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青と聖夜

サエとミッチーが呼びに行って20分、もうそろそろだな、ダイチはだんだん落ち着きが無くなってきたし、ユメちゃんはゲンと隅で話してる、チカはコノミちゃんと話してるし、俺はダイチを落ち着けてるけど効果無し

「ダイチ、落ち着け」

「でもさぁ、無理…」

「キョドっても何も変わんないぞ、どっしり構えとけ」

焼け石に水か、フウちゃんが来るまで待つしかないな、事前に知らせてあるし、車だからもうすぐだと思うんだけど…

「みなさん、来ましたよ!」

ダイチの緊張が最高潮に達したのが雰囲気で分かった、ダイチ頑張れ

「スゴ〜イ!これ全部みんなでやったの!?」

「そうだよ、料理は俺とダイチ、飾り付けはみんなでやってもらった、フウちゃんのためだよ」

「ありがとう!」

フウちゃんの満面の笑顔、ダイチは腹をくくったのかいつもの調子になってきた

「フウちゃん、何か足りないよな。クリスマスと言えば?」

「クリスマスケーキ?」

「ビンゴ!」

「チカ!コノミちゃん!」

二人に支えられて、大きいケーキがテーブルの真ん中に置かれた

「スゴイ!スゴイ!」

フウちゃんが跳ねながら喜んでる、分かりやすくてありがたい

「これ全部ダイチが作ったんだよ」

「ホントに!?」

「そう、フウちゃんのタメに」

「嬉しい!」

フウちゃんがダイチに抱きついた、ダイチは一気に顔が真っ赤になった、みんなで顔を合わせてアイコンタクトで喜んだ、でもフウちゃん、生徒に抱きつくのは良くないだろ

「じゃあ、イチャイチャしてる二人はおいといて、始めるか!」

各々が騒ぎ始めた、ユメちゃんは騒ぐゲンに着いて行ってる、ミッチーとコノミちゃんはいろいろ食べてる、ダイチはフウちゃんと二人で良い感じに、大成功だな、俺とチカはサエとお話

