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鷹が歩いていくとパジャマを着た少女を見つけた。

半開きの眼と幽鬼のような足取りは酷く危なっかしい。

「起きろよ、月」

「ほぇ〜?」

鷹が声をかけると少女は無造作に目を擦る。その目を擦っている左手には氷の結晶のタトゥーが入っている。

そして、少女は焦点の合わない目で鷹を見た。

「え〜と・・・。鷲さんでしたか〜?」

「残念、ちょっと惜しいな。鷹だ。鷹って書いてようだ」

鷹が自分の正しい名前を言うと少女はやっと目を覚ましたようで、手をポムッと合わせた。

「あ〜、そうでしたそうでした〜。鷹さんでした〜。養蚕でした〜?」

「すまん、意味がわからん」

少女の名前は凍氷(こごえごおり) (つき)。ぽや〜んとした雰囲気が実に危なっかしく、普通の人間はその姿に庇護欲を誘われることだろう。

生憎ながら鷹の感性は一般的ではなかったが。

「眠ぃなら寝りゃ良いじゃねぇか」

鷹が至極真っ当なことを言った。

ここに夕菜がいたら鷹の熱を測るなりして、体調の心配をするだろう。その程度には今の発言は鷹らしくないものだった。

「そういうわけにもいかないんですよ〜」

月という少女は滅多なことがない限り自室からはでないで寝ている。さながら冬眠中の熊のように寝ている。

まぁ、起きていたとしても半分寝ているようなものなので変わらないが。

「ちょっと鐵さんに呼ばれてしまって〜」

鐡。酷く読みづらいがこの漢字一字でくろがねと読む。

「俺もちょうど行くところだったんだ。一緒に行くか?」

「いいえ〜?」

鷹が提案すると月はゆったりとした動作で首を横に振り、否定を表した。

「何故?」

「私の分も鐡さんに会ってきてください〜。それでは〜」

月は欠伸をしながら踵を返し、部屋に戻ろうとする。

そのパジャマの首もとを鷹がつかんだ。

「お前も行くんだからな?」

鷹は月を引きずりながら歩く。

「嫌です〜。寝たいです〜」

月は嫌々するように首を振るが、鷹は月を引きずりながら廊下を歩いていった。


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