表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷剣を抱える少女は、異世界を渡り歩く  作者: 無責任豪雪地帯
16/18

第13話 勇者と少女の共闘(ただし主人公不在)

お久しぶりです。


誤字脱字の可能性あり、先に誤っておきます。


勇者・ダイキーーー彼は、日本から召喚されてきた高校生であるーーー。

しかし、彼の召喚主は、テンプレによくある王女様とか、魔王様とかではなく、特殊な能力を持つモンスター。

〈能力追加〉SRE。

彼はもうすでに亡き者であるが、その異常性はよく知られていた。

「短期間で特殊な能力が増えている」。

これは、能力というものが、長年の研鑚によって形作られることが知れ渡っているこの世界では異常なことであった。

しかし、彼はこれを覆してみせた。


それはというものの、彼はモンスターとしては珍しく、遺伝子がうまく混ざり合ったのか、最初から能力をもって生まれてきた。

その能力は「他人の能力を奪う」である。

しかし、彼と同じように、遺伝子によって得られた能力しか奪えないという制限があった。

長年の研鑚で積み重ねられた能力は、その扱いは本人の脳にしか刻まれていないのである。

脳を喰うような能力でもあれば、別なのであろうが、彼の能力はそうではなかった。


現地の人やモンスターは研鑚を積み重ねて能力を得るのが普通である。

それゆえに、彼は、そもそも自分にそのような能力があるとは気づいていなかった。

何人食っても、努力と鍛錬によって得られた能力は奪えない。

彼は、下層のモンスターとして、弱肉強食の世界で汲々としながら生きていた。


しかしそれが変わったのは、たまたま他のモンスターに遭遇して負傷、衰弱していた異世界人を喰ってからだった。

もともと異世界人には、召喚された時点で、特殊な固有能力がつくといった噂はあったが、それは確かである。

異世界人を喰うことによって得られた能力は、彼にその能力を気づかせるのは十分だった。ーーー少々勘違いがあったが。

彼はこう思った。

異世界人を喰えば、自分はもっともっと強くなれる!


その後、彼は、某国から異世界人の召喚方法を奪い、異世界人を召喚しては、能力を奪うという繰り返しをしてきた。

その結果、災害級モンスターとしてその名を知られた。

もっとも、そんなに効率は良くなくて、召喚のための準備に1年はかかるので、彼が急速に強くなるなどといったことは決してなかったが。

さて、能力コレクションの為といった、そんな非道な経緯で召喚されたダイキは、いろいろ幸運な要因が重なった結果であるが、召喚されたばかりの状態で、複数の能力を操った強力なモンスター、SREを討ち果たすに至る。


そのあとは、元の世界に帰る方法を探しながら、その過程で色々あって親密になった数人の少女たちと一緒に世界を旅している。


彼には絶対に許せないことがいくつかあった。


その一つは、子供殺し。

SREを倒す過程で起こったある出来事が、トラウマのようになっていた。


彼は、理不尽な人の生死は、旅の過程で、ある程度仕方ないとは思うようになっていたが、どうしてもそこは許せないという境界線をいくつかは持っていた。


この境界線を乗り越えてしまえば、闇に飲まれるだろうーーー。

彼は何となくそう感じていた。

そして、確かにそれが理不尽な世界の掟である。




もう一方の少女、フェイルノートもまた子供殺しに対するトラウマを持つ少女である。

それは、彼女のある過去が影響しているのであるが、その詳細についてはまた別の話で。

とにかく、今重要なのは、彼らは同じ目的を持って、この舞台に立っているということである。


すなわち、「こいつ絶対に殴り飛ばす!」


しかし現実は彼らの想定通りにはなっていない。

サーカスの芸人、その肩書きに囚われ過ぎていたのかもしれない。

大した障害もなく捕縛できるだろうと思っていた相手は、実はA級冒険者並みの戦闘力……いや、それすら大きく超えるかもしれないほどの強敵であった。


体質的な魔法無効化と、中級冒険者の中では強力な雷魔法を持つフェイルノートであるが、それは今のところ有効に活かせていなかった。


何となく前衛と後衛がそうなったのか、前で鋭い剣技を振るう勇者をサポートするように雷を飛ばしていたが、戦闘開始からしばらく経ったある時点で、触手のようなものが魔人の腕からニョキニョキと生えた。

それ以降は、圧倒的な手数の前に勇者が押し負け、防戦一方になってしまった。


しかし、それに対し、フェイルノートは大量の雷の杭を展開、それを本体めがけて突き刺していく。

敵はその対処に触手を振り向かなければならなくなり、状況は膠着したように見えた。


しかし、それは魔力差のぶつかり合い。

このまま続けても、きっと先に魔力が尽きるのはこっちのほう!

フェイルノートはそう予感していた。

勇者の方も本体と剣戟を繰り広げているが、その技量差はほとんどないように感じた。


(このピンチにどうすれば良いか、冷静に考えましょう)


最初こそ、頭に血が上って不用意にステージの上に上がってしまったが、さすがにピンチの時に落ち着きをなくすほどフェイルノートも愚かではない。


(後ろにいる私の方が広い範囲を観れる。)


一緒に戦ってくれている彼は近すぎて見えないものもあるかもしれない。

ここは私が考える方が良い。


フェイルノートは雷の杭を打ち込みながら考える。

もちろん、的を絞らずに適当に撃ち込んで勇者の動きを阻害したり、触手の妨害をおそろかにするような真似はしない。


フェイルノートは一旦全体図を見る。


レキシアは司会と相対して何かを話している。

勇者の連れは、空中の座席から動いていない……いや、気配が希薄だが誰かと相対しているようだ。


(こうして見ると、レキさんは私を助けようとしてくれているようですね。)


おそらくバリアー解除をするように脅迫を……いや、そんな緊迫した様子ではない。


(助けてくれるような様子ではない、では何を話しているのでしょうか。)


この期に至って、話し合うような内容など特に思い浮かばない。



(やはり(・・・)この状況は(・・・・・)不自然ですね(・・・・・・))




かなりの間、更新が空いてしまいすみません!

課題とか、テストとかでバタバタしていました。

もしかしたらまたかなりの期間空くかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