表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/3

告白されて断ってチキン南蛮


 [奈津はキレイになる。僕が奈津を守る。大人になったら結婚して下さい。僕以外、好きになっちゃ駄目だよ。約束だからね]



 良い夢見て爽やかな朝を迎えたのに………


 

 何故か屋上にいる。スーパーの屋上に。角の三角地帯に追い込まれて…両脇は壁、正面は紺色の壁? 壁ドン、憧れの壁ドンだけど近過ぎる。掃除用具入れのロッカーに入ってるような……スペースがない。


 今日、中学2年終業式が終って夕飯の買い出ししてスーパーを出たとこをエコバッグを捕まれ、引っ張られ屋上へ連れ込まれた訳で………誰だろ?顔も見えない



 『杉下奈津さん、俺はあなたが好きです。付き合ってくだ』


 「無理です」


 『即答ありがと。何故ダメなの?』


 「壁に告白されても…」


 『壁って何?』


 「近すぎて、壁にしか見えないから。少し離れて下さい。出来れば5歩下がって」


 『2歩でよくない?』


 「………取り敢えず下がって欲しいです」



 やっと2歩だけ下ってくれた。視界良好。深呼吸して


 「じゃ、さよなら」


 お辞儀して、帰ろうとしたら、またエコバッグ捕まれ


 『なぜ帰ろうとする?返事は』


 背を向けたまま、相手の顔も見ずに


 「えっ、無理ですって言ったし。だから帰ります。さよなら」


 『待て待て。壁だから無理って事だよね?ちゃんと顔を見て返事して』


 「えっ顔?……そう言えば顔見てない。名前も聞いてない。私、好きな人がいるんです。なので、このままでお別れって事でさよならします。じゃ」


 『じゃ、じゃねえよ。おちょくってる?』


 「えっ、真面目にですよ」


 『何処が?いまだにコッチ見ないし、断るにしても顔見て言ってよ』


 「この方が後腐れ無いかなと」


 『ふーん。いい根性してるよね。俺は初めての告白なのに無下にされて』


 「私は幼稚園の時以来ですよ。告白されたの」


 『…………向き合って30分話すると約束しないとエコバッグ離さないからな』


 げっ、うざい奴だったの? んー面倒臭い。謝ったら帰してくれるかなぁ? 無理だろうな。知らない男子と話すの30分は長い。けど、しょうがない


 覚悟を決め、男子に向き直し


 「態度悪くてごめんなさい。エコバッグから手を離して」


 『ん〜このままで話そう。俺は大崎優樹。中1の時から気になって告白したんだけど』


 「私、好きな人がいるの」


 『うん。でも俺の事を何も知らないでしょ。君の好きな人より良い奴かもだし、俺も君の事をもっと知りたい。だから友達から始めようよ』


 「えっと……」


 『仲良くなる為に、奈津って呼ぶね。奈津も名前で呼ぶように』


 「はっ、えっ、強制?」


 『優樹って呼んで』


 「無理無理無理」


 『じゃぁ離さないエコバッグ』


 「………条件あります」


 『条件?聞くだけ聞くけど』


 「仲良くするのは学校以外で。強面イケメンと」


 『強面イケメン?』


 「ごめんなさい…イケメンと仲良くなると女子から恨まれるやっかまれる。平和な中学生活送りたい」


 『…わかった』


 「それと、優樹って呼びすて出来ない……優樹君、優ちゃんかなと」


 『んじゃ、優ちゃんで。ライン交換持もな。んで、夕飯は奈津が作るの?』


 「そうだけど、因みに今日はかチキン南蛮」


 『マジで!!?チキン南蛮!早く帰ろう』


 「えっ、えっ待って。帰ろうって家まで来るの?てか夕飯食べる気満々だったりする?」


 『当然!!チキン南蛮楽しみぃ。早く帰ろうって』


 「早く帰ろうって…家知らないでしょ?」


 『知ってるし』


 「はっ?なんで?ちょっと待ってってば。歩くの早い」


 『待たないし、このまま引っ張ってくから』



 



 なぜ……強引すぎる。知り合ったその日に家に…夕飯食べるとか…………春休みになったばっかだけど…嫌な予感しかしない

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