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Future  作者: 浅咲夏茶
6th Chapter;Band members and culture festival.
88/127

Target:Ren -a date with Rin./episode87

「ちっ」

「むっ」

「ふんっ」

「いってら」

「ばーい」

 12月6日土曜日午前7時。文化祭まであと25時間。僕と恋は、皆にそう言われて家を出た。幸い、恋の部屋で寝ていた会長とマドレーヌは特にそれといったやばいことはなかったそうだが、一点だけあげるとするなら、二人共裸で寝ていたらしい。一線を越えたのだろうか。

 まあ、そんな変なことを考えると恋に頬をつねられるので程々にして。

『――昼の1時までには帰ってこいよ。学校にな』

 まあ、会長にそう言われたので、僕も恋もそれに従うけど。……にしても、文化祭前日なのに午前中学校に登校できないってのもどうかしてるよな、本当。でも、昼の1時には登校しなくちゃいけないので、僕も恋も制服デートなわけだが。

「さてと。動物園……もとい水族館に行くわけだけど」

「あれ、水族館にしたんだ」

「まあいいじゃん」

 まあいい、僕のお決まりのセリフだ。しかしまあ、もそうだけどさ。僕にこの二つを言わないで一日居ろって言ったら無理だと思う。

 さて、そんな無駄なことを考えつつ、僕と恋は三宮駅まで歩いて向かった。

 

 ***


『次は、須磨海浜公園、須磨海浜公園です――』

 三宮から水族館の有る須磨まで来たわけだけど、まだ朝だ。適当にコンビニでも寄っていくか。水族館が開くのはまだまだ先だし、そんじょそこらのコンビニに立ち寄って、砂浜で朝飯ってのも有りだろ。

「んじゃ恋。砂浜で朝飯だな」

「馬鹿か。……はあ、普通に歩きながらでも食えよ」

「ちっ」

「なんだその『ちっ』てのは」

「なんでもないし。……ほら、朝飯早く食べるぞ」

「急かすな急かすな」

「急かすぞ急かすぞ」

「なんだこれ」

「さあ」

 互いにぷっと微笑した後、僕らは近くのコンビニに立ち寄った。まだ眠かったので、おにぎりを二つとパンを一つと、コーヒー2缶を購入した。

 コンビニを去った後、僕らは近くの海浜公園の方へ向かった。須磨海浜公園駅の目の前にもベンチの有る公園があったので、そちらに行っても良かったっちゃよかったのだが、やっぱりどうせ水族館に近い方がいい、それに恋は「ひ、人目のつくところで食べたくない」とか言い出したので、結局海浜公園で食べることになった。ただ、ベンチが……あった。

「はあ。……で、朝飯これだけ?」

「もっと買っても良かったかもね。あはは」

「おい」

「悪い。……ねえ、凛」

「ん?」

「もうちょい、近づいていい?」

「まるで彼女のような素振りだな、おい」

「凛が『デート』とか昨日から言ってるからこっちも合わせてやってんのに、当の本人はそれですか、それですか」

「悪かったな……」

「猛省しろ」

「ちっ」

「今舌打ちしたな!?」

「してません!」

「しただろっ!」

「……しました」

「全く。罰として、あーん……だぞ」

「え?」

「く、口開けろ」

「やめろその、男がアレを女の口に入れる時みたいな言い方」

「死ね」

「悪い」

「ムードぶち壊すな。お前はなんだよ。一級フラグブレイカー? ……違うな。一級ムードブレイカーだな」

「なにそれ」

「なんでもねえよ。……ほら、パン分けよう?」

「分けるためにパン買ったんだっけ?」

「だ、だって不公平じゃんか。私ばっかりパンなんて」

「別に不公平ではないと思うけどなあ。……まあ、お前がそういうならそれでいいや。……でもいいのか? 本当に半分貰って」

「いいよ。ほら、あーん……」

 可愛い。……可愛いぞ。幼馴染である恋が、ここまで可愛いだと? ……顔を紅潮させやがって。しかも何上目遣い使ってんだよ!?

