ガニメデ到着前日
※この話はフィクションです。実際の人物や団体などとは一切関係ありません。
大幅な修正をするため、1話を書き直しました。これからは、序盤を書き直していこうと思います。
「そろそろ到着ね……」
私、立花里香は、感慨深く呟いた。
「いやぁ、ここにくるまで、トラブルもあって、1年余計にかかっちゃったねぇ。」
医師のアルベルト・ホフマンがそれに応える。
「ほんとだよ。エンジンのトラブルかと思ったら通信のせいだったあの件で、航路を外れちゃったからね。1年で済んでよかったと僕は思うよ。」
副パイロットのルイス・エヴァンスがため息を吐きながら言った。
「おや、ここに集まっていたのですね。おぉ、木星がこんなに近く……ガニメデにも明日着きますね。」
通信士のデヴィッド・アンダーソンが来て、娯楽室のモニターを見ながら言った。モニターには、操縦室のモニターの映像が表示されていた。
「さて、ガニメデの情報を復習しておこうかぁ。」
「そうね。まあ、天体に関しては当然頭に入ってるだろうし……まず、土とかないのに、苔か藻類のようなものが生えているらしいわね。」
「後は、ガニメデ表面の木星側じゃない方に、無数の穴が空いているんだったね。」
「もっと重要なことがありますよ。微弱な電波が検出されたんです。電波を使う、何かしらがいるのではないでしょうか。」
「そうだねぇ。何がいるのかはわからないけど、穴がない方に着陸するんだし、そうすぐにご対面!ってわけにはいかないだろうね。」
「そうかな。そうだといいけど……」
「私達の目的は、ガニメデの生物をできるだけ多く観測及び採取し、ガニメデの生命の起源を辿ること、そして、生命の進化に関する有益な仮説を得ることです。もし早く何らかの生物に接触できるなら、それは幸運というべきでしょう。」
「何はともあれ楽しみだわ!」
里香は満面の笑みでそう締めた。
『おーい、そろそろ休んだ方がいいんじゃないか。明日は大仕事だぞ。ルイスも交代だ。』
パイロットのジョージ・エヴァンスから、船内放送が入った。
「もうそんな時間?じゃあ、寝ましょうか。」
ルイスは操縦室に向かい、他の3人は寝室に向かう。途中でジョージが合流してきた。
「いやぁ、無重力空間だからいいとはいえ、縦型の寝袋は窮屈だよな。明日からはこれともおさらばだぜ。」
「帰りはまたこれだけどねぇ。」
「普通のベッドで寝られるのなんて、6年ぶりだな!そういう意味でも、明日が楽しみだ。」