Prologue/Episode00
六年後の僕へ。この文章は痛いかもしれないですね。でも、読み返して下さい。
人は何時か別れるものです。例え惹かれ合って、共に道を歩んでも、後に片方は居なくなる。同時に居なくなるかもしれません。そう、別れるのです。
恋人だけではない。自分の親友、幼馴染、父母、会社の上司や部下だってそうです。もしかすると兄弟姉妹の誰かと別れてしまうかもしれません。
だからこの手紙に、僕達は、高校卒業まで共通認識として持っていて欲しいことを書き記します。
今を生きること、
今を楽しむこと。
決して挫けないこと、
諦めてもまた立ち上がり、奮闘し、新しい道を切り開くこと。
今を生きて、共に歩んだ仲間が死んだ時、僕は何を思うのでしょうか。
そしてこの手紙を書いた頃の僕は今、どうしていますか。
一八歳の僕は、どんな僕ですか?
人生を、楽しんでで居ますか。
周囲の人達とは上手く行っていますか。
このメモを埋めた公園を覚えていますか。その公園は、未だに有りますか。
このメモはきっと、雪の積もった日の夜に見ると思います。
一八歳の僕へ。
六年後の僕へ。
そして、
六年後のお姉ちゃん、妹、幼馴染達、一八歳の時の僕の友達へ。
2014年12月12日。君は、この手紙をまた見て下さい。
僕はどんな顔をして、どんな友達がいて、街はどんなふうに変わっていますか。