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月光の針魔王(リトライ)  作者: 爺増田
鬼岩
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鬼岩-5

 《岩くぐり》は、危険極まりなく、怪我人だけでなく、死人も何人も出ている。


 その都度、橋や手すりをかけたり、順路を指し示す看板を立てたりするが、酔って入って滑り落ちたり、順路と違う岩に跳び乗って苔を踏んで滑る人達が後を絶たない。


 こんな場所なので、当然迂回する登山道(こちらが本道)があり、老いた人や子供はそちらを利用するのが、当然となっている。


 入口には鬼の俎板(まないた)岩と呼ばれるその名の通り巨大な俎板の様な7m×20m×1m程の直方体の岩の上を通り向こう側の鉄梯子を降りてから、今度は俎板の下をくぐり手前側に来るという複雑な立体交差を経てしか辿り着くことが出来ない。


 入口から数十m進むと鬼の岩窟(いわや)と呼ばれる空間があるがそこからもう少し先に行くと地上へと繋がる鉄梯子がある。


 五人の内の誰一人《岩くぐり》を、訪れた者も無いため、小夜(さよ)の聴力で探ってみようと山童(やまわろ)か提案したが、積み上がった岩の下を急流が“ ゴオゴオ ”と、唸りを上げて流れており、洞窟の中は、反響音が渦巻くように鳴り響いており、右も左もわからない様な状態だった。


 仕方なく音を消した歩き方で、そろりそろりと、歩を進めたが鬼どころか鼠一匹にすら会わぬまま地上に出た。


 山童が、関の太郎の言ったことを思い出してみると、『鬼岩の中に結界を張っている』、『頚なり何なりを持って来い』という二つだけだった。


 退魔師としての技なら一通り教わったが、結界を張ったり、破ったりする技は鋼一も針ニもハンクも、取得してはいなかった。


 退魔師の血統の者が陰陽師の技を教わるのも、陰陽師の血筋の者が退魔師の技を教わるのも、厳しい掟に依って制限されていた。


 そのことからも孤路狼(こじろう)真言(まこと)がいかに特別扱いだったのかが分かる。


 どうしようもないので、山童の提案で、一旦退ぞき、ある者に助言を仰ぐことになった。


 そこでドライブインに戻って自動車に乗ろうとすると、また三人組が“モジモジ”と近付いて来た。


 聞くと、バスが来るまで、まだ5時間もあるらしいので、どうしようか?と、いうことだった。


「そりゃ、こんな朝早よから、動いとる訳無いわなぁ…」


 針ニも、少し気の毒に思ったのか。


「じゃあ観光がてら一緒に乗ってけよ。」


 山童達を合わせると8人で、定員もハイエースなら丁度だったので、一緒に乗せて行くことにした。


 3km位戻るとその場所に着く。


 山童と小夜は馴染みの深い場所だが、鋼一と針ニにとっても懐かしいその場所は、《耳神社》いう。


 **********************


 神社の階段を登った所に石で出来た鳥居がある。


 三人組の内の二人が鳥居を潜ろうとした時、針ニが襟を掴んで“グイッ”と、引っ張った。


 その途端、「ドドーン!!」と、落雷のような音がした。


 鳥居を潜ろうとしていた、白ジャケットと赤アロハ(洗濯した服が乾いた)は轟音と共に目の前をかすめ上から落ちて来た、何やら恐ろしげなモノと目があった気がしたが、姿は見えないので二人共、目の錯覚だと思った。



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