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赤は泣き虫

冬休みが過ぎるのは早い、あっという間に過ぎて行った、2週間しかないから当たり前だけど、何か寂しいよな、ユキとかマミ姉といろいろ話してたからあっという間に感じたのかもしれないし、まぁ濃い冬休みだったから良かったな。

今日はユキとマミ姉が帰る日だけど、寂しくなるな、血は繋がって無くても共通点が無くても兄弟だからな、でももっと辛いイベントが一つ、実際こっちの方が辛い

「じゃあ次に会えるのはカイ達が高校入学の時だなぁ」

「そうだな、ちゃんとユキとマミ姉のいる高校行くからな」

「チカちゃんも頑張ってね、待ってるから」

「うん」

「じゃあ待ってるからぁ」

「じゃあね」

ユキとマミ姉を乗せた船が出航した、俺達は船が見えなくなるまで見送った、次は俺達が出向く番か、俺はともかくチカが頑張んないとな、と、そのチカは……、やっぱり泣いてる

「チカ、少しは慣れろよ」

「で、でも…」

歩きながら泣いてるチカと手を繋いでるとお守りみたいだな、でもそんな冗談話じゃないんだよな、俺のせいでもユキ達のせいでもないけど心が痛む

「高校合格すれば毎日でも会えるんだから、前向きに行こうよ」

「分かってるけどぉ…」

「俺じゃ不安か?」

「違う、カイが…、いれば満足、で、でも」

「でも?」

「何か、わかんないけ、けど…、悲しい」

最近なんとなくだけど、泣いてるチカを見ると愛しくなってくる、何か矛盾が生じ始めてきた、慣れちゃったのかな?

「じゃあ、泣き止むまで待つよ」

チカを抱き締めた、抱き締めるとワッと泣き出した、あれでも我慢してたんだ、泣き虫な彼女を持つと苦労するんだな、でもユキと話して分かった事があるんだ、泣かれないより泣かれた方が良いって事に気づいた、だから多少は泣かれても辛くはない

「ありがと、カイ」

「どう、楽になった?」

「うん、いつも泣いてばっかりでゴメン」

「良いよ別に、俺の胸はセルフサービスだから」

また嘘ついてるよ、俺のために泣かないでくれってのも何か嫌だから嘘ついちゃったけど、実際問題泣かれないにこした事はないよな

「カイは悲しく無いの?」

「悲しいよ、兄弟だもん、でも我慢する事で解決するじゃん」

「大人だね」

「そうか?ぶってるだけだよ」

泣くのを我慢するなら泣いて欲しい、これも一理あるかもしれない、やっぱり素でいて欲しいしそれを受けとめる自信もあるから、だから最近チカが泣くとホッとする事がある、やっぱりおかしいよな

「カイみたいになりたいな」

「何で?」

「強いから、アタシよりも全然強い心持ってるだろ、それがアタシはうらやましい」

「バ〜カ、俺が強いのは俺のためじゃないよ、チカが弱いから俺がいる、チカが強くなったら俺はいらなくなるだろ、今のままで良いんだよ」

「でも…」

「チカはチカ、俺は俺。それで良いだろ、他人に近付こうと思えば思うほど自分じゃなくなる、なら自分らしくで生きてけば良いじゃん」

「まぁ、カイがそういうならそうするよ」

チカはただでさえ気が強いんだからたまには弱みを見せてもらわないとこっちがめいる、世の中はそうやって調律がとれてるんだよな

「まぁ、あれだ、ユキとマミ姉に毎日会いたいなら勉強だな、高校落ちたら話になんないだろ」

「アタシには最高に頭が良くて、最高にカッコイイカテキョがいるから」

「こんな生徒がいたら授業なんないよ、何もしないって自信がない」

「馬鹿じゃない、良いから全身全霊をかけてアタシに勉強教えろ」

「了解です」

普通にやってればチカなら受かるけど、やっぱり不安なんだろうな、受験なんて始めてだし全部そこにかかってるからな。


チカが泣きをみないようにする、それが今の俺の目標かな

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