「……どうしたのさ、そんな顔真っ赤に……」

「お、お前も赤くなってんぞ……」

「り、凛よりは赤くないし……」

「ぼ、僕より赤いだろ!」

「あ、あ、赤くないっ!」

 互いに言い合い、結局どちらかの意見につ事無くふん、と顔をそっぽに向ける。でも、やっぱり僕はパンが欲しいので、そっぽを向いている間にそのパンをとろうと手を出した。が、それは僕に被害が来てしまう引き金となった。

「めーん」

「ちょっ!?」

 恋にパンで叩かれた。……ちっ、こうなったら。

「んやっ……」

 胸を揉む。これもまた、一歩間違えば警察沙汰だよ、本当。昨日のクレイアの件の時もこうやったけどさ、それでもやっぱり警察沙汰だよな、本当。

「変態」

「男は変態だ。エロゲーやってるくせに」

「ばっ……」

「まあ、デートの最中に喧嘩は良くないだろ。……隙ありっ!」

「なぬっ!?」

 奪いとった。そして、僕はそのパンをすぐさま口へと運び込んだ。

「美味しい」

「うう……」

 半分に分けたわけではなかったので、パンの大体3分の1くらい食べて返してあげた。……ただ、これって間接キスだよな。僕の食べたとこ、食うんだよな、恋が。

「……はむっ」

 僕の食べた跡が残る方から恋は食べ始めた。恋も『間接キス』だという事に気づいているらしく、頬を真っ赤に染めてそのパンを食べていた。


 ***


 あの後、「やっぱり追加で!」という恋と僕の思いが強くなり、再度コンビニを訪れ、今度は肉まんを2つ買い、僕らは半分半分にして食べあった。

 そして、そうこうしていると、もう朝の9時、水族館の開園時間がやってきた。

「暖房効いてるな」

「そりゃそうでしょ。……り、凛」

「ん?」

「……えへへ」

 笑顔で僕の右腕に自分の体を寄せてくる恋。普段の恋からは考えられないほど、今日は非常に積極的である。もしかして、会長とかエリザとかの積極的なあの感じを真似ているのだろうか。無理に真似なくてもいいのに。

 ただ、その無理に真似している感じが、真っ赤にしている顔から伝わってくるので、それはそれで可愛かったし別に良かった。まあ、手を繋いでいる方がデートらしいと言えばデートらしいしな。

「凛に抱きついてるほうが温かいや……」

「そりゃ人肌のほうが温かいだろ」

「へへー」

 いつもは恋と手をつなぐことなんか無かったし、それこそエリザのように抱きついてくることもなかった。偶にデレる事はあったけど、基本的にはツンデレのツンの方しか見せなかった恋が、今僕の目の前でデレてくれている。

 本当、普段の恋と比べると、まるで別人のように見える。

「しかしいい匂いするな……」

「……バカ」

「何か付けてる?」

「付けてないよ。つか、くんくんすんなよ?」

「しねーよ」

「しそうだから怖いわ」

「勝手に僕を犯罪者みたいに言わないでくれるかな!?」

「悪いね」

「ああ、非常に悪い」

 そんな会話を交わした後、恋が僕を引っ張る形で、大きな大きなイルカだとかが展示されている水槽の目の前まで足早に連れて行ってくれた。

「でっかー」

「確かにでかいな」

 いや、結構それ意味深だよね、言葉の意味。『でかい』って言葉だけで変な方向に考えてしまう変態ですよ、僕は。……まあでも、それが普通なのかな? それこそ『童貞乙』とか書かれて後に草生やされてる感じかな?

