白と黒の帰省
今日は港にいる、フェリー待ち、今日はユキとマミ姉が帰ってくる、マミ姉とは4ヶ月近く会ってない、ユキとは3週間くらい前に会ったばっかだし、でも心が踊る、チカはさっきからはしゃいでうるさい
「なぁ、まだかな?」
「あと少しだよ、落ち着けよ」
「でもさぁ、でもさぁ…」
ダメだこりゃ、来るまでは落ち着かないな、来たらもっと落ち着かないだろうな
「あれじゃないの?多分あれだよ。絶対あれだ!」
俺には暫く分からなかったけど、何とか分かる所まで来た、確かにユキ達が乗ったフェリーだ
「良かったな、もうすぐ会えるぞ」
「うん!」
ガキだな、でも兄弟が戻って来るようなものだもんな、俺も少からずテンション上がってるし。
フェリーが接岸して、一目散にユキが降りてきた、ユキもガキだな
「チカぁ、久しぶりぃ。カイはこの前会ったばっかりだよなぁ」
「久しぶり!元気だったか?」
「当たり前だろぉ、二人も元気そうだなぁ」
後からマミ姉がゆっくり降りてきた、マミ姉が一回り大人っぽくなった感じがする
「カイ君、チカちゃん久しぶり」
「マミ姉、大人っぽくなった?」
「分かる?少し変えてみたの」
「かなりね、ユキにはもったいないくらいだな」
「ユキ君に似合う女になるために頑張ってるんだから」
マミ姉はまんまでも、ユキにもったいないくらいなのに、強力磁石の彼氏を持つとちんけな砂鉄も気になるのかな、でもこのままマミ姉が頑張るとユキが可哀想だな
「カイ君は髪の毛伸びたね」
「分かる?」
「分からない方が凄いよ、伸ばしてるの?」
「そんなとこかな、後でかるく整えてよ」
「分かった」
みんな少しづつ変わってるけど、根本は変わらないんだな。
荷物を置いていつもの海に行って髪を切ってもらいながら、みんなで話した
「こんなでどう?」鏡を受け取って、切ってもらった髪をみた
「最高、流石マミ姉だよ、期待以上」
「ありがとう」
「チカも伸ばしたらぁ、彼氏より短くて良いのぉ?」
「うるせぇな、アタシの趣味に口出しするな!」
あっ、蹴り飛ばした、この二人は相変わらずだな、でも俺の方が長いってのは変だよな
「チカちゃん、その手首と指、カイ君から?」
「そうだよ、似合う?」
「凄くカワイイよ」
「マミ姉の指輪もかなりカワイイね」
「分かった?」
「当たり前でしょ、ユキとお揃いってのもね」
二人の仲もおさまるどころかヒートアップしてるし、二人でずっと手を繋いでる、まぁ俺らも人の事言えないけどな
「カイ君は新しい学校には慣れた?」
「慣れたよ、楽しくやらしてもらってるよ。マミ姉とユキはどうなの?」
マミ姉の顔が悪魔に近付いた、俺何か悪いことでも言っちゃったかな
「ユキは女の子に大人気よ」
「マミ以外は興味ないからぁ」
泣き付くようにマミ姉に弁解をしてるけど、悪魔が聞く耳持たずっていうか、言い訳は聞きたくないというか
「でもマミ姉も他の男が放っておかないだろ」
「でも、ユキ君だけだから」
「どっちもどっちじゃん」
持てる彼氏彼女を持つと大変だね、二人とも告白された回数聞いたらビックリする数字が出そうだな、二人合わせて一クラスくらい出来るんじゃないの
「カイなら高校行けば辛さが分かるよぉ」
「アタシは分からないのかよ!?」
「チカちゃんはもう少し大人っぽくならないとね」
「マミ姉、ズバリ言い過ぎ」
でも髪が短いのもあるし、カワイイんだけど、子供っぽいのは否めない
「良いもん、告白されまくってカイに焼きもち妬かせてやるから」
「無理だね」
「何が?アタシがガキっぽいから?それともアタシ何かに寄ってくる男はいないとか?」
「後者は無いな、それに誰に何と言われようが、チカは俺から離れないから」
「随分の自信だなぁ」
「でもそうでしょ?チカちゃんはカイ君しか見えてないもんね」
「悔しいけど…、そうだよ」
俺も然りってか、他には興味ないし、チカを離す気も無いしな。
今日は現状報告みたいな感じで終わった、これから冬休みが終わるまで、またこの4人で楽しい日々が始まる、別に今までがつまんなかった訳じゃないから。
今回は宿題大丈夫なのかな?