31話 会議開始
今回は短いです。
「お前ら早く来すぎ。まだ一週間あるぞ?こっちは昼寝してたのに。…あれ、全員いるじゃん。珍しいな。」
と、言いながら席に着く大魔王。やっぱり一週間後じゃないか。と、思っているとピオニーが小声で教えてくれた。
「一週間後って言っているけど、本当に一週間後に行ったら遅すぎって言われて罰ゲームになるのよ。前回の会議でゴブリンが遅れて来て五十年間甘いお菓子を献上するという罰ゲームを言い渡されたわ。当然ゴブリンにお菓子は作れないから、人間から奪ってたらしいけど…そのおかげでゴブリンは人間達から甘党に目覚めたのか?とか言われてるらしいわ。」
「さ、災難だな。ゴブリン。」
「まぁ実際食べてみたらはまったらしいから、あながち間違いではないけど…」
この世界のゴブリンはお菓子食うのか、まじか。…なんかめちゃくちゃ見られてるけど気のせいだよな?
「諸君、おはよう。」
「こんニちはでス。我が主。」
「…こんにちは、諸君。さて、今日の議題だが…メルフィ、説明を。」
「はい、本日お集まり頂いたノは、魔王レムリア・ゼオラさんガ復活したのでその報告と顔合わせのためデす。そレと、最近の人間国の情報共有も行いまス。」
「という訳だ。よろしく。まず、レムリアから何かあるか?」
おぉ、いきなり私指名か。しかし、特に言う事は無いぞ?
「レムリア・ゼオラだ。よろしく。とりあえず復活したばかりで今のこの世界の事もよく分からんし、記憶も曖昧だからまずは自国を発展させながら慣れていくつもりだ。」
「という事だ。しかし懐かしいな。何年ぶりだ?「千年ぶりデすね。」そうか、そんなに経ったか。俺とこいつとはライバルだったんだよ。」
感慨深そうに昔を思い出す大魔王。皆は驚きつつも頷いている。一人を除いて。
(いや、ヴァク坊が一方的にライバル視してただけだと思うが…)
龍王は復活した魔王を見る。他の者には分からないだろうが、白き少女は驚いているようだった。
(レムお嬢ちゃん、そんなに驚く事ないぞ。)
無表情で腕組みをしている少女の心中は知られることもなく、話が進む。
「まぁ、復活してすぐだと大変だと思うが、何か分からない事があれば後ろで突っ立っている悪魔に聞けば良い。今まで代理してたしな。」
忘れそうになっていたが、レムリアの後ろにはフローラがいた。
フローラだけではない。国の皆にはお世話になっている。だから、俺も恩返ししないとな。
「とりあえずお前ら自己紹介だ。右隣から名を名乗れ!」
「それでは私からですね。」
と吸血鬼が立ち上がり、自己紹介が始まる。
この時の私は分からなかった。この場に集まっている者は皆、世界最強クラスの強さを持っている事に。そして、魔王が集まると人間国がどのように動くのかを。