 まあ、マジでこんなどうでもいいことばっか考えて、デートから話をそらしたら大事だし、ちゃんとデート楽しまないとな。

「でも、私のお、おっぱいのほうがでかいよね……」

「照れつつそんな言葉言わなくていいぞ、恋」

「そ、そっか」

「そうだ」

 ふにゅっとさっきより更に恋の胸の大きさが手に伝わってくるから、ちょっと僕も照れ隠ししたんだろう。……僕は大損したな、今ので。こういうちょっと照れ隠ししたいところとか、こういうのもあるからデートなのに。もっともっと、積極的に相手が来てるなら、こっちも積極的に近づくのがマナーじゃないのか……? 仮にそうだとしたら、もっと近づくべきか。

「ねえ、凛」

「ん?」

「あ、あの人が……」

 まだ朝の9時だというのに、この時間からもう餌をあげているのか。

 いや、そこじゃないな。恋が言いたいのはそこじゃない。何故だ。何故あの飼育員さんは、こちらに向かって両手でハートを作ってくれているんだ……? まさかあれか? カップルだからとか、そういう理由か?

「本当に、恋人同士になれたらいいな……」

「……お前、僕の何処が好き?」

「とっ、唐突に何聞いてるんだっ!」

「唐突じゃねえだろ」

「とと、唐突でしょ、今のは!」

「そうかな?」

「そうだよ」

「それならごめんな。悪気は無かったんだ」

「じゃあ、ゆ、許す」

「ありがとう。……でだな」

「ん?」

「あの飼育員さんは、何故僕らにあんな……」

「だから、カップルっていうか……」

 互いに顔を染めていった。水族館は暗いので、顔が赤くなるのが見えるわけじゃなかったけど、恋の顔は僕の腕にくっつけられたので、相当真っ赤になっているのが伺えた。そこだけ温度が高かったからだ。

「……い、行くぞ」

「う、うん」

 恥ずかしかった。僕は恋を恋人として扱っているわけじゃなかったから、そんなハートとか露骨なカップルへのサービスとかされたら、本当やばい。マジで恋を彼女として認識してしまいそうだ。……ああ、いっそまじで恋を彼女にしてしまうのも有りだろ。

 だが僕も前から言っている通り、大前提として僕が彼女とする条件は、『この人には(ついて行ける/ついてきて欲しい)』とか『守ってやりたい』だとか、そういうのが条件だ。その感情がない限り、僕はその相手を彼女とは認めない。女友達、親友、あたりだ。

 そしてこちら、恋は一体何処に入るのだろう。『守ってやりたい』という感情がないわけじゃない。そんな感情、恋だけじゃなくてエリザにも、会長にも、勿論僕の関わってる色んな人にも、その感情は持ってる。だから、一概にそれだけで決められないのが実情だ。

 まあ、そんな暗いこと、先のことでどうこうするより、昼の1時までという、この限られた時間を有効に活用してこそ真のデートマスターだろ。……そんな資格取ることはしないけどさ。


 ***


 午前11時。結構早い昼飯だ。まあ、朝飯がアレだったから、この位の時間でも問題はないか。

「なあ、恋」

「ん?」

「何食べる?」

「うーん。……凛と同じやつでいいよ」

「じゃあ、ガッツリとした男向けの……」

「そ、そんなんだったら別のにするし……」

「わわ、悪かった。……取り敢えず、謝るから、な?」

「う、うん」

 何とか謝るだけで済んだ。

「そうだな……。普通にここは、ラーメンでいいんじゃない?」

「あっさり系がいいな」

「分かった。じゃあ僕は、ちょいこってりのとんこつラーメン食べるかな」

 まあ、この店は初来店だ。前にニュクスとのデートで立ち寄った店とは違う。まあ、あの店のラーメンも美味しかったのは美味しかったのだが、今回の店も結構似てる感じだ。まあ、流石にソフトクリームを作れる店じゃないけど。


