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Future  作者: 浅咲夏茶
6th Chapter;Band members and culture festival.
80/127

Target:Elisa and Rina./episode79

 家に帰って風呂に入り、夕飯を食べ、そして適当にゲームして、学習もちょこっとして、僕は日付が変わったくらいに寝床についた。

「……寄り道しない方が良かったのかな?」

「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれないし」

「……どっちでも良かったのかな?」

「そうなんじゃないかな?」

 深夜0時を過ぎていた。僕は、エリザと共にベッドで寝ていた。もう、1週間も共にベッドで寝ていると、理性が崩壊することも滅多になくなってくる。ただ、やっぱり男としての本能的な部分で、エリザをちょこっと意識している僕がいた。


 ***


「魔族討伐……?」

 昨日、凄い疲れたわけではなかったのだが、一瞬にして僕は寝てしまった。起きると、やっぱりエリザが僕に抱きついて寝ていた。……まあ、そこまではある意味『許容範囲』だった。あんまりにもエリザが僕の背中に自分のたわわに実った巨乳を当ててくるものだから、僕はもう慣れてしまっていた。でもやっぱり、唐突にされると意識してしまうけど。

 さて、まだ早朝の4時半だというのに、外が真っ暗だというのに、部屋の戸が開いていた。……寒い。そして、何で会長が僕の部屋に居るんだ。

「……あの、また魔族が動き出したんですか?」

「動き出したというよりも、新たな擬人化した女の子が出たんだ。……というかまあ、ここまでくると、『デビルマシン』って呼ぶより『モンスターマシン』って呼んだほうがいいんだろうけど、やっぱり『デビル』とか『悪魔』って、結構いいよね。ちょっとエロい」

「やめてくださいそういうの」

「ボクがこういうキャラじゃないからか?」

「はい」

「……で、やっぱり凛君は今回も『攻略』で行くのかな?」

「そりゃあ、攻略で行くに決まっているじゃないですか。……もしかして会長、僕が悪魔……モンスターを討伐するとお思いで?」

「でも、話の聞かない悪魔やモンスターには容赦無い攻撃をするんだろう?」

「そりゃあ、話が聞けない悪魔には打つ手はそれ以外ないですからね」

「……さて、早く支度をしろ。……まあ、変身だけでいいんだが」

「それくらいならすぐに出来ますけどね」

「それなら早く変身しやがれ」

「はいはい」

 ちょこっと僕は呆れ気味になりながらも、魔力を開放して変身した。

「ああ、でもエリザ起きてないよ?」

「……うーん、起こしてくれ。んでもって、恋も連れて行こう」

「あの、恋はまだ起きていないんじゃ……」

「――いつから恋が起きていないと錯覚していた?」

「……なっ、なんだってー!?」

 でもまあ、昨日は4時くらいから起きていたわけだし、結構早い時間から起きているんだろうな、恋は。弁当をあいつに任せっきりでここまで来たが、あんまりあいつがいつ起きているのかとかは詳しくは知らない。ただ、前に次の日午前放課、しかも3限で終わりっていう日があったから僕はその日、徹夜したんだが、その時恋は確か3時半頃には起きていたっていう感じだったな。

「あの、会長確認したんですか?」

「勿論だ。……やっぱり恋は、君に気があるみたいだな」

「気……ですか」

「ああ。……ボクは『幼馴染』という関係を持っている友人知人はいない。マドレーヌは何度も言うが、ボクの『妹』だ。血縁関係が仮に繋がっていないとしても、マドレーヌとボクは同じ家族だったことがあるから、妹と姉っていう関係なんだ。だから、幼馴染の関係の友人知人は、ボクの周りには皆無だ。ゼロだ」

「……で、その『気』っていうのは?」

「君も薄々気づいているんだろう?」

「……そりゃあ、鈍感な主人公ですけど、そういう事には敏感なので」

「じゃあ、率直に聞きたい」

「何ですか、会長?」

 会長はそっと僕の布団の上にあがり、そして僕が横になっている上に、倒れてきて、僕の耳元で呟いた。

「――ボクの事は好きか? エリザの事は好きか? 恋の事は好きか?」

「好きですよ」

「――それは友達としてか?」

「それもあります。ただ、現実問題、彼女にしたいランキングとかをいうことは出来ません。……皆、いいところがあって悪いところがあるんです。だから、僕がそこを埋めてあげれればいいかな、なんて勝手に話を進めちゃってるんですけど……。まあその、変に好きだとか連呼するような人間じゃないですしね、僕は」

