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魔王転生  作者: 紫舜邏 龍王
発展への道
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48話 報告

 レムリア城地下大図書館の一室。少し広いスペースに魔法陣が浮かび上がり、青白い光に包まれた後、そこに四人の少女が現れる。


「お帰りなさいませ。レムリア様、エレス様、アクア様、そしてグリーン。」


 ステマニア国から帰還した彼女らをドールズが出迎える。


 早速、やるべき事を開始する。


「ただいま。帰って早速だが、まずアクア。収集した情報を天狗達に纏めさせて。その後各関係部署にその資料を渡すように。場所は図書館を借りてやって。烏天狗が各区域を巡回してるはずだから、ここに来た時に事務員を寄越すように言いなさい。」


「畏まりました。直ちに作業開始します!」


「グリーンは入手した本をメイド達に引き渡すように。ある程度料理を覚えたら本はこの図書館で管理する事。それまではメイド達で管理させる。」


「グリーンだけじゃあれだから私も行くよ。」


「よろしくねアメジスト。それじゃ私はフローラと話をしてくるから、後はよろしく。」


 こうして各々が動く。


 レムリアは自身が不在時の状況報告を受ける為、自室に向かう。


「お帰りなさいませ。レムリア様。」


 ルチルから挨拶を受けてそのまま自室に入る。


「姉様お帰りなさい!」


 扉を開けると小さな少女が、トテテテ…と走り寄って来る。その愛くるしい姿から思わず頬が緩みそうになる。


「ただいま。変わりはないか?良い子にしてたか?」


「大丈夫。問題ないです。勉強もちゃんとしてた!」


「よしよし。良い子だ。これから少しフローラとお話があるから、遊びに行っておいで!」


(親バカ加減はラリマさん並みですね…)


「分かった。西区域に行ってきます!」


「気をつけてね。変な事教えてもらうんじゃないよ!…あとルチル、ラリマよりはマシだ。」


「はい、申し訳ございません…」


 この愛くるしい少女。名をフェナカ。レムリアの一部であり、影武者だ。レムリアはこのフェナカを妹、或いは我が子のように可愛がっている。フェナカは一角ラビィと呼ばれる兎型の魔獣で、一本の角があるのが特徴だ。しかし、修行を行った末、今では人型になっている。見た目は6歳前後くらい。エレスよりは少し背が低いくらいで、レムリアの影響を受けているのか、全体的に薄っすらと白っぽい。ただ、レムリアと違う所は額に一本の角がある事だ。レムリアは深紅の双角。二人の顔はとても似ており、このまま成長すれば見分けるのは角しかないのでは?と言われる程だ。


 フェナカが出て行くと、直ぐにフローラが入ってくる。


「レムリア様。お帰りなさいませ。お疲れの所申し訳ございませんが、早速ご報告したい事がいくつかございます。」


「フローラ。よろしく頼む。」


 報告を受ける為、執務机に着く。フローラが資料を手に机の前まで来て資料をレムリアへ渡す。


「まず、レムリア様、アメジストさん、アクア、グリーンがステマニア国にて調査活動をされていた時に、人間共が攻めてきました。南区域砦より数千m手前にて交戦、最終地点砦にて抑えました。人間側は約35名。うち四名を半殺しで放置、三名を妖虫三姉妹に引き渡し情報を聞き出してます。残りは全滅させました。吸血鬼トリオからの報告では全員が冒険者。殆どが下級冒険者だと思われます。三姉妹からの報告はまだですが、口を割り次第報告書を提出させます。こちらの被害は小規模に抑えられました。被害内容としては、スライム数十匹消滅。ライ右前足負傷。妖虫数匹死亡。吸血鬼トリオはステマニア国に再び向かわせ、ギルドに偽の報告をさせて魔王が復活したという確かな情報を掴ませないようにします。まぁ、恐らく時間稼ぎ位にしかならないとは思いますが…それと一つ、その防衛戦にて予想外の乱入者が現れまして…」


 淡々と報告していたフローラだが、その部分だけ言いにくそうな雰囲気をだす。表情はいつもの笑顔だが…


「まずは彼等に合わせたいと思いますので、謁見の間までお願いします。」


「あぁ、分かった。行こうか…」


 この出会いによって、新たな歯車が回り出す。





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