4話 この世界を知ろう講座
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ジララから聞いた話しをまとめる。
まず、この世界には人間の国と魔国が5か国ずつ存在し、それぞれが対立している。此処はその内の1国。国同士の戦争が起こっているわけではないが、魔物と冒険者がどちらの国も所有していない土地で、争っている。
因みに、この国は大昔から魔王がいない為にあまり争いが起こっていない。この国と対立している人間の国の冒険者は、他国に行っているらしい。
そして、これは人間側は知らない事だが、魔国はもう1つ存在する。それが大魔王が支配する国。その周りに魔国が囲うように存在しているので、人間側には知られていない。何かしらの出来事が起これば、5人の魔王が大魔王の元に集まり、会議を開く。これが魔王会議と呼ばれるものだ。最近では、52年前に勇者が召喚された時に開かれたらしい。その後で1人倒された魔王が変わってからも開かれたらしいが、今日まで開かれてはいない。
そしてそして、実はもう1国存在する。これは大魔王と魔王しか知らない。エルフやドワーフ、そしてエルフより力の弱い妖精たちで構成された国だ。何処に在るのかは魔王たちでも知らないらしいが、ジララが教えてくれた。この国内に存在すると。会議にはそこの代表者も出席するらしい。
「私も話でしか聞いた事ないけど、その当時のハイエルフの女王様とレムリア様が仲が良かったらしくて、その当時はエルフが奴隷として人間達に捕まる事が多かったので、レムリア様が匿う形で領土の一部を貸したの。それが今では国のような形になってるの。ただ、周りから見たらその土地も我々の領土になっているから、そこに別国があるのを知らないってわけ。」
「なるほど、大体の国の事は分かった。あと、この国にはどんな種族がいるんだ?」
「ごめんなさい。そこまでは詳しくなくて。この国結構広いから。城に行ったら分かると思うけど…」
「城?城なんてあるのか?」
「えぇ、この道を真っ直ぐ行った所に。魔城ってやつね。今は魔王代理フローラ様がこの地を治めているわ。取り敢えず行きましょ!案内するから!」
ジララが立ち上がり、俺の腕を引っ張る。
「あ、ありがとう。でもそんなに慌てなくて良いから!」
「駄目よ!魔王様をこんなボロ家に居させるわけにはいかないわ!」
「いや、自分の家でしょ。それに準備とかしなくて大丈夫?」
「大丈夫大丈夫。直ぐそこだから。近いから。たったの3㎞だから。」
「まぁまぁあるじゃん…」
こうして俺達は魔城へ向かう事になった。