魔王と女神
魔王物を書きたかった結果がこの作品です。かなり色んな要素を入れるかもしれないので、色々注意です。グロとかエロとかパロディとか下ネタとか。読んで「あ、これダメだな」て思ったら、今すぐスマホの電源を切るんだ!
だだっ広い草原に二人の女性がいる。その場所はいつも天気が良く、快晴なのだ。直射日光が辛いだとか日差しが熱いなんて事もなく、ぽかぽかしていて気持ち良い。外で、ピクニックやお茶会が開ける程に。
で、その二人の内、一人はシンプルな木製のイスに、もう一人は同じような高さの大きい岩に座っている。イスに座っている女性はとても美しい。世の男性がメロメロになるのではないかという位だ。髪は足元まで伸びているが、手入れされているのかとても艶やかで枝毛の無いストレート。色は信仰の意味を持つ稲穂のように黄金色に輝いている。胸は大きく、ウエストはしっかりくびれている。まさに抜群のプロポーション。肌を見せびらかそうとせず、露出の少ない純白のドレスに身を包んでいる。しかし、その体のラインは強調されているので、男からすれば興奮する者もいるだろう。そんな彼女は目の前にいる女性に透き通った緑色の瞳を向ける。緑色は嫉妬の色等と言われるが、それを感じさせない綺麗な色だ。顔を見ると不機嫌そうだ。少し怖い。しかし、その視線を向けられた女性は怖がる雰囲気もなく、口を開く。
「あら、可愛いお顔が台無しだよ?何か嫌な事でもあった?相談に乗ろうか?」
「……はぁ、何でまたここに来ているのよ。神の領域なのに。そんなに気軽に入って来られちゃ困るのよ。て言うか、普通は入れないのよ?あなたが来なければこんな不機嫌な顔にならなくて済むのに。」
「まぁまぁ、入れちゃったんだから仕方ないじゃないの。それになんだかんだ言って、おもてなししてくれる女神ちゃまが好きよ?私は。」
「勝手に来て、勝手に酒飲んでるだけでしょ。あと、女神ちゃま言うな。」
岩に座っている女性は女神の前で飲酒していた。グラスを持っていないので、らっぱ飲みだ。岩の上に胡座をかいて座っているので、女性らしさは感じない。しかし、彼女もまた美しい。全身真っ白だ。髪の毛も肌も何もかも。白色では無いのは紅茶のような紅い瞳と、ワインのような深紅の双角。そう、彼女は人間ではない。では、一体何者なのか?と聞かれると彼女自身にも答えられない。魔人ではあるのだが、種族が分からない。それは彼女が様々な種族の特性と能力を持っているからだ。そのおかげでとある国の魔王をしている。国民からはかなりの人気があるらしい。因みに、服装は女神とは対照的に露出多め。かなり扇情的だ。見事な谷間を見せびらかしている。黒色のゴシック服が白肌を際立たせている。
「でも、ここに来るのも最後かな。」
「それは嬉しいけど、何でまた…」
「私、この世界だけじゃなく、色んな世界を見てみたい。それも、魔人でなく様々な生物として。」
「また変な事考えたわね。次元移動とか空間移動でもするのかしら?貴女なら出来そうだし…いや、出来るか。」
「いや、私は死ぬ。何度死ぬかは分からないけど。」
「はあああ!?あんた何言ってんの?輪廻転生とかするって事?」
「えぇ、そうだけど?そして、経験を積んでまたこの世界に戻って来る。その経験で魔族の暮らしを発展させる。」
「はぁ、普通の魔王なら人間を支配するだとか、世界征服だなんて言ったりするのに…貴女本当に魔王なのかしら?」
「人間より良い暮らしをして人間を蔑みたい。」
「うん、あんた魔王だわ。でもそれは無理だと思うけどね。またこの世界に生まれるなんて。もし生まれたとしても、魔族とは限らないわよ?」
「だから、お前の所に来たんじゃないの。そういうの得意でしょ?頼むよ!」
「はぁ、私が?何でよ、嫌よ。」
「でも見たくない?今までに見た事のない魔族の姿を。新たな魔族の生き方を。」
「まぁ、ちょっとは見てみたいかも…」
魔王はニヤリと口角を上げ、残りの酒を飲み干す。
「んじゃ、頼むよ~。」
「ちょっ、待ちなさいよ!」
女神の返事を待たず、魔王は神の領域を去る。
それから数年後、人間と魔族の間に数年に及ぶ大戦争が起こる。結果は引き分けのようなものになったが、どちらも被害は大きかった。多少、魔族側の領地が広くなった程度だが、ほとんどは戦争前と変わらない。無駄な血を流しただけ。大勢の死者が出た。そしてその中に、女神の領域に遊びに行っていた魔王の名があった。
「まさか本当に死ぬとは…有言実行にも程があるわ。はぁ…私の仕事が増えるわね。でも、楽しみね。貴女が何を見て、それをどう生かし、魔族を発展させるのか。何年後になるか……楽しみにしているわよ。魔王レムリア・ゼオラ」
これから宜しくお願いします。