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赤と散歩

ヤベェ!時間が過ぎるのが早すぎる、ありえない、ってか毎日単調過ぎてあっという間だよ、推薦入試近いし、受かる自信はあるけどやっぱり俺も受験生だな、不安って感情が残ってたらしい、チカの勉強を見てて、俺ってこれで良いのか?みたいな事を思ってくる、うるさいようだけど自信はあるよ、でも見えない何かが俺を不安に…、ってやめた!悩むのかったるい

「カイは推薦だろ?」

「そうだよ、めんどくさいし、早く終らしたいじゃん」

チカはいつも通り問題を説きながら話してる、チカはもう一つ上の学校狙えるくらいの頭はあるんだけどな、チカも受験生ってことか

「ねぇ、散歩行かない?」

「何で?」

「勉強ばっかりで疲れるだろ、だから息抜きだよ、それにチカの頭はもう足りてるから、こんつめてやってると逆効果だよ」

チカはいろいろ悩んだ結果

「分かったよ、散歩行くか」


渋ってるチカを無理矢理連れて、いろいろ歩き回った、くだらない話とか進路の事その他もろもろ、最近は勉強ばっかりでまともにチカと話もしてないし、俺自身が受験から離れたかった

「ミッチーは農業系なんだ」

「あの家見ればわかるだろ」

「確かに、ダイチは俺らの一つ下の学校だろ、サエは有名大学の附属高校、ユメちゃんは商業高校、みんなそれぞれの進路か」

何だよ、結局その話かよ、腐っても受験生か。

歩いてるとクライミングで使えそうな岩盤にあれは…、ユメちゃんとゲンか、ゲンが岩を登ってる…、ってあの馬鹿、素人が登れるわけないだろ

「ゲン!何してんだよ!」

「えっ!?カイさ…」

あっ、落ちた、1mくらいだから怪我はしなかったけど、アイツなにしてんだよ

「何してんだよ、危ないだろ」

「イテテテ、カイさん…」

「大丈夫?」

ユメちゃんが駆け寄る、心配するのは分かるけど登らせるなよ

「で、何してんだよ?」

「あの花」

ユメちゃんが指差した先には岩盤に咲く一輪の花が、あれを採ろうとして登ったと

「登れると思った?」

「やらないと分からないじゃないですか」

「ゲンじゃ無理だ、俺が採ってやっても良いけどそれじゃ嫌だろ」

「当たり前じゃないですか!」

忘れてる人も多々いると思うから説明しておこう、俺の特技はフリークライミング、ちなみにここら辺も登った事がある

「カイ、登れる?」

「登れるけどゲンが許さないだろ、だからゲンを登らしてやるよ」

「ホントですか!?」

「ホント」


みんなを置いて俺は家に道具を取りに行った、一応チカを監視役につけて、戻った頃には二人ではしゃいでた、二人ってチカを抜いた二人ね

「ゲン、少し待ってろ、上いって仕掛けて来るから」

「お願いします!」

上に行っていろいろ仕掛けて下りた、ザッと15分くらいで終わった、ゲン吊り上げるための仕掛けを

「よし、これで大丈夫、じゃあ構えろよ」

「はい!」

軽く登ってそこから縄を持って一気に落ちる、ゲンが案外軽くて予想以上に落ちるのが速くてビックリしたけど問題はない、後は力で吊り上げるだけ

「あとどれくらい?」

「2mくらいです」

………

「OKで〜す」

「大丈夫、ゲンちゃん」

「ユメ!採れた採れた!」

「下ろすぞ!構えろ!」

ゲンは下りて来ると大騒ぎ

「ユメ!これこれ、ほら」

「ゲンちゃん、ありがとう」

何かこの二人を見てると和むな、とても恋をしてるとは思えない

「何であんなの採ろうとしたの?」

「ユメと今年でお別れだろ、だから記念に」

「馬鹿だな、怪我したら意味がないだろ」

「でも…」

始めて凹んでるゲンを見た

「まぁ、気持ちは最高だよ」

ガキだけど相手を思う気持ちは一人前と、カッコイイ事してくれるじゃん

「まぁ、今後無茶するなよ、ユメちゃんのためにも」

「はい」

「行こ、ゲンちゃん」

二人は走って行った、ユメちゃんは嬉しそうに花をもちながら、でも恋人と離れるのって辛いよな、俺は耐えられない、それをゲンを体験するんだから可哀想だな、ユメちゃんも同じ思いか

「二人とも離れ離れで可哀想だよな」

「じゃあアタシ達は幸せ者だな、一緒にいる権利があるからな」

「年齢差は恋には敵か」

ゲンは根が強いから一年は何とかなるかな、見た目はガキでも心はでっかいからな。


ユメちゃんとゲンには悪いけど、俺達は思いっきり幸せになってやるからな

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