「ハーレムとか高らかに宣言しないしな」

「あんまりそういう言葉はリアルでは使わないようにしてますから」

「そうみたいだな。……さて」

「何ですか?」

「エリザを起こせ。……あと、今回の魔族討伐に関してなんだが、敵は結構この近くにいる。……今回の敵は『兎』だ。一言で言うと、因幡だな」

「因幡……?」

「ああ。……まあいいや。取り敢えずボクはトイレに行ってくるよ。……覗きに来るんじゃないぞ、変態」

「い、行きませんから!」

「そうか。別に来ても構わないんだがな」

「会長こそ羞恥心持ってください!」

「君の前なら羞恥心はいらんだろ。エロゲーアンドギャルゲーマスターの称号を持った君の前ならな。……愁君の前ではいるかもしれないけどさ」

「……それって、僕が話しやすい相手っていう解釈でいいですか?」

「ああ、構わんぞ。というか、君はボクにとって一番の良き理解者だ」

「照れますな……」

「勝手に照れるんじゃねえ、変態が」

「今僕を罵倒しましたよね、会長!?」

「まあね。一応ボクは他人をいじくるの好きなんだよ? なんか、凛君に会って分かった。話をして分かった。いじくるのが好きだって」

「あの、『いじくるのが好きだって』ってところだけ録音していいですか?」

「今夜のオカズに使う気か」

「違いますから!」

「ほう。……じゃあボクは逃げるとするよ。エリザにお目覚めのキッスでもしていな」

 会長は、僕のすぐ近くでグッジョブ!、と左手の親指を上げてグーをした。……絶対この人僕をバカにしているな、と思ったのだが、会長はすぐにトイレに向かったので、この部屋はすぐに密室空間となった。

「……エリザを起こすかな」 

「起きてますよーだ」

「い、いつからお前……」

「会長さんがダーリンのすぐ横、いや上にいる時だよ。……むう、会長さんのほうが好きなんだ。やっぱりダーリンはおっぱい小さい方が好きなんだ」

 会長はそこまで小さくないと思うんだけどな。……でもまあ、目の前の爆乳さんから見れば、Cカップなんて『ひんぬー』の中に含まれるものなのか。

「……てか正直、魔族討伐なんてして、意味有るのかな?」

「さあね。でも、自己満足だとしても、やったことに意義があるんだろ。攻略を用いて魔族討伐をしても、剣を用いて魔族討伐をしても、結局最後までやるかやらないかの問題じゃんか」

「いいこというねえ、ダーリンは」

「そうか?」

「そうだよ。ああ、そういえば」

「どうしたエリ……おまっ……!?」

 僕は密着してくるエリザの身体に心臓のバクバクが早まるのがわかった。……なんだと? エリザが裸、だと? 普通に乳首当たってるし、ぎゅうって僕の胸の下の方に手を回してきてるし。決して強い拘束力を持ったわけではないけれど、それでも心臓の鼓動が早まっている影響で、ここから抜け出せそうにない。

「……な、なんでお前裸……」

「ダーリンは、こういうの嫌い?」

「嫌いか好きかで言ったら、そんなん好きに決まってんだろ!」

「……じゃあ、毎日これやるね」

「……や、やめろよ? 僕の目覚めと睡眠時間を奪わないんじゃねえぞ?」

「ダーリンの性欲は私が管理するもん」

「変なコト言うなエリザ! それを会長とか恋に聞かれてたらどうし……」

 突然、女の悲鳴が僕の耳、エリザの耳に届いた。

「きゃああああああっ!?」

 当然、僕はちらりと部屋のドアの方を見てみた。だが、ドアは開いておらず、部屋の中で起こった出来事ではないということがうかがえた。

「因幡ああ……っ! 擬人化した兎たんマジかあいいよお……っ!」

 会長の声が聞こえた。……因幡って、あの会長が話題にあげていたうさぎのことだろう? 確か、日本の神話で出てくる兎のことを指しているんだろう。とはいえ、何でその兎が僕の部屋のすぐ近くに居るんだ? というか、そんな大声を朝から出されては結構迷惑なもんだ。ただ、それで僕の眠気が晴れたので、そこは良かったけどさ。

 ただ、これにて魔族討伐の件は終わりを迎えたので、僕とエリザは「なんだよもう……」と互いに呟いて、また布団に入った。僕は、エリザから裸体で抱きつかれるのは嫌いじゃなかった(むしろ好きだった)けど、ぐっすり寝るために服を着ろ、と指示し、ちゃんと服を着てもらったのを確認してから僕は再度眠りについた。エリザも、僕に抱きついたのは変わらなかったが、そのまま寝た。

 

 ***


 12月4日木曜日。あと3日で文化祭だ。恋も仕事で忙しくなってきたようで、あんまり朝は一緒に学校にいけなくなってきていた。昨日は、エリザも文化祭実行委員会の集まりで、恋と一緒に学校に行っていた。エリザが文化祭実行委員会で結構いい役職に付いているのは確かなんだけど、やっぱり聞いてみるべきなのかな?

