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青への想い

昨日は寝れなかった、チカの事、過去の事、これからの自分の事、だから凄く眠い

“ピンポーン”

またかよ、昨日会ったからもういいだろ

「何?」

玄関の前には案の定、渡辺が立ってた

朝っぱらから、何でコイツの顔を見なきゃいけないんだ

「一緒に行こう」

一緒に?あぁジムか

「ゴメン、今日は気がのらないから、やめとく」

「何で?」

お前が嫌いだから、じゃなくて

「寝不足」

「なら少し話そう」

「少しだけな」

今すぐにも寝たいくらいだったけど、帰ってくれるなら、我慢するか。

家の近くに大きな公園で話をした

「で、話って何?」

「いや、とくに無いんだけど、シシキ君と話たかった」

寝不足だって言ったのに

「なら帰るよ」

何も無いなら帰ろうと思って、立った時に後ろ手を掴まれた

「待って」

「何?何も無いんだろ」

「そうだけど、側にいて欲しいの」

ふざけるな、コイツ彼女気取りかよ

「眠い」

「なら私の肩で寝ていいから」

“プチッ”

何か切れる音が聞こえた、何が悲しくて、嫌いな女の肩で寝なきゃいけないんだよ

「悪いからいいよ」

「お願い、一緒にいて…」

あれ、泣き出しちゃった

「ゴメン、側にいるから、泣くな」

「…ありがと」

それから何分たったかな、ホントに隣に座ってるだけだ、何回か寝かけた

「何かあったの?」

「…昨日から、シシキ君が遠くに行っちゃうような感じがして、凄く怖いの」

予知能力!?でも夏休みの間だけだし

「明日から旅行行くだけだから」

「ホントに旅行?」

「お手伝いを兼ねた旅行」

「…でも」

まだ渋った顔をしてる、俺としてはもう会いたくないけど、コイツは何で俺に固執するんだよ

「夏休み会えないくらい、大した事じゃないだろ」

「大した事だよ!」

「何で?」

怒ってるし、何でそこまで、別に俺と違って友達はいるだろうし、友達一人がいなくても差ほど変わらないだろ

「シシキ君の事が好きなの!誰よりも大好き!」

……?

「はい?」

「私ずっとシシキ君の事が好きだった、だから一秒でも長くシシキ君といたいの」

もしかしてこれって、告白ってやつ?

「何で俺?」

「シシキ君は憶えてないと思うけど、私一年の時に今の中学に転入して、始めて話かけてくれたのがシシキ君だったの」

「そんだけ?」

「違うの。私が初日で教科書とか無くて、困ってた時に隣にいたシシキ君が教科書見せてくれたの。スゴく嬉しかった」

「…そんなこともあった」

記憶が曖昧だけど憶えてる、確かに見せたけど、当たり前の事をしただけなのに、それに話って言っても

「見る?」

だけだし

「だから私シシキの一番になりたい」

「ゴメン。俺、渡辺に興味ないから」

我ながら冷たい一言だな

「ヤダ!これから好きになって、私はシシキ君じゃなきゃダメなの」

「無理だよ、後にも先にも渡辺の事を好きになる事はないよ」

「何で?私の何がいけないの?治すから」

全部ダメだけど、理由はそこじゃない

「気になる人がいるんだ」

唖然とした顔をしてる

「だ、誰?私の知ってる人?」

「知らないよ」

「何で私はダメで、その人なの?」

コイツ自意識過剰もほどほどにしろ、せめて同じ土俵に立ってから、自惚れろ

「それは渡辺の俺に対するキモチと同じだよ」

「私の入る余地はない?」

「じゃあ渡辺は、俺以外の誰かを好きになれるか?」

「……」

自分は相手無しの生活は考えられない、でも相手は自分の事を想ってない、その時俺だったらどうするかな

「ゴメン、だから俺は、好きになれないよ」

「私諦めないから、絶対にシシキ君の一番になる」

「良いの?」

「このまま友達でいてくれれば、いつかは好きになってくれる、そう信じてる」

可哀想だけど、その日は来ないよ

「あぁ」

「じゃあ私帰るよ、じゃあね」

「じゃあね」

帰って行った、帰り際泣いてた、俺が泣かしたんだ、最低だ。

でも嘘ついて、付き合うよりはマシだろ、もし付き合ったとしても、同じ末路だろうな。


帰った後、昼寝をした。

起きたのは夕方だった、時間が長く感じた、一秒が一時間に、一分が一日に、一時間が永遠に感じた、こんなに明日が待ち遠しいなんて、始めてだ。

やっと明日会える、短いけど長かった

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