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青の聖夜準備

ついに待ちに待ったクリスマスがやって来た、この日をどれだけ待ちわびたか、俺にとって人生最高のクリスマスになるな、確実に。


でもクリスマスなのにめちゃめちゃ早起きの俺、理由は料理の仕込みと、ダイチのケーキ作りの指導&サポート、サポートって言っても手術中のナースみたいなものだけど

「もう少しフルーツ入れた方が良いよ」

只今制作中のケーキは普通のショートケーキじゃなくて、フルーツをこれでもかと入れたケーキ、今は2層目を乗せるところ、俺の予定では3層まで行きたいと思ってます

「じゃあ同じ事繰り返して」

「うん」

ミッチーの家の厨房を借りてやってるけど、後ろで専属のシェフがせかせか料理してる、弟子入りしたいくらい料理の手際が良いし、綺麗、今度ミッチーの権限を使って教えて貰お

「カイ、どう?」

「良いじゃん、最後は生クリームを全体に塗って、フルーツをペタペタ貼っておしまい、層と層の間に空気が入らないようにね」

ダイチの真剣な顔、恋する乙女は強いとか何とか言うけど、男もたまにはやるよな、ダイチはココまでしても足りないくらいだし

「もう少し押し込んで」

ダイチに教えてるのは良いんだけど、俺の仕込みが進まないし、今は唐揚げの下味とか、ポテト切ったりとかしかしてないからな、メインに辿りついてない、クリスマスには欠かせない七面鳥が…、タカアン●トシみたいなツッコミが飛んで来そうだけど、そこは気にしないで

「出来た!」

「クリームだけね。次、フルーツね」

「あと少し、あと少し」

そりゃ嬉しいよな、約2時間近くやってるから、俺の仕事も終わったら寝るか

「どう?カイ」

「最高、始めてのクセに売り物みたいじゃん」

「フウちゃん喜ぶかな」

「当たり前だろ、努力ってものは相手に伝わるものだから」


ダイチのケーキが一通り終わって、俺の仕込みも一通り終わった頃は昼間だった

「8時に来たから、4時間以上もココにいたんだ」

「少し寝るか、ミッチーの家だから客間の一つや二つあるだろ」

「そうだな、疲れをとって、フウちゃんに最高のクリスマスをプレゼントしなきゃ」

俺らは厨房を出て家の中を歩いて人を捜した、何度か迷子になりそうになったけど、やっとの思いで女の子を捜しだした

「コノミちゃん」

「カイさん」

「あのさぁ、寝れる所ない?」

「有りますよ」

「案内してくれない」

コノミちゃんは慣れたように、迷路を歩いて行った、俺は既に自分の位置を把握できなかった

「ココならどうですか?」

『スゲェ』

ホテルのスウィートルームみたい一室だった、始めて見るようなベッドに、始めて見るような内装

「ここ誰の部屋?」

「ゲストルームですよ」

「ゲストルーム!?」

言葉にとりあえずびっくり、普通家でゲストルームとか使わないだろ、しかもこの貴族仕様みたいな部屋

「ホントに良いの?こんな部屋」

「ミッチーのお友達ですし、カイさん達は大事なお客さんですから。それに…」

コノミちゃんの視線の先には大の字で寝てるダイチが…、断る訳にはいかないな、ダイチのタメにも

「じゃあ、5時くらいになったら起こして」

「はい、分かりました」

俺はベッドに倒れこむと、あっという間に眠っていた


“ゴツッ!”

「痛ぁ!」

誰かの拳が俺の頭を殴った、誰が…、って一人しかいないよな

「おはよう!」

俺の大好きなチカの笑顔がそこにあった、この笑顔を見ると全部許せるところが怖い

「…おはよ」

「早く仕上げるぞ」

そういえばコノミちゃんが起こしに来るはずだったのに

「何でチカが起こしに来てんの?」

「コノミちゃんがココでカイとダイチが寝てるって言ってたから」

「コノミちゃんは?」

「飾り付けに決まってんだろ」え〜と、そうなると…

「あの迷路を一人で来たの!?」

「迷路って…、ミッチーの家はアタシ達の遊び場だったから」

ガキの頃から遊んでれば覚えるわな、俺は覚えられる自信がないけど

「ダイチは?」

チカが顎で指した先には、寝た時と頭が逆の位置を向いてるダイチがいた、器用な奴

「…フウちゃん…」

寝てても馬鹿丸出し

「ダイチ、起きろ」

ダイチの頬を叩いてダイチを起こした、寝起きの良さは天下逸品だった

「ん!?おはよう!カイ、仕上げだ仕上げ!」

俺も見習わないとな、人に起こされると親の仇を見るような目になるからな

「おう、行くぞ」

そういえば、チカが迷路を攻略出来たのに、何でダイチは迷ったんだろ…、馬鹿だからか。


後はメインディッシュのフウちゃんを待つだけ、口実は歓迎会という事で、まぁサエがいるから大丈夫だろ

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