「なあ、エリザ」

「なに、ダーリン?」

「お前って、文化祭実行委員会の中の役職何?」

「私? 会計だよー。元々は『委員長して』って依頼されたけど、私は転入生だから、私でもできることを探した結果、会計になったんだよ」

「流石にお前じゃ副委員長は務められないか」

「むっ、そうやってまた私をバカにして……」

「悪い悪い。……さてと、会長は」

 チラリと後ろの方を向く。会長は、笑顔でスキップしながら僕の方に近づいてきた。

「やあ」

「……あの、会長? なんでスキップしてるんですか?」

「そりゃあ、因幡ちゃんを私の悪魔にしたからに決まってるじゃないか! いやあ、またまた愛くるしい光属性だよ! 嬉しいよ、本当」

「ていうか、光属性って基本かわいいキャラ多い属性でしょ……」

「闇もね」

「闇もですかねえ?」

「うん」

 聞き返すと、会長はそう答えた。その上で、会長は後ろから追いかけてきている愁から逃げたいのか、僕の右手に自分の体をくっつけてきた。

「か、会長、何して……」

「男の子に追われるの怖い……」

「はあ、愁の奴何してんだか……」

 僕は終始呆れた表情をみせた。ちらりと左側のエリザの方を向くと、やっぱりムスッとしていた。ちょっと怒り気味なのかな? エリザは口に出して怒ることはなくても、ちゃんと態度で怒ってるかどうかを示せるんだから、それだけでも一応十分だ。示さない奴よりはな。

「さてと。早く学校行きましょうか、会長」

「そ、そうだね」

 会長はやっぱり追いかけられていることに対応しきれていないようで、ちょこっと動揺していた。だがしかし、僕はそんな動揺している会長など見もせず、少々強引に手を引っ張って走りだした。これでも、昔は足も速かったんだ。姉ちゃんや恋から聞いた話だけどな。


 *** 


 朝7時30分。学校に着いた。……早い。いつもは8時くらいに着くようにしているのだが、今朝は結構早い。だけど、朝飯を食べていないわけではないから、ここからまた間食を食べるわけにも行かない。なにせ、恋の作る弁当は結構量が多いからな。間食なんて取ってしまうと、後々『もう無理』とか言っちゃって、あいつを傷つけることになるし。

 あと、愁には悪いことをしたかも知れないが、やっぱり人が嫌がることはするもんじゃないってことを知ってもらえればいいか。

「……あ」

「どうした、エリザ?」

「やっぱり私、恋と一緒に委員会行ってくるね!」

「あいよー」

 エリザは、何かを思い出したように走りだした。まあまだ7時半だ。一応朝練とかしている生徒も居るから生徒玄関は開いているが、基本的に皆まだ来ていない。というかまず、この時間帯は暖房がついていない。朝8時にならないと、暖房をつけてくれないのだ。だから僕は、出来る限り登校時間ギリギリの8時半に間に合うようにいつも来ている。ただ、毎週金曜の生徒会としての活動では、7時に来て寒い中でやんなきゃいけないんだけれども。

「会長」

「ん?」

「早く着すぎましたね」

「ああ」

「……外にいるのも寒いし、中には入ろうと思っても暖房ついていなし、どうします?」

「凛君はセーター的なの着ていないんだろ?」

「はい」

「……適当に本でも読んでいればいいんじゃないか?」

「あれ? 図書室の冬季早朝開放ってもうやってましたっけ?」

 僕の高校では、図書委員会及び生徒会の協力、先生たちとの話し合いの上で、寒さの強まる冬、朝6時30分の朝練開始時刻から朝8時25分の朝練終了時刻まで、図書室を開放しているのだ。だが、その時間帯に本を借りることは出来ない。借りられるのは、基本的に放課後開放時と昼休みだけだ。

「やっていただろ」

「あれって12月……」

「もう12月だ。お前寝不足かよ?」

「かもしれないですね。まあ、本読んで知識つけますよ」

「そうした方がいい」

 そんな会話をした後、僕と会長は生徒玄関を通り、かばんを自分の教室のロッカーに置き、生徒会室の隣にある書籍室の更に隣にある図書室へと向かった。まあ、ここにはライトノベルは勿論、高校なのに漫画が大量においてある。これは、漫画同好会による先生たちへの必死の願いによって置かれているもので、皆その漫画を大切にして扱う。なにしろ、僕の高校の図書室の司書さんは、結構ヲタクな人なので、自費で買った本を置いたりしている。ただ、貸出禁止の文字の付いたブックカバーをその本にはつけているけど。


 まあ、そんな感じで規制は緩い。まあ、僕の通う高校自体、校則はゆるいもんだから、不良が多いと思われるかもしれないが、実際のとろこはそんなことはなく、みんないい人ばっかだ。ただ、今の3年にはヲタクが多いと思うし、教師の中にも結構ヲタクが居るなあ、と思うのは事実だけれど。


 僕は、そんなことを考えつつ、図書室のドアを開けた。

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