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ポンコツどん臭と地球様とデコチューと

 

 また、地球様とデコチューしてしまった。地球様は私のオデコを愛してやまない。私の身体の他の部分は気にも止めずデコしかチューをしないのだ。

 家族からは『転けるのが下手すぎ、ポンコツ、どん臭い』など言いたい放題だ。

「ねぇ、地球様とデコチューしてから30秒過ぎたかしら?告白しといて女性の扱いなってないし、人の話も聞かないし…地球様も酷いと思わない?」


 コケたままコソコソ独り言言ってると、頭の先から屈んだ優樹が


 『大丈夫?立てる?怪我は?』


「30秒。地球様とデコチューしてから」


 『はっ、地球様?30秒?デコチュー?』


「転けてから30秒過ぎた。告白しといて有り得ない」


 『速攻振られたし』


「……った、待ってって言った。歩くのが早いって言った」


 『ごめんごめん。それより立とうか』


 私は服をはたきながら、


「チキン南蛮は無し。ここから一人で帰る。荷物返して」


 『な、何でだよ。チキン南蛮食いたい』


「そんなの知らない。そっちが勝手に決めたんでしょ。私は了承してないし、荷物返して」


 『いや、返さない。このまま家まで持っていく』


「……じゃぁ、荷物を玄関に置いて自分の家帰ってね。さよなら」


 『一緒に帰らないの?』


「歩く速さが違うし…先に行って」



 と、グダグダ喋りながら歩いてると私の家に着いてしまった。


「………ここ迄ありがと。荷物置いたらとっとと帰ってね。さよなら、また会う日まで」


 『お前……猫被ってるだろ。学校と違い過ぎる。それが地かよ?』


「貴方に関係ない。早く荷物置いてか、え、れ」


 『い、や、だ。チキン南蛮喰わせろ。奈津が作った飯が喰いたい』


「振った相手に食べさせるチキン南蛮なんて滅相もない」


 『はぁ、喰わせないなら荷物返さないからな。諦めてチキン南蛮喰わせろ』


 ガヤガヤと言い合いしてると、兄が帰っきて


 『玄関先で何を騒いでる?近似迷惑だろ。ん?』


 私の顔を見て


 『奈津。お前また地球様とデコチューしたのか?相変わらずポンコツどん臭だな』


「私は悪くない。アレが悪い、アレのせいで地球様とデコチューする羽目に」


 優樹を指差しながら言うと、優樹が兄に


 『アレと指差された優樹です。波瑠さん、お久し振りです』


「何だ!優樹、お前だったのか。久し振りだな。てか、何でお前が居るんだよ?」


 『何でって……奈津に告って振られて夕飯が奈津がチキン南蛮作るって、食べにきました。』



「振られて???チキン南蛮? それで何故に玄関先で言い合いをしてるんだ?」


 『奈津の態度が悪過ぎで……聞いて下さいよ。告って振る態度は更に悪過ぎで、奈津が悪い』


「あ~何と無く判るわ。んで、チキン南蛮と聞いて着いてきたと?大好物だもんな鶏肉が」


 『波瑠さん、判ってくれて嬉しいです。奈津の手づくりなら尚更ですよ』


「さ、ら、に……タルタルソースも」


 『マジすか?やばく無いっすか?その組み合わせ!!喰いたい』


「おー。マジで美味いぞ」


 『ぅおおっ、喰いたい、絶対食べる』


「おおっ食べてけ」


 『ありがとう御座います。処で話変わりますが…地球様とデコチューって何ですか?』


「あぁ、コイツ奈津は、ポンコツどん臭でコケると何故かデコを打つんだ。奈津は何故かコケた時だけ地面を《地球様》と呼ぶ。地球様が奈津のデコを愛してるらしくて《地球様とデコチュー》な訳。他の場所は怪我しないしなぁ……」


 『変ってると言うか……』


「まぁポンコツどん臭の奈津だからな。それより家の中に入って、告った話を聞かせろ」


 『波瑠さん、聞いてくれます?』


「面白そうだ聞く聞く。早く家に入れ」


 『ハイッ。お邪魔しまぁす。奈津、荷物はキッチンに置くぞ』


「奈津も早く入れ。コーヒー頼む。優樹もブラックだからな」



 私そっちのけで野郎2人で楽しく話をし、とっとと家に入った。




 

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