「良いの?二人の邪魔して」

「大丈夫、アタシとカイの間に誰が来ても、猫に小判」

頼むから人前で腕組むのはやめてくれ、サエが呆れてるだろ、ってか笑ってる

「何で笑うんだよ?」

「チカが羨ましいなって」

「何でアタシが?」

「こんな良い旦那を持って、それに…」

俺が作った料理を食べた

「ほいひい(おいしい)」

「サエ最近、一皮剥けてきたよな」

「カイのお陰」

「カイ、サエに何かした?」

チカの目が怖い、なんだかマミ姉に似てきた

「何もしてないから」

「強いて言うなら、私の心に台風起こしたくらいかな」

サエ、かなり危ないよそれ、チカが頭良かったら俺は台風直撃だよ、床上浸水だな

「台風?」

「あれだ、サエにとってのライバル出現だよ、な?」

「そういうこと」

チカに言ったら…、考えたくないや、怖いっていうか切ない

「サエ、これ」

サエにシャーペンをあげた、クリスマスプレゼントってか、シャーペンって言っても100円くらいのじゃない、高級品のシャーペン

「良いの?貰って?」

「良いの良いの、あれだ、受験頑張れのシャーペンだよ、大事にしろよ」

「良いなぁ、サエ、アタシも何か欲しい」

さぁて、ココからが本番だ、ダイチと何十回も練習した、絶対に成功するはずだ。

中指と薬指の付け根の所にプレゼントを噛まして、手を繋ぐフリをしてチカの左手薬指にはめる

「まぁまぁ」

「ひっ!?何か指に…」よっしゃ!成功!チカが指を見てフリーズしてる

「なにコレ?」

俺は、俺の左手薬指をだした

「ペアリング!」

「アタシに…」

「当然。気に入らない?」

「大好き!!」

飛び付いてきた、かなりでかい声を出してたからみんな見てる、しかも答えになってないし

「チカ、少し抑えて…」

「無理!」

流石にキスまではしてこなかったけど、みんなの視線が集まってる、主役は俺じゃないから。やっと離れたと思ったら、チカは走りだしてみんなに自慢してる、ココまでとは

「やっぱりチカには敵わないよ」

「今はチカしか見えないから」

「馬鹿」

「俺が?」

「類は友を呼ぶ」

会話になってないけど、言わんとしてる事は分かる、悔しいけど否定出来ない、チカの前ではどんな馬鹿にでもなれる、あ、チカが戻ってきた

「カイ、ありがとう!」

「分かったから、少し抑えて」

「でもでも、凄く嬉しいんだもん!」

テンションの高さにビックリだよ、ついていけないよ、こんなにキャイキャイ騒ぐチカもあんまり見れないし、たまには良いよな

「チカ、大切にしなよ」

「大丈夫、絶対に落とさない!」

「そうじゃないよ、蛍光灯に蝿が群がってくるから気をつけな、私もその内の一人だし」

「???」

サエ、頼むから俺の肝を冷やすのはやめてくれ、しかも例えも選んでくれよ

「とりあえず、今あるものをなくさない事だね」

「大丈夫、何にもなくさないから」

「だってよ、カイ」

「俺にふるな、答えに困るだろうが」

チカは何も知らずに騒いでるけど、さっきから俺はギリギリの綱渡りしてる。


みんなそれぞれの雰囲気を作り出してるな。

ゲンとユメちゃんはまだ騒いでる、ガキだな

ミッチーとコノミちゃんはティータイムか、こんな時まで飲むなよ。

メインのあの二人は、フウちゃんがケーキ食べてる、あれ、止まった、まずかったのかな、でもそんなハズはないし…、泣きだした!?おい、ダイチ何かしたのかよ

「おいしい、ありがとう、だって」

「チカか。誰がそんな事言ってた?」

「フウちゃん」

二人までかなりあるぞ、とても常人には聞こえるもんじゃない、もしかして盗聴機を仕掛けたとか?

「何で聞こえんの?」

「耳が良いから」

目も良いし、耳も良い、チカはアフリカ人?その話はおいといて

「じゃあ嬉し泣き?」

「そういう事になるね、あの二人ホントに付き合ったりしたら笑えるよな」

「良いことじゃん」

もしかしたらもしかするかもしれないな、勝率0.0000…からの勝利か?

「ダイチがポケットから何か出したぞ」

プレゼントだ!一気に畳み込むつもりだな

「袋に入ってるな」

「どうなってる?俺よく見えないから実況頼むよ」

「持ってた皿を置いてフウちゃんが袋を開けた、止まった……、抱きついた!?」

最後は俺でも分かった、ダイチ、やるじゃん!これで勝率は70%くらいにはなっただろ

「髪留めか?多分そうだ、貰ったもので髪留めてる」

「ダイチはどう」

「顔が真っ赤。フウちゃんが何か喋ってる」

「何て言ってる?」

「“男の人にプレゼントを貰ったの始めて”だって」

「これは大どんでん返しだな、ダイチの恋、成就するかもな」

周りを見ると、みんなダイチの事を見てた、小さくガッツポーズで合図を送った

「じゃあこれにてお開きにしますか」

「カイさん、片付けくらいはうちでやるので」

「じゃあ、お言葉に甘えて。ゲン、ユメちゃん送ってけ」

「当たり前でしょ、行こ、ユメ!」

無理矢理手を引っ張って走って行った

「俺はチカとサエ送ってくから、ダイチ、フウちゃん頼んだ」

「了解」

「ダイチ君帰ろう!」

ダイチの腕にしがみついた、あれでも一応先生だよな

「じゃあ、チカ、サエ行くか」

俺はチカの手を握って出ようとした

「私は一人で帰るよ、危ないもの何てないし」

「サエ、気が利かねぇな、チカと長くいる口実なのに、台無しにする気?」

嘘だけど、流石に一人で帰すのは可哀想だけど、まあ、チカと一緒にいたいのも嘘じゃないな。

犬達がもう寝てて、身震いする寒さだった

「寒いな」

「カイがいればアタシは寒くないよ」

「チカ、変わったね。前はそんなに積極的じゃなかったし、女の子っぽくなかったよ」

「カイのお陰だな。サエも変わったぞ、トゲトゲしさが無くなった」

「カイのお陰だね」

なんか、俺、かなり過大評価されてるんだけど、一番変わったのは俺なのに

「じゃあ、俺は二人に感謝」

『何で?』

「最高のクリスマスをくれた事」

二人とも笑ってる、俺もつられて笑ってる、クリスマスって最高だな


「ココで良いよ、家はすぐそこだから」

「分かった、じゃあな」

「バイバイ」「じゃあね」

サエと別れて二人になった、考えてみると、クリスマスに始めて二人きりか

「チカ、明日会える?」

「当然」

「二人でクリスマスやるか、いつもの夕日の所で」

「良いよ」

「じゃあ3時くらいに迎えに行くから」

「待ってる」

明日はチカの誕生日、二人で祝いたいよな、家だと誰かいるからいづらいし。


俺とチカは寒さをしのぐように、体を近づけて歩いた、冬の夜なのに暖かかった

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