニアン=1.2m

※この話はフィクションです。実際の人物や団体などとは一切関係ありません。

 一行は基地に帰り、シノノメに長さの単位を教えていた。

[これが1mだよ。僕らの身長で言うと、俺が185cmで1.85m、ジョージが176cmで1.76m、ルイスが173cmで1.73m、デヴィッドが161cmで1.61m、里香が155cmで1.55mだよ。]

 アルベルトは巻き尺を1mに伸ばし、そう説明した。


「こうしてみると、里香は日本人女性だからともかく、デヴィッドって結構小せぇよな。慣れちまってたから気にならなかったけど。」

「失礼ですね。私の身長が低いのは家系です。翻訳機能のアップデートの為、シノノメさんとの会話記録を送ってください。」

「了解。送ったわ。私も日本人の平均よ?まあ、フォローはされてたわね。」


『もしかして、長さの単位のことを距離の単位と言っていたか?長さの単位なら我々にもあるぞ。一番長い触手が1〈判別不能〉だ。』

[長さと距離は同じ単位で測らないのかい?地球ではそうなんだけど。というか、一番長い触手で決めるって……個体差はないのかい?]

『個体差はある。だから、皆それぞれ、一番長い触手のこの部分までが1〈判別不能〉と覚えているのだ。』

 シノノメは一番長い触手を上に掲げて、根本から数cm上を触手で差した。

 そう示された長さは、1.2mほどだった。


[応用すれば、距離もその長さで測れると思うけど、地球みたいに、1000mで1kmとかにしないと、距離を表すのは難しいかもね。]

『海の中では特に難しいと我は思うぞ。そのようなもの、海の流れで漂って上手く測れないだろう。』

[距離や長さを測るものには、固いものもあるよ。ここには作らないとないけどね。君達の単位で1000の長さの、腐食しない固い棒を作ろうか?]

『そうだな……我以外は使わんだろうから、感覚で覚えることにしよう。その1mが1000あれば、1kmなのだな?』

[そうだよ。申し訳ないけど、覚えてくれると助かる。]

[まあ覚えてもらえなくても、なんとかなりそうだってのは今回の探査でわかったから、無理して覚えんでもいいぞ。]

[僕が運転することもあるんだから、僕は覚えてくれてないとちょっと不安かな……]

 ジョージとルイスはそう端末に入れた。


[君の身長も測っておこうか。1番自然体の形になってくれるかい?]

『おぉ、そうだな。それがわかると、より体感でもわかりやすいだろう。』

 シノノメは、初顔合わせの時のように、触手を全部下に向けて立った。

「うーん……測りにくいねぇ。誰か真っ直ぐな棒か何か持ってきてくれる?」

「わかったわ。ちょっと探してくる。」


 里香は貨物室に向かい、ちょうどいい長さの棒がついているものを持ってきた。

「虫取り網じゃないか。本来の用途とは違うけど、役に立ったねぇ!」

「釈然としないわ……」

 そうしてシノノメの身長?を測ると、127cmだった。


[君の身長は1.27mだったよ。地球人と比べるべきじゃないと思うけど、人類の子供ぐらいの大きさだね。]

『ありがとう。また新たなことが知れて嬉しいぞ。これで案内もよりしやすくなるだろう。』

[元のままでも俺には問題はないから、無理して覚える必要はないぞ。]

[僕は覚えててくれないと、不安すぎるよ。]

『覚えるさ。大したことではない。任せておけ。』

 シノノメは触手を何本も横に伸ばし、力こぶでも作るかのように曲げた。

 和気藹々としてきましたね。書いてて楽しいです!

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