 5分程度してラーメンが出てきた。

「むう、何で凛のほうが先なのさ」

「悪いな。んじゃ、お先に頂きます」

 それからすぐに恋のラーメンも来た。ただ、見た目からするとこってりしたほうが美味しそうに見えるのは恋も同じらしく、僕のラーメンとにらめっこしていた。

「そんなに食べたいならあーんしてあげるよ?」

「い、いいもん。制服汚したくないし……」

「そっか。んじゃ、自由に飲みな」

 僕は自分のレンゲにこってりしたとんこつラーメンのスープを取り、それを恋に渡した。恋は、それを丁寧に、慎重に持って、自分の口まで運んだ。

「美味しい?」

 僕が恋に聞くと、恋は首をコクリと上から下に振り、口を開いて「うん」と言った。笑顔だったので、さぞかし美味しかったんだろうな。

「ねえねえ」

「ん?」

「この後、学校まで行くんだよね?」

「ああ」

「……と、途中に用を足す場所は……」

「駅とか、それこそこの店の……」

「あ、あったの?」

「あったろ、さっき。……案内しようか?」

「う、うん」

「ただまだ食べてる最中だし、食べ終わってからな?」

「なっ……」

 すぐにまた恋が顔を真っ赤に染め上げた。相当行きたいくらいやばいらしい。まあ、この相手がエリザなら、トイレが和式なら、それこそもっと素晴らしい展開になっていたんだろうけど、「デートの最中に他の女の子の話題はNG」と何処かに書かれていた気がする。……恋のお告げだっけだったか?

「た、食べろ」

「残すな」

「ほ、本当にもう……やばい……」

「はあ。……仕方ねえな。いつもはそんなこと無いのにな」

「そ、それはただ……り、凛が私と接する時間が少ないからってだけ……」

 終いには恋の身体を触るだけで恋は身体をビクビクさせるくらいになっていた。

「トイレはそこの突き当りだ」

「も、もっと……早く……言えぇっ!」

「悪い悪い」

 いつもの恋のように叩くとか蹴るとか、そんなことをしてくることはなかった。相当我慢しているらしく、僕はこれを「チャンス」と受け取って、恋の腹をちょい強く押してみることにした。

「やっ……あっ……」

 トイレに向かおうとして立ち上がろうとした瞬間にそれは襲ってきたので、恋からすれば相当やばかっただろう。その証に、超強く僕の服の裾を掴んでいる。

「ば、ばか……っ!」

「ごめんごめん」

 僕は恋に頬をちょっと強めにつねられたが、いつもの比にならないつねりで、僕は少しの痛みしか感じなかった。



 トイレから帰ってきて、恋がまず僕に掛けた第一声は、酷いものだった。

「と、トイレに行こうとしてる時にお腹を押すなあっ!」

「ごめんな」

「本当猛省してよ、もう……」

「ダジャレ?」

「ダジャレなんかじゃないからな! ……ああもう、早く食べるぞ」

 恋は、トイレから帰ってきてすぐに残っていたラーメンを平らげていった。結構なスピードで平らげていく恋を見ると、もっとラーメンを食わせたくなるが、これ以上食わせても結局13時に着かなくなっちゃいそうだしということで、僕はここらでやめておくことにした。といっても、僕は恋がトイレに行っている間ずっと食い続けていたので、結構減っていたんだけどな。


 ***


「食べたねー」

「そうだな。……美味しかったか?」

「うん。美味しかった」

「そりゃ良かった。……んじゃ、帰るぞ」

「はーい」

 ラーメン店での支払いを終え、外に出た僕と恋は、そのまま須磨海浜公園駅の方へ向かっていた。三宮まで歩けなくもないが、相当な時間がかかる上、絶対に学校に13時までに着かないので、僕はその手段を諦め、電車で途中まで、もとい三宮まで向かい、そこから学校まで行くことにした。

