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なろう小説となろう系アニメの違い。 何故なろう系アニメになってしまうのか

作者: 英雄都市

本文章は私が自分なりに考えた「何故なろう系作品が出来上がってしまうのか」についての文章になっております。


独断と偏見とは言いつつも、皆さんもこうお考えなのではないでしょうか。



なろう系アニメは所謂、面白くない異世界転生作品を揶揄するときに使われる蔑称である。しかし、それはアニメ化されるほどの作品なのだから、相当な数の読者に愛されたはずである。


ではなぜ、それ程まで読まれ、評価されていた作品が、アニメ化された途端に面白くないと批判(事実なのだが)されるのだろうか?





筆者はこれについて三つの理由があると考えた。



一つ、アニメ制作側に問題がある。



二つ、作品自体にある問題が、アニメ化されたことで浮彫りになる。


三つ、アニメでは小説と比較し、主人公ほか登場人物の心理描写がどうしても薄くなってしまうこと。



である。




実際には、これら以外にも様々な点があるだろうが、恐らく最も大きな理由はこの三つに有るだろう。そして、大抵の”なろう系”はこれらの要素を組み合わせて、或いは全部持っていることが多い。



例えば、第一話から、原作の序盤を大幅カットしてから始まった上に、wiki情報をコピペして貼り付けたような情報を我々視聴者に見せたけてきた作品がある。



当然このような()()()はアニメ制作側に問題があることは見て取れるだろう。





また、最近のアニメ全体に対する意見として、作画クオリティの低下が上げられる。



当然の事ながら、アニメ制作には膨大な金が必要とされる。三十分アニメ一話制作するのに必要な費用は、平均して一千万を優に超える。


例えば、有名なFateシリーズなら、FGO課金者による多大な収入があるために、絵コンテ、キャラクターの動作、綺麗なCGなどをパーフェクトに仕上げられるだけの金銭的余裕が有るだろう。


しかしながら残念なことに、なろうアニメはその制作費用の多くが、円盤・小説(或いはグッズ)の売上によってしか賄えない。更には、それを毎週放送する分だけ作らねばならない。


作画のクオリティが総じて低いと感じるのは、このせいである。



さて...以上の様に書いたものの、当然のごとく次の様な反論が有るだろう。


「絵のクオリティが高くなくても面白い作品は幾らでもある」と



至極もっともな意見である。あくまでも物語と言うものは内容が最も重視されるわけであり、絵と言うものはその小説の文字での描写をより視覚的に表現したに過ぎないのだから。



裏を返せば、いくら絵が良かろうと内容構成がガバガバでは、それは()()()()()()()になってしまうのである。







ここで出てくるのが二つ目の問題、作品その物の欠陥点だ。



但し、この表現は正確ではない。なにしろ欠陥の無い完璧な作品などそうそう無いのだから。ここでは、視聴するにあたり致命的な違和感を持ってしまう様な状況を指す。


スマートホンと共に逝く異世界なお話なのに、スマホ全く役に立っている描写がなく、「なんでこんなタイトルにしたんだ」とか言いたくなるような事や、大勢の敵軍相手に自軍を戦わせている最中、魔法で敵を木っ端微塵に吹き飛ばす等「最初からそうしろ」と思わず言ってしまいそうなシーンだったり...


この様な違和感や矛盾点はアニメ化された際に、より一層目立ってしまう。


芥川賞や直木賞を授賞するような作品群では無いので、仕方の無い事である。だからこそ、角川などの企業は、アニメ化以前に、作品の添削・推敲をより徹底して行うべきではないだろうか。


そうすることによって、作品自体の持つ欠陥を取り除くことができ、視聴者達の違和感は払拭されるだろう。







最後に、第三の問題点である。



筆者はこれこそが最も大きな理由だと考える。


そもそもよく言われる、なろう系作品とは、主人公が異世界に転生或いは転移し、その過程で(転生後の可能性もあるが)()()()()()を手にいれ、ヒロイン達と出会い、更にはその全員から恋愛的好意を向けられる。周囲の人間は彼の行うこと全てを賞賛する。と言うのがテンプレだろう。

(因みに異世界転移の作品にはクソな物が少ない気がする)



では、このテンプレから外れていれば良いのだろうか?



否である。何度も言うがテンプレの型にはまりきっていようが、面白い作品はある、あるのだ。(非常に少ないが)



では何が良くないのだ?



ここで、最初に筆者が最初に書いたことを思い出して欲しい。



()()()()()()()()()()()




小説には絵はない。となると、読者は登場人物のイメージを自分の中で造り上げる。そして、そのイメージは千差万別、十人十色であるが、しかし、それは読者各々が最もその作品に合った()()()()()登場人物を思い描くので、読んでいて違和感が少なくなって行く。



また、地の文と言われる物がアニメには無い。つまり、登場人物の考えていることが書かかれ文がアニメには無い。それゆえに、「何故コイツはここでこんな行動にでたのだろうか」と思ってしまう訳だ。


これこそが筆者が最も大きなクソ化の原因だと考えていることである。


つまり、小説をアニメに変化させることには、さりげなくしかして高度な心理表現の描写が最も重要であると私は考える。



最後に、もし貴方がアニメを観るときに、原作の同じ部分を読みながら視聴すれば、主人公がこのシーンでどう考えているのか、何故このヒロインは主人公に惚れたのか等、登場人物の行動の理由がより一層解るのでは無いだろうか。



そうすることによって、皆さんがクソと言ったアニメも少しは面白くなるのではないだろうか。








お読みいただき感謝の極み

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― 新着の感想 ―
[良い点] 素晴らしい考察です。なるほど、これらの問題ゆえになろう系アニメはクソなのですね。最近はなろう系小説ですらクソが増えてきている気がします。質の高い文章というのは誰でも書けるわけではない、とい…
[一言] 今期のなろうアニメの一つはまさにその弱点を逆手に取った印象を受けています。 作画のチープ感と主役声優さんの力量でギャグアニメに近い雰囲気が出ています。1周回って面白いって感じですね。
[一言] 原作や先に出ていたコミカライズ版(正確にはこちらがアニメ版の原作となる)なら「ああ、『いつものアレ』ねOKOK」と読み飛ばしたり、漫画家のアイディアでストレスを軽減できた場面をそのまま数分に…
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