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逃亡失敗と羽交い締めと新たなる告白

 

 ………1人放置??2人仲良く、私そっちのけで家に入った。

 兄の波瑠と大崎優樹が知り合いなんて…何繋がりなのかなぁ?ホント仲良さげだった。告った話を聞いても反応薄かったし。まさか、告る事を知ってたとか……


「はぁ〜」


 ため息しか出ない。


「ん〜面倒臭いし、このまま逃亡しよっかな。本屋に行って新作か気になってる本買ってカフェでのんびり時間潰して…母さんが夕飯作ってくれるだろうし。うん、そうしよっと」


 私は玄関に背を向け、1歩足を出したとこで玄関のドアが開き、後ろから羽交い締めされた。その状態のまま耳元からは、普段滅多に聞く事のない色気ある甘い声に背中がゾワゾワする


 『なぁ〜つ。どこに逃亡するのかな?』


「波瑠ちゃん。逃亡って……」


 『奈津、逃亡先は?』


「本屋さん?」


 『その後の第2の逃亡先は?』


「えっと…カフェかな?」


 『俺達のコーヒーは?』   


「兄上様が自分で入れてくれればと」


 『ふぅーん、夕飯はどうするのチキン南蛮?』


「母上様が作ってくれるかと」


 『その母上様から電話あってな、5時過ぎに帰るってさ』


「そなの?だったら母上様にお願いしよっかな」


 『母上様も奈津の作ったチキン南蛮ご所望だよ。鶏肉の追加頼んどいたぞ』


「何故に鶏肉の追加を?」


 『俺もだけど、優樹も結構食べるからなぁ』


「げっ、チキン南蛮大量……作るのヤダ」


 『が、頑張れ』


「唐揚げに変更可能かなぁ?」


 『今更無理だろうな。母上様も、優樹は特にな』


「ちょー面倒臭い。もう少し早く逃げれば良かった…」


 『確保しに行くし。行き先ほぼわかるし』


「…………マジ?」


 『マジで。さっ、家に入ろっか』


 波瑠ちゃんは後ろ羽交い締めのまま回れ右して歩き家に入ると優樹が


 『波瑠さんが羨ましい。俺も奈津を抱き締めたい』


 『羨ましかったら頑張って奈津を口説き落とせ』


 『中々、手強いけど構い倒しつつ口説き落としますよ』


 『オゥ。頑張れ優樹。お前なら出来る』


「はっ?波瑠ちゃん何言ってるの?」


 『奈津。覚悟しといてね』


「いやいや、断ったよね。無理だって…」


 『うん。でも頑張るから。奈津も受け入れてね』


「頑張らないで、受け入れもしないから。波瑠ちゃんも止めてよ」


 『あ~兄様は優樹の味方するわ。あの野郎より千倍マシだからな』


「あの野郎って言わないでよ」


 『んじゃ、クソ野郎でいいか?』


「………もぅいい。何も言わないでよ」


 『そっかぁ。じゃぁ、コーヒー頼むよ』



 また、優樹と2人してリビングへ行った。



「幼稚園から好きな智也をクソ野郎呼ばわりするなんて……」




 そんな兄に何も言い返せない。私はヘタレです









 

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