表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/19

ジャバラ祭クアトゥロ大会


セトを仲間に加え、ユマの里を目指す一行。途中物資の補給のため、ジャバラという街を訪れていた。花の都とも呼ばれるこの街は、どこを見ても花が咲いており、香料から作られる香水が人気の街だ。折角なので一行は、この街に少しの間滞在することにした。


「すっごーい! どこ見てもお花が咲いてる! ねぇオルダ兄ちゃん、遊んできていい!?」

「まだダーメ。宿に荷物置いてからね」

「それにしても、すごい盛り上がりようですね。さすがは花の都。ウィビル王国に所属する国でも観光地として名高い場所なだけはあります」


宿に向かって歩いている一行。馬車が2台は通りそうな大通りは、人で埋まっていてしまい、思うように進むことができなかった。


「あー、人酔いしてきた……俺苦手だわ、こういう場所」

「ハヤテって根っからの引きこもりなんだな」

「うるせぇ……」


宿に着くなり一行は部屋に荷物を置き、再び街へ繰り出す。どうやらこの街では、年に1度大きな祭りが行われるらしく、その祭りの催しの1つ、『クアトゥロ』というものが人気を博していた。


「優勝商品……50万ゼルと魔眼の真珠だと」

「魔眼の真珠ぅ? 俺聞いたことないな、そんなもの」

「魔眼の真珠がどんなものかはともかく……50万ゼルというのは魅力的ですね。私たちのお財布にはもう2000ゼルしか残っていませんし……」


一行は即決した。手に入れられるかもわからない50万ゼルに思いを馳せて、大会の受付会場へと向かう。


「あらぁ? お兄さんたち、クアトゥロ参加希望者さんかしら? この大会は初めて?」

「あぁ、そうなんだけど……いまいちどんな大会なのかわかってなくて」


なるほど〜と言いながら、受付の案内嬢がパンフレットのようなものをハヤテに手渡す。そして、大会の中身について説明し始めた。


「大会は4人1組で受け付けてるから、人数が揃えばすぐに受付できるわ。あなたたちは4人だけど……その子はさすがに危ないと思うから、別の人を探したほうがいいわよ」

「危険なのか? この大会は」

「毎年内容が変わるから一概には言えないけど……危険なものも多いわねぇ」

「だとさ、セト」


遠回しにやめておけ、と言われていることを悟ったセトは頬を膨らませて抗議する。


「えー! 僕も出たい! 兄ちゃんと姉ちゃんと出たいー! 催涙ガス撒き散らしてやるー!」


最近セトは自分の気に入らないことがあると、化学兵器を持ち出して訴えてくるようになった。この街に来てすぐのときも、わたあめを買ってくれと駄々をこね、ハヤテもオルダも買わなかったためにレーザー銃で撃ち抜かれそうになった。


「で、でも危険が伴うんですよ? セトくんに何かあったら……」

「僕強いもん!」

「……まぁ、確かに」


実はこの街に来る前、また別の盗賊に一行は襲われた。だが完全に吹っ切れたセトの猛攻によって10人余りの盗賊は残らず駆逐されたのだ。科学を使った戦いなら、セトの右に並ぶものはそうそういないだろうとハヤテは感じていた。


「しゃーないな……今回はいいか。おねーさん。俺ら4人で参加するから」

「えっ……ほんとに大丈夫〜? もし怪我とかしても私たちは何もしてあげられないわよ」

「あー、うちの天才魔導師がなんとかするから大丈夫」


こうして4人はクアトゥロに参加することになった。大会はもう始まるらしく、早速会場に向かう4人。ジャバラの中心地にある闘技場が今回の会場だった。


「すごい人だねー。セト、はぐれちゃダメだよ」

「毎年協議内容が違うというのも気になりますね。どんな競技なんでしょうか」


会場で待つこと5分。ようやく司会者のような男が宙に現れる。観客は湧きだっており、その熱気にハヤテたちは困惑していた。


「さぁ! 始まりました、毎年恒例クアトゥロ大会! 今年もたくさんの参加ありがとな!! 早速だが、今大会にゲストが来てくれているぞ!! さぁゲストのご入場だ、みんな拍手をよろしくゥ!!」


入場門が開く。ドアが開くと同時に辺りが急に湿っぽくなった。歩いてくるのは全体的に青い長身の女性。靴を履いておらず、彼女が歩くたびに足元に波紋が広がる。


「お出ましだァ!! 今大会のゲストはなんと!! 四大精霊の1人、ニンフだぁ!!」

「はぁ!? 四大精霊だと!?」


オルダは目を丸くして女性を見る。信じてこそなかったが、彼女から溢れる凄まじい魔力を前にして、信じるほかなかった。


「四大精霊……! 四大元素を司る各属性の最強戦士ですか……なぜそんな人間がここに……」

「や、やっぱり強いのか? オルダよりも……」

「まぁ……属性の相性とかもあるから一概には言えないけど、間違いなく俺よりは強いよね〜」


ニンフは参加者をぐるりと見渡すとわざとらしいため息をつく。宙にふわりと浮くと、足を組み、タバコを吸い始めた。


「なんじゃ……せっかく来てやったというのに、妾が楽しめそうな餌が居らぬではないか……つまらんのぉ」


ニンフはチラリと、とある人物を2人ほど見ると突然魔法で頭上に水球を作り出す。その水球は鋭い槍のような形に変わるり、その切っ先で真っ直ぐとセトを捉える。


「……ッ!? セト!!」


ハヤテとセラーナがセトを庇おうと、彼に覆いかぶさる。だが、水の槍は彼らに当たることなく、頭上で蒸発した。オルダが炎魔法で相殺したのだ。


「おぅババァ……うちの子に手を出すたぁいい度胸じゃねェか……」

「おぉ、活きがいいのもおるではないか……」


ニンフとオルダは目を片時も離すことなく、鋭い眼光が相手を捉えていた。クアトゥロ大会は波乱の幕開けをしようとしていた……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