表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
仮初めの  作者: やいな
16/22

かりそめの皇軍

静寂で張り詰めた空気が豪華絢爛という言葉がふさわしい部屋を埋めつくす。


息苦しくなるような空気の中、壇上から穏やかな声がかかる。


「そなたらの活躍は以前より耳にしていた。急な呼びつけであるが、先程宰相が言った通りだ。私の手足となりリオルを収拾して来てくれ。」


まだ年若いがこの国の王だった。小さくぱっとしない国なので常日頃から他国に狙われてきた。だが、この若き王がついてからは、技術や学術を向上することで国が潤い平穏な日々が続いていた。それに不平不満をもったもの達が反乱を起こしたのがリオルの街だった。


「…もったいなき御言葉ありがとうございます。必ずや陛下のお役にたってみせましょう。」


片膝をつき謁見の間で忠誠を誓うのは、紛れもなくロイ・サーベルトだった。


ーーー


「ふぅーっ…さすがに緊張しましたねぇ…」


帰り道の馬車で、ロイ将軍がため息をつく。


「ははっ、やっぱりロイでも緊張するんだ。」


正面で金髪の少年がクスクスと笑う。


「そりゃあ、緊張位はしますよ。いつかは呼ばれると思っていましたが、まさかこんなに早いとは思わなかったしね。」


「そうだね〜、でもまぁ、それって僕達が日々活躍してたからだよね!今回の仕事もそんなに危険が伴うものじゃないし、僕達の腕試しって感じ?」


「まぁ、そうでしょうね。」


「帰ったらみんな、なんて言うだろうね?」


「間違いなく、どんちゃん騒ぎでしょうね。」


「ふふっ、またロイの私費でワインとご馳走準備しないとね。」


「…今回は経費として落としますよ。お礼もたっぷりもらうつもりです。」


「えっ、ぼくら底無しに飲んじゃうよ?いいの?」


「急な呼びだしだったんです。それ位いいでしょう。」


「ロイってば根に持つタイプだね。」


「…否定はしませんよ。せっかくの休日が潰れたんです。これ位は出してもらわないと。」


「それもそうだね。せっかくのデートが邪魔されたんだもんねぇ〜。あんなに週末を楽しみにしてたのに、残念だね〜。」


ニースがニヤニヤと笑うのでげんこつをお見舞いした。


「うるさい…黙りなさい。」


その後も屋敷に戻るまでニースのニヤニヤ顔は止まらなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【恋愛小説検索サイト・恋愛遊牧民R+】
いつもお付き合いありがとうございます!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