28話 大魔国へ
「ぐすん……見苦しい所をお見せしましたね。すみません。もう大丈夫です。ありがとうございます。」
ピオニーはレムリアから離れ、顔を上げる。
「では改めて、ピオニー・アスリオーネです。今までのご無礼どうかお許しください。そして、我が国へようこそお出でくださいました。歓迎いたします。」
「ピオニー様、魔王代理のフローラより、大魔国からの手紙を預かっております。」
クラックがピオニーへ手紙を渡す。中身は魔王会議を開くというものだ。
「なるほど、魔王会議が……本当に復活なされたのですね。分かりました。早急に準備しましょう。…レムリア様もお戻りになって準備をなさって下さい。」
「そうさせてもらおう。だが、ピオニー。私に対して敬語を使わなくて良い。」
「いえ、しかし…」
「姉妹みたいなものだろ?敬語が良いか?」
「ふふ、そうね。分かったわ。レム姉。」
(良いなー、良いなー。)
次はアスリオーネ国を観光するという約束をし、レムリア国に戻ってきた。
そう、見慣れた我が城だ。しかし、自分で建てた物ではない。改築して、自分好みにしたい。河童に頼むとして、ドワーフ達にも協力してもらおうか。河童だけだと、ザ・和風になりそうだ。ドワーフで思い出したが、エルフのメイド達は可愛かった。また行きたい。
城へ戻ると、早速大魔国へ向かう準備をする事になった。準備を済ませたフローラがいつもの笑顔で出迎えた。
「思ったより早いお帰りで良かったです。さぁ、すぐ出発の準備をお願いします。このまま行けるのであれば今すぐにでも飛び立ちますが?」
「何か準備する事あるか?フローラは手ぶらに見えるけど…」
「手ぶらです。準備といっても身だしなみを整えるくらいですから。」
「うん、特に必要なければこのまま行こう。」
大魔国へはかなりあるらしいが、転移魔法がある。なんて便利なのだろう。私は大魔国の場所が分からないので、フローラが魔法を発動させた。
その瞬間、辺りは光に包まれ気がつくと、目の前にはまさに中世のヨーロッパのような異世界感丸出しの光景が広がっていた。ただし、建物は禍々しく、そこに住む者達はゴスロリ、ゴスパンク、スチームパンク等のロックな格好をしていた。