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無秩序  作者: 横瀬 旭
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 僕は、もう誰にもいじめられたくない。今までいじめられてきた。小学校でも中学校でも高校でも、言葉や暴力で罵られ、いじめられた。しかし、そんなこと、二十年も生きていればもう慣れた。


 上司が僕の陰口を言っているのは知ってる。だって僕が職場でくしゃみをするのは、上司が煙草休憩に行っている時だけだから。


でも、僕はもうそんなことされたくない。陰口とか、人に嫌な思いをさせたくない。


普通に見られるように頑張った。喋り方や声量、歩き方や目線、表情など常に意識して気を配っている。


 しかし、僕は嫌われる運命のようだ。全て僕が悪い。僕がこんな見た目で、こんな喋り方で、こんな目つきだから悪い。


初対面で普通に喋っていても、だんだん僕のおかしさに気づいて、他の人に悪口を言うようになる。今まで生きてきてずっとそうだった。僕は、みんなに嫌われるために生まれてきた。みんな僕を嫌いになる。そして仲の良い人たちで僕の悪口を言い合う。人に好かれるのは何より難しい。


 私はその人たちを全員殺したい。全員包丁でめった刺しにして殺してやりたい。街を血まみれにしたい。東京の電車の車内や駅の構内を血まみれにしたい。


君があまりにも人に対して従順だから私が出てきたんだ。親御さんに「病院に行こう」と言われたことがあったね。でもそれをやめさせたのは私。人の心の状態になんでも名前を付けるから「自分はおかしい」と思う人が増えるんだ。自分の心の状態は自分が一番知っておかないといけないのに。


 一人じゃないよ。周りの人が離れても、私がずっと付いてるから。他人に気を使うことなんかないよ。私がずっと君の味方だから。君の魅力を知ってるのは私だけだよ。だから、傲慢に歩けばいいんだよ。ヴァーヴの「ビター・スウィート・シンフォニー」のPVみたいに、他人を跳ね飛ばして歩けばいい。車が進路を阻んだら、ボンネットの上を歩けばいい。君はもっと、堂々と生きていいんだよ。

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