*エピロ―グ Dear Mai―――新堂夾の手記より
君に逢えたことに感謝しよう―――
三ヶ月後。
『新堂夾くんへ
ご無沙汰してます。
私のこと覚えている?きみの年上の彼女だよ!
元気にしてる?
また、変な夢に悩まされたりしてないよね?
私はダングレッシヴ女子短大での生活に慣れて、元気にしてるから安心してね。』
俺はゆっくりと、その手紙を手にとって、宛名をもう一度確認した。
【七瀬真衣】
ぼくは微かに微笑んだ。
*
『大好きな真衣さんへ。
こんにちは。
ご無沙汰してます。
俺は中学卒業後、願望屋で働いています。
本当は高校進学という道もあったんですが、あれから中学に通いにくく、結局働くことにしました。
でも悔いはありません。将来的に真衣さんと働けると思うし、願望屋は結構楽しい職場だからです。
でも、困ったこともあります。何故か“僕”とキャラが被るという師匠(マスタ―)の理不尽な理由で(あっ、因みに師匠とは願望屋藤沢秋師匠のことです。これも義務付けらされました。)一人称を俺に強制させられました。いや、ホント師匠は理不尽です。よく真衣さんは今まで堪えれましたね(笑)
でも、意外といい一面もあります。
この間俺が雑用を任されて掃除してたんですけど、掃除終わった後事務所に戻ると彼黙ってお茶出してくれてたんです。
結構ベタで普通の行為ですが師匠がやると何故か途轍もなく凄いことに見えてしまうんですよね。
そうそう、昨日は面白いことを聞きました。
この願望屋は実は秋が譲り受けたものだと教えてくれました。
ご存知でしたか?
この先はこの便箋には書ききれないので、帰ってきたら話します。
まぁ、詳しいことは俺も聞けず仕舞いなんですけどね。真衣さんが帰ってくるまでに聞いておきます
楽しみにしてくださいね。
桃太もよく遊びに来ます。
最も彼は真衣さんが来るのを心待ちにしているようですけど(笑)
あっ、ぼくと秋の願望屋前で撮った写真を同封しておきます。
はやく勉強終えて帰ってきてくださいね。
また逢える日を楽しみにしています。 夾より』
ぼくは便箋を閉じ、願望屋の窓から空を見上げた。
この空が続いている限り
また、貴方に会えるだろう
この空で繋がっている限り
ぼくと君は繋がっているだろう
いつか会えるのだ――――
〜長い間ご愛読ありがとうゴザイマシタ。次回作も宜しくお願いいたします〜