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魔王転生  作者: 紫舜邏 龍王
魔王が集う日
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32話 自己紹介

大変お待たせしました。色々やってまして…ぶっちゃけると遊んでました!

 自己紹介と人間国の報告を済ませた魔王達。会議は呆気なく終わる。纏めると、


 まず、大魔国の東に位置する吸血鬼の国、ハートブラッド国。ゾンビを労働力として働かせているため、人間としてはあまり行きたくない国だ。しかし、物好きな人間もいるようで、支配下の族長はなんと人間だ。何でも、吸血鬼の魔王を神として崇めているカルト教団の教祖らしく、見るからに怪しい。黒いローブを纏い、杖を持っている。こちらと目が合うとにっこりと笑顔で会釈された。だが残念、お爺ちゃんだ。なんも嬉しくない。ただ何となく雰囲気は優しそうだ。(そんな事はなく、ただの人間からしてみればとても怪しく恐ろしい雰囲気)そんなに悪い人のようには見えない。(言うまでもなく、悪い人です)


 そして、魔王は夜を統べる闇の王、始祖吸血鬼。と言っても、昼間も活動できるらしい。うちの吸血トリオも普通に活動できるので、始祖ともなれば当たり前の事なのだろう。名をブラッディ・シーザー。整った顔、紅く鋭い目付き。闇夜のように真っ黒な髪を肩まで伸ばしている。暗い紫色の唇からは鋭い犬歯がちらりと覗いており、彼が吸血鬼である事を象徴している。


 そんな彼が敵対している人間の国、フィーラン帝国。皇帝ノア・ベティ。人口はさほど多くはないが、軍事力は高い。ただし、それを侵略等に使うのではなく、抑止力として他国にアピールしているようだ。そんなフィーラン帝国はハートブラッド国にたいしては監視を続けている。特に大きな動きをしなければ、監視体制を続けるようだ。


 次に挨拶したのは、大魔国の西にあるサンダーランドの魔王、ゴブリン。なぜゴブリンが魔王なのか…実力は分からないがただのゴブリンではない事は確かだ。赤い皮膚に小さな黒角、身体には黒色の稲妻模様がある。ゴブリンとは思えない透き通った黄色い瞳は鋭く周囲を観察している。最初に会ったときから喧嘩腰だったが、「力こそ全て」という考えの持ち主のようだ。何でも力で解決しようとするが、ただの脳筋という訳ではなく、ある程度の知能もあるらしい。長年国を治めてきたのも、彼の知能と力があったからこそだ。ゴブリン、その上のホブゴブリン、オーク、オーガ、サイクロプスがいるらしい国に魔王として君臨している彼の名は、レッド・ブラック。通称サンダーボルト。彼の戦闘を実際に見た者はほとんどいない。噂では黒い稲妻を操るらしい。族長として座っていたのはオーガ。レッドよりも体格が大きく、正にパワー系だ。体格で判断すると、このオーガの方が強く見えるが、レッドと戦うと負けてしまうだろう。本当にレッドの力が分からない。一応警戒はしておこう。


 レッド達が対立している国がイリアーノ国。主に農業が盛んな国だ。レッド達は田畑の食料を奪いに行っているらしい。その為、他の国とは違い、小競り合いが絶えない。イリアーノ国は冒険者等を送り、増えすぎたゴブリンやオークを間引いている。今後もこの関係が続くだろうという事だった。


 次に挨拶したのはミズーリン・バルトシープと名乗ったスキュラ。そしてその夫のフランクリン・バルトシープ。報告をしていたのはミズーリンの方だった。とても美しい女性で、グラビア雑誌の表紙を飾っても問題ない美貌と身体を持っていた。しかし、私はどうしても気になってしまう事があった。彼女が話をしている最中に、どうしても下半身に目がいってしまう。いやらしい事を考えているのではない。彼女の足元には六匹の犬がいるのだ。その犬達は下半身がない。つまり前足だけで立っている事になる。驚くのはまだ早い。その犬達は繋がっている。"首輪"ではなく、体がだ。そして驚くべき事はその犬達が彼女の足の役割をしているという事。つまりミズーリンの足は犬なのだ。スキュラとはそういう種族なのか?自分でも気付かないうちにじっと見ていたのだろう。フランクリンに指摘されて皆の注目を集めてしまった。少し恥ずかしかった。男のままだと殴られていたと思う。触手だからあまり痛そうとは思えないが…彼らは大魔国の北西に広がる海に国を築いている。バルトシープ国。魚人、人魚達が住まうその土地は人間からの侵略を受けないので、平和に暮らしている。バルトシープ国の海に流れ込む川を住みかとしている、配下のリザードマン達がロンデル国と対立している。ロンデル国は海で漁をしているのだが、ある程度岸から離れると、牽制の意味で船を沈めるらしい。その為、漁師は皆、岸から離れず漁をするのだ。海中ではミズーリン達が有利。うかつに手を出せないらしい。その代わり、リザードマン達と争う事が多いらしく、バルトシープ国はリザードマンの支援を行っている。配下の席にはリザードマンが座っていたが、いかにも歴戦を潜り抜けてきたらしく、身体中傷だらけだ。


 次はフローラがステマニア国について説明した。そこで知った事だが、ステマニア国には冒険者ギルドの本部があるらしい。しかし、レムリア国周辺に住む魔物達は大人しくしているため、本部は各国に冒険者を送っている。因みに他国にも冒険者ギルドは存在する。私が復活した事で、レムリア国の調査を始めるかもしれない。今後もステマニア国の動向を注視するつもりだ。


 そして最後に、少女の姿をした龍王。名をデザー・ドイル。彼女は天空に浮かぶ島を根城にしている。そこには八頭の龍が住んでいるとの事。魔王会議の時は代理として、八頭うちの代表者が参加するらしい。国民九頭の国、ドラゴリオン。その下には巨大山脈があり、ワイバーン達が住んでいる。彼らの住むその山脈は鉱山地帯でもあり、そこを人間の国、サージャス王国が狙っている。ワイバーン達は鉱山等興味ないので、寝床を荒らさない限りは手を出さないらしい。因みに、その山脈は大魔国の北にある。


 以上五名の魔王達。実力は不明。あまり喧嘩を売りたくない。この世界に来て一度も戦闘を経験していない私にとっては、ジララと勝負して勝てる気がしない。魔王を束ねる大魔王なんて見た目は幼児(あれ)だが、強いに決まっている。帰ったら国の発展だけでなく、戦闘訓練もした方が良いな。


 新たな事を知りつつ、魔王達を観察するレムリアであった。


 

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