 だが、その計画の途中で、僕と恋は不良に絡まれてしまった。

「……ごっ、ごめんなさいっ!」

「ああん?」

 ふとした前方不注意で、恋が不良の身体にあたってしまったらしい。まあ、ここでちょこっと主人公ヅラしたいのが僕なんだが、生憎僕は喧嘩は大の苦手なものである。……恋の方が喧嘩は強いと思うんだけど、デートだからってことで中々力を発揮しないみたいだ。……ったくアホかってんだ。

「おい」

「あぁん? おめえなんだよ?」

「俺はあの女の彼氏だ。……俺の彼女に何する気だ?」

「てめえのところの彼女さんがぁ、やらかしたんですよぉ。ねぇ? 当たったの。俺に、俺に当たったの。つぅわけでぇ、金出せよ?」

「てめえに出す金なんぞ、俺の懐にはねえよ」

「あ? こっちは被害受けてんのぉ。分かりますぅ?」

「知らねえよ。……つか、何で前方不注意程度で金出さねきゃいけねんだよ」

「はぁ?」

「調子こいてんのか?」

「あぁん?」

「自転車と歩行者の事故でもあるまいし、お前イヤホン付けてる時点で、お前のほうが金出せって話なんだが。……ああ、理解できませんか、低能には」

「絞め殺すぞテメェ……」

「やれるもんならやってみろ」

「ちっ、売られた喧嘩は、買わせてもらうよ。……ふっ。あはは」

 男はそうやって笑った後、恋の方に向かっていった。

「……待て」

「あ?」

「……何故俺の彼女と喧嘩するんだ?」

「てめえさんがいうこと聞かねえからだろ。……まあ、女は男の力に勝てねえからな。はは、犯してでもすりゃ、金くらいいくらでも手に入るっしょ」

「……きったねえ奴だ、全く」

「あ?」

「俺の彼女に手を出すな。……手を出すなら、まずは俺を倒してからにしろ」

「調子に乗るんじゃねえぞクソが!」

 パンチが飛んできた。頬に一発。恐らく、目の前の不良は中学生だろう。背の高さはそれなりに有るが、顔がまだ高校生らしくないし。ただ、それでも大人数じゃなくて一人で来てるだけマシってもんか。

「何発でも殴ればいい」

「クソが! クソが! このクソが!」

 息を上げ、不良は僕を壁に叩き付けた。

「痛っ……」

「死ね……死ね……死ね……死ね……死ねええええええええええッッ!」

「悪い……が、こんな……とこ……で、死ぬわけに……行かねえんだよ……」

「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね……」

「うっせえんだよ、このクソガキがッ!」

「……っ!?」

 僕は不良を力いっぱい押した。火事場の馬鹿力、というやつだろう。その威力は普通の僕の力と比べると、とてつもない強さの力で、その一発だけで不良を蹴飛ばせるくらいの力だった。ただ、今回はそれを押し倒すだけで、蹴飛ばすことはしなかった。

「……土曜日だからって、何カツアゲしようとしてんだテメエは」

「あ?」

「うっせんだよ。……帰らせてもらうぞ。おとなしく……裁きを受けろ」

「ひぃっ!?」

 僕は不良に向かって力づくで一発、顔面に向けてパンチを当てた。そのパンチはとてつもないものであり、不良はすぐさまその場に倒れた。

「……少しは猛省してるんだな、クソガキが!」

 最後に不良の顔を足で踏んだ後、僕は恋を連れて駅のホームへと向かった。まあ、死なない程度にしておいた。後々目を覚ました時には警察署の中だろうな。あはは。ざまあみやがれ。

「……凛」

「ん?」

「格好、良かったよ……」

「それはありがとうな。……当初のプランから結構ずれたけど、許してくれるか?」

「……うん」

 恋は、そう言うと僕に再度抱きついてきた。そして、傷ついた僕の身体を癒すように、僕の頬にキスをしてきた。

「凛のバーカ。でも、格好……良かったよ」

 笑顔の恋は、いつもの恋より100倍以上可愛かった。

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