青の計画
「おはよう」
「ん?おはよ」
サエから挨拶してきた、しかも笑って、俺が言うのもなんだけど、ふっきれたのかな、昨日の事は俺とサエの秘密、ってか誰にも言えないよな、サエのタメにも、俺のタメにも
「サエが、笑ってる」
ユメちゃん鋭い、いつも一緒にいるから変化に気付くのは当たり前かな
「そう?」
「うん」
サエあからさま過ぎるよ
「みんなそろそろ座って」
フウちゃん、いつもの事ながら影薄すぎ
「フウちゃんおはよ!」
最近ダイチとフウちゃんの話す時間が長くなったような気がする、休み時間は教室にいないし、廊下で会ったら永遠と話してるし、
二人の話題が出るのも少なくない。
今日の昼休みはダイチの話題で盛り上がった、主に俺とチカを中心に
「ダイチってフウちゃんの事好きなんだろ?」
「何で俺に聞くの?」
「悩みとか相談とかは、全部カイに話してるじゃん」
「想像にお任せします」
こういう時はポーカーフェイスで、バレてるから良いんだけど、俺の口から言うのは良くないな
「サエはどう思う?」
「あれは完全に恋してるよ」
サエもこういう話しに参加するようになってきた
「やっぱりサエもそう思うよな」
「恋を否定する方が無理があるよ」
俺もそう思う
「叶わぬ、儚い恋」
ユメちゃん、ダイチが可哀想過ぎるし、知らなかったとはいえ、サエの前でそれは
「ユメ、叶わない恋もいいもんだよ」
「サエ、変な事言うね」
サエが笑った、引きずってなくて良かった、しかも前より笑ってるし
「僕には理解できないですね」
ミッチーもこういう話しに興味があるんだ、たそがれ貴族でも恋はするもんな
「何で?コノミちゃんも十分無理な恋してたじゃん」
「か、カイさん!その話しは」
「ミッチー、コノミちゃんとそんな仲だったんだ」
あ、軽くミスった、まぁ良いか、ミッチーには口止されてないし、と屁理屈を言ってみたりする
「まぁ、その話はおいといて。相手は担任ですよ」
「でも8つ上ってのもありだろ」
「カイさんは分かってません、僕達は教師からしたら“お客さん”ですよ」
「お店でナンパして結婚って人もいるじゃん」
「でも…」
俺の勝ち
「でも、ダイチも自分の置かれてる状況を分かってると思うよ、でも好きなんだからしょうがないだろ、気持ちを抑えるなら砕けた方がマシだと思ったんだと思うよ」
「砕けるつもりは無いけどね」
声の主を探すと、そこにはダイチが立ってた
「ダイチ、いたんなら言えよ」
「いや、言えないだろ」
「どこから聞いてた」
「ミッチーとカイのお話から」
なんかダイチに遠慮しちゃうな、悪い事したよな、人を話の種にして
「大丈夫だよ、気にしてないから」
「じゃあ心おきなく事情聴取といくか、なぁチカ」
「当然」
ダイチがしまったって感じの顔をしてる、俺らに許したのが運の尽きだったな
「フウちゃんとはどこまで行った?」
「どこまでって、一緒に帰ってるくらいだよ」
案外大胆なこと、フウちゃんの事だから良い生徒って思ってるだけだと思うけど
「メアドは?」
「勉強の相談って名目で、ゲットした」
「やるじゃん」
「じゃあ、家への潜入は?」
「カイ、潜入って…」
流石にダイチでもここまで行ってないだろ、ってか無理だろ
「あえて休みの時に分からないところがあるって言って、潜入成功!」
『えぇぇ!』
一同目が点、ダイチ、凄すぎるよ、俺でもそこまで積極的にいく自信は無いよ、それにフウちゃんもおかしいと思えよ
「じゃあ、コクった?」
「いいや。流石にフウちゃんも教師だよ、聞いたら生徒との恋愛はご法度だって」
どうやって聞き出したんだよ、ある意味テクニシャンだな、普通の女の子に恋してたら付き合えたのに
「じゃあどうするの?」
「卒業したら告白する」
「よっしゃ!みんなで全面バックアップしようよ!」
各々反応は違うけど、みんな乗り気だよ、こんだけのメンバーが揃えば百人力だな、でもこの調子でいくとダイチに手助けはいらなそうだな
「じゃあ来るクリスマスからだ」
「もうそんな時期か」
ダイチ、恋するヒューマンならこれくらい考えてくれよ、でも、もうそんな時期か
「クリスマスはミッチーの家で盛大にパーティーね」
「良いですよ」
ミッチーの家でパーティーって、軽くミスったな、いくらなんでもデカ過ぎるな
「だからフウちゃんを誘うのはミッチー&サエ」
「何で私が入ってるのよ?」
「ミッチーだけじゃ不安だから」
一同納得、俺が言っときながらミッチー、可哀想だな
「ユメちゃんは飾り付け、これはチカとコノミちゃんとゲンに手伝って貰え」
「ゲンちゃん、呼ぶの?」
「コノミさんは関係ないです」
「クリスマスはダイチだけのものじゃないだろ」
家がデカイし、人数が少ないよりかは多い方が楽しいだろ、そんで最後のシメで
「で、ダイチだけど」
「俺もやるの?」
「当たり前だろ。ダイチはクリスマスケーキ作り」
「俺出来ないよ」
そんなの分かってるし、出来る方が凄いって
「俺が教えてやるから作れ」
「しょうがないな」
「あと俺の料理補助」
「カイさん、料理はこちらで用意しますから」
「ありがたいけどさ、やっぱり手作り感が必要でしょ」
「カイさんがそこまで言うなら頼みます」
クリスマスの予定が出来たことだし
「じゃあ、期末テスト頑張って」
サエ以外地に落ちた、期末テストを頑張んないとクリスマスは楽しめないし、あくまでも受験生だからな。
チカのプレゼントどうするかな