青と赤の進む先
進路が決まって後は卒業をするのを待つだけになった、今日は前にチカと約束してたデートで東京に来てる、普通にデートをするのは始めてってのについさっき気づいた
「カイ、あの店行こう」
チカの暴走を抑えながら雑貨屋巡りをしてるけど、手を繋いでなかったら確実に今頃迷子のアナウンスをかけてるな
「ねぇ、このネックレス可愛くない?」
「欲しい?」
「欲しいけど値段が…」
6500円也、これくらいなら何とかなるかな。
店から出るとチカは装着済みだった、仕事の速さは天下逸品だな
「ホントに良いの?」
「当たり前じゃん、それに似合ってるよ」
「ホントに!?」
「かなりね」
喜んでくれたのはありがたいけど、更に暴走がヒートアップした、デートってどんなスポーツより体力がいるな
「チカ、もうそろそろ昼にしよ」
「もうこんな時間か、どっか行きたい所ある?」
「そこのパスタ屋で良くない」
「良いよ」
調度近くにあった店でパスタを食べることにした、流石にかなり歩いたから腹が減った。
店内は普通だけど一つだけ違う事が、コックが外国人、日本語ペラペラで背が高くてカッコイイ、男の俺が見ても見とれるくらいキレイな顔をしてる、まぁこの話はおいといて
「何食う?」
「…カルボナーラ」
「じゃあ俺も」
注文を取りにくるのはアルバイトっぽい大学生だった。
食べ終えた感想はめちゃめちゃ美味かった、久しぶりに感動できるもの食ったな
「美味かったな」
「カイの勘は確かだったな」
「奇跡が起きたよ」
ホントに普通のデートだな、島にいたからできなかったから、より一層幸せを感じるな
「来月から俺ら高校生だぞ」
「何かカイが来てからあっという間だったよ」
「俺もかな、毎日が濃かったな」
「高校生活はもっと濃くなるんだろうね」
「その前に、一つチカにビッグイベントがあるだろ」
また面倒な事になるんだろうな、今回は俺もキツイんだよな
「何?」
「お別れ」
「お別れ?」
頼むから理解してくれよ、それに何で今こんな話をしてるんだろ
「皆が皆、同じ学校に行くわけじゃないだろ、ってか俺とチカ以外は皆違う学校だから、バラバラになっちゃうじゃん」
「そっか…」
遠い目をしてる、俺だってつらいけど、割りきるしかないだよ、全員を繋ぎ止めておけないから
「でも今回は多分大丈夫」
「何で?」
チカの優しい笑い方が大人っぽかった、全てを悟ったような、割りきったような笑顔だった
「ユキとマミ姉がいるから少しは楽だよ」
「そっか、なら安心だな!」
大人っぽいチカを、子供と戯れるように頭をクシャクシャにした、目が可愛かったから。
帰りは少し歩いた、時間に余裕があったしチカが街を見たいって言うからしょうがなく、でもふと思った、チカが一緒にいると東京も嫌じゃないことに、多分周りがまったく見えてないからだと思う
「カイ、サエにコクられたでしょ」
「へ?」
思考回路が完全に止まった、その後恐怖にも似た感情が襲って来た、恐れからじゃないと思う、不安から来たんだ
「サエから全部聞いたよ」
「…黙っててゴメン」
チカの笑顔が苦しい
「何で言ってくれなかったんだよ?」
「言えなかった」
「アタシのタメ?それともサエのタメ?」
「二人のタメ、二人の仲が悪くなるのをみたくなかった、俺のせいで二人を傷つけたくなかったんだ」
歩きながらだけど、泣きたい気分だった
「そんなんで壊れる仲じゃないよ」
「でも…」
「断ったんでしょ?」
「当たり前だろ!いくらサエでも曖昧な事はしない」
チカの笑顔が変わった、またあの大人の笑顔だ
「サエは2番目でも良いって言ったんだろ?」
「そうだよ」
「なら許すよ」
まだ素直に喜べなかった、チカは本当に許してくれたと思う、でも何かが引っ掛かる
「でも嘘ついてたじゃん、サエとは何もなかったって」
「それも全部許す、何もしてないんでしょ?」
「出来るわけないだろ、チカだけは裏切らないから」
「なら何が許せないんだよ?」
チカが許しても俺が許せなかった、結局自分の事を守りたいがタメに嘘をついてた事が
「チカに嘘をついてた事が」
「ならアタシも嘘を着いたから良いだろ」
「えっ?」
思わず立ち止まってた、自分の耳を疑ってその次に今の発言自体を疑った
「実は2週間近くサエと喧嘩してた」
「ホントに?」
「うん、でもクリスマスにカイがサエを離さなかったでしょ、それで喋ったら何だかバカバカしくなって、その後仲直りしたんだ、だからカイのせいだけどカイのお陰、±0」
「ホントに良いの?」
「しつこいな、良いって」
「ありがとう」
「でも一つ、約束して、今後何があってもアタシを裏切らないで」
「分かった、約束する」
やっと引っ掛かりがとれた、一番大きな問題が解消できてすっきりした、もう絶対にチカは裏切れないな。
電車に人は少なかった、そのうち車両には俺とチカだけになってた、車内には電車の音と俺達の大きな声だけが響いてて、世界に二人ぼっちになった気がした
「今日は楽しかった!」
「喜んでもらえて幸いだよ、俺も楽しめたし」
「アタシ達が乗ってる電車って何処に行くのかな」
何変な事言い出すんだよ
「港の近くの駅だろ」
「頭かたいな、その電車じゃないよ、臭いけど人生の」
「確かに臭い」
人がいないから大笑いしたけど、チカの顔が真っ赤なのは確認できた、後先考えないからだよ
「もう笑うな!」
「悪い悪い」
あぁ、腹いてぇ
「だからアタシ達の乗った電車は何処に行くのかなって、この後誰が乗ってくるかとか」
「そんなのどうでも良いだろ、ずっと一緒に乗れれば」
どこで誰が乗ろうが、どこで誰が降りようが俺には関係ない、俺とチカの二人で終点にまでいければそれでいい
「今はサエもダイチもミッチーもユメちゃんも、乗り換えでアタシ達とは違う路線に」
「でも俺達は一緒、いつまでも…」
「そうだね、ずっとずっと…」
俺達は二人を乗せた車両でキスをした。
まだ幼い恋の戯言とは知らずに、口約束をして
最後まで読んでいただいてありがとうございます。誤字脱字が多くて読みづらいところもあったと思いますけど、とりあえずありがとうございます。まだまだ続きます、つまらないけど続きます!続編もよかったら読んでください。