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氷剣を抱える少女は、異世界を渡り歩く  作者: 無責任豪雪地帯
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第9話 この世界では子供たちもダンジョンに潜ります。

久しぶりの更新ですみません!

プレゼンテーションおわったら、気力がガクッと無くなって、書けなくなっていました。

そしてようやく復活しました。

つまらない内容、見え透いたキャラ増量回ですが、まあ、テンポよく進めていきます!

ちなみに矛盾・誤字脱字の可能性あり、先に誤っておきます。



ウルウルウル。

私の目の前には、くりりとした大きな目から涙を流すマスコットみたいな魔物がいる。

その瞳は、どうか殺さないで下さいと暗に語っていた。


殺さないでください。

殺さないでください。

殺さないでください。


「うっさい。」


刃がその身を貫く。

ザシュザシュザシュ。

念入りに何度も、刀で刺す。


冒険者によくあるのが、致命傷を一撃与えたぐらいで、とどめを刺したと油断して、死にかけの魔物に喰われるという事故。

だから念入りに何度も刺す。


ピクリとも動かなくなったのを確認して、私は刀を拭う。


「さて、次。」


魔物をアイテムボックスに収め、再び歩き始める。

さて、私は、ついさっき、この密林にあるダンジョン「ビーストゲート」のボスを倒してきたところだ。

ここのダンジョンのボスは、DEGEという、パンサーとカメレオンの特徴を併せたような、速く見えないボスだったが、前情報もあったので、初撃奇襲。

こっちに気づかれて見えなくなる前、不可視の鎧を纏う時にタイムラグを起こすのを利用して、一瞬で倒すことができた。


そして、今は、その帰り道だった。


「ん?」


ダンジョンの中層ぐらいを歩いていると、多数の物音が聞こえてきた。

たくさんの人が集まって戦っているようだった。


「エニー隊、後方に離脱しなさい!ベレイ隊は前方に!」

「「「「「おらーおらーらお!」」」」」」


そこでは、たくさんの子供たちが多人数で何体かのモンスターに対処していた。

後方にわずかにいる10代後半ぐらいの少年少女が、その子供たちに指示していた。

子供たちは、落ち着き払っているようで、冷静に仲間の力を借りながら連携して、やがてモンスターは全滅した。


「……よし、モンスターが全滅したよ!」


顔面に緑色ベースのピエロのメイクをした、男だか女だかわからない若者がそう報告すると、少年たちの中心にいるまとめ役らしき、頬に大きな傷がある青髪の少年が子供たちの様子を見るかのように、目線を一周ぐらい横切らせた。

そのあと一瞬で状況判断を済ませたのか、優しげな表情で子供たちに声をかける。


「お疲れー。ゲレン隊はモンスターの死体を回収!ほかの隊は、北に100メートルほど移動して小休止をとる!ゲレン隊も回収後すぐさま合流すること!」

「さあ、みんなこっちだよ。」


腰に鞭を据え付けた黒髪の少女が子供たちの先導役になるようだ。

その少女は、子供たちの先頭を歩きながら、北の通路を移動していった。


私が、そのてきぱきとした光景を眺めていると、まとめ役の少年が、こちらの方に歩いてくる。


「こんにちは、いきなりですが、僕たちが通路をふさいでしまっていて申し訳ありません。」


頭を下げながら、謝ってきた。


「気にしないで。よくあることよ。」


これは世辞でもなんでもなく、冒険者にとって、ダンジョンの交差点での戦闘にかち合って、通れないということは本当によくあることだった。

あまり依頼は受けない私だって、一日に何度も遭遇している。

とはいえ、それを言い訳にすることなく、謝ってきたこの少年に好感を抱かないわけはない。

ちなみに好感を抱く要因はもう一つある。


「子供を必死に守ろうとしている、そんな君は、嫌いではないわよ。」


「……!気づいていたのですか。」


少年は、私と油断して背中を見せている子供たちを遮るかのように、そこに現れた。

そこにある意図はとてもわかりやすいわ。

少年は、警戒しているのか、私を凝視している。


「大丈夫。すぐにここから離れるわ。」


少年の警戒を読んだかのように、そう話しかけた私に、少年は毒気を抜かれたようだった。

警戒を最低限にした。


「いえ、あなたを信じることにします。さて、KARASUサーカスを知っていますか?」


「サーカスなら、最近流行し始めた興行だと知っているけどね、興味ないから、まだ見に行ったことはないのよね。」


私がそういうと少年は肩をすくめ、Oh、No……と分かりやすいリアクションを取った。


「王都で毎日満員御礼のあのサーカス団!と聞いたことはありませんか!?」


「ないわね。」


「ジーザス……世界は甘くない。大丈夫、大丈夫、この機会に知ってもらおう!」


「で、あなたたちはそのサーカスのメンバー?」


「ええ、そうです!ここには、子供たちの付き添いで来ました!」


少年はオーバーリアクションで、観客に話しかけるかのような演技で大したことないことを言ってきた。


「サーカスでは、子供たちがダンジョンに潜ることになっているの?」


15ぐらいの子供なら、ダンジョンに潜るのは珍しくないのであるが、先ほどの10歳ぐらいの子供が集団でダンジョンに潜るのは珍しかったので、一応聞いてみた。


「あー、彼らは、サーカスのメンバーの子供なんです。で、ここからはオフレコで頼みますよ。うちのサーカス団、先ほども言ったように王都で毎日満員取って、いつも儲かっているように見えますが、実はかなり不安定で、こういう宣伝のための地方巡回では、儲けよりも印象に残るような公演を優先しているんです!だから、子供にも仕事をしてもらって、収入を増やしているんです。さいわいうちの子供たちは同年代の子たちよりはトレーニングを積んでいるんで、僕たちが付けばここの狩場でも安心できる実力なんですよ。」


「へえ、そうなんだ。」


「あ、僕はもう行きますが、最後にチケットを二人分プレゼントします!今夜の公演のチケットなので、自由に見に来てください!」


そういって、彼は立ち去って行った。


「へえ、サーカスねぇ……。」


私の手にある二人分のチケットを見て、フェイルが一瞬よぎった。

……いやいや、それだとまるでデートみたいじゃないの!


わたしは、絶対に女子好きじゃないわよ!

絶対に!




「……鼻血だらだら。百合のにおいがします!」

今週のネタは思い付きませんでした。

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