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青と動物

最近ユメちゃんの恋で何となくクラスが騒がしくなった、その理由は頻繁にゲンがうちのクラスに来るからだ、昼休みはとりあえず扉を思いっきり開けて

「ユメ!一緒にご飯食べよ!」

ユメちゃんのその時の笑顔がチカが俺に見せる笑顔に似てる、ユメちゃんも恋してるんだな

「ミッチー、あれどう思う?」

「若き乙女と少年の恋、見てて美しいじゃないですか」

ミッチーはいつもたそがれてるけど、何見てるんだろ

「ミッチーはいつも何見てんの?」

「知りたいですか?」

「別に」

飲んでた紅茶を噴いてる、ベタなリアクションありがとう

「聞いて下さいよ」

「分かった分かった、で、何で?」

ミッチーの顔が変わった、爽やかなのが何か悔しい

「鳥を見てるんです」

「鳥?」

「はい、後はたまに森から出てくる動物とかも」

やっぱり不思議なやつ、紅茶のお供になるようなものか、海とかなら納得出来るけど、でも今のミッチーの目、カッコイイな

「動物好きなの?」

「好き?そんな優しいものじゃありません、動物達は僕の全てです」

「女の子寄って来ないよ」

「興味ありませんから」

何か一概にホモとも言えないかもな、俺も動物は好きだけど、全てとは言えないよ

「何か飼ってるの?」

「カイ、ミッチーの動物好きは果てしないぞ、家が動物園だからな」

「マジで?」

「見てみます?」

うわぁ、気になる、ムツゴ●ウさんみたいな感じなのかな

「行く、いざムツ●ロウハウスへ」

「あんな老いぼれと一緒にしないでください!」

十分ミッチーも変な奴だけどな、でもチカが動物園って言うくらいの家って、デカイのかな、それとも普通の一軒家で動物が占拠してる状態とか。


ミッチーの家は前者だった、無茶苦茶デカイ、大豪邸、英語でいうとマンション、しかも外からでも分かる動物達

「スゴ」

「入ってください」

「入ってくださいって、門の前犬だらけだぞ」

ミッチーが来た途端に犬が集まってきた、ざっと5・6匹はいるな、門を開けたら全部出てきそう

「大丈夫なの?開けて」

「大丈夫です」

門開けた途端案の定、総突進、と思いきやミッチーの周りに群がってるし、相当なついてるな

「行きましょう」

「あ、うん」

にしても高そうな犬ばっか、毛並も綺麗だし、健康そうだし

「この犬達、元気だな」

「僕が世話してますから」

「トリミングとかも?」

「はい、健康管理も容姿とかも全て僕が」

スゲェ、普通ここまでやる飼い主もいないよな、相当好きなんだろうな

「何で自分でやってるの?こんだけ金持ちなら、トリマーとかにやってもらえば良いじゃん」

「それじゃあ、意味が無いんです」

話ながら歩いてたから分からなかったけど、家まで長い、随分歩いてるぞ

「何で?」

「あ、ここです、どうぞ」

家の玄関もデカイ、尚更気になる、ミッチーなら任せそうなきもするけどな

「おじゃまします」

「上がって突き当たりが僕の部屋です、すぐ分かりますからそこで待ってて下さい」

上がって突き当たりか

“穂”

札がかかってる、確かに分かりやすい、中に入ってビックリした、デッカイインコがいる、喋らないけど、人なつっこくてカワイイ

「それは、僕のお気に入りです」

「いつの間に!名前は何ていうの?」

「ニルギリです」

ミッチーらしいな、紅茶と動物を愛するお坊っちゃんか

「さっきの話だけど、何で自分でやる必要があるの?」

「自分の子供みたいなものですから、他人に渡せないみたいな意地があるんですよ」

ミッチーもこんな感じだけど、男っぽい所があるんだよな

「将来はその関係の仕事をやるの?」

「当然です」

ミッチーとそんな話をしてると、一人の少し年上の女の子が入ってきた

「穂さん、お菓子持ってきました」

カワイイな、おしとやかな感じ、この子が入ってきた途端、ミッチーがおどおどし始めた

「ミッチー、兄弟?この子」

「ち、違います、お手伝いさんの娘さんです」

ふ〜ん、何となく読めてきた、ミッチーも男って事か

「名前何ていうの?」

小乃美コノミです」

「コノミさんはそんな事しなくても良いですよ」

「いや、でも…」

二人とも鈍感と、人の事言えた口じゃないけど、でも取り持ってやらない訳にはいかないだろ

「コノミちゃん、一緒に話そうよ」

『いや、でも』

この二人ホントに楽しい、知ってか知らずか、初な恋しすぎ

「俺がいて欲しいから、良いでしょ?」

「でも穂さんが」

「穂さん?カタイカタイ、ミッチーで良いじゃん、二人は友達なんだろ?」

「友達なんて!」

そんなにビックリする事か、ミッチーならそんなんで怒るとは思えないし

「良いよな、ミッチー?」

「僕は大歓迎です」

「ホントに良いんですか!?」

本当はコノミちゃんだってミッチーと仲良くしたいはずだ、でもミッチーの立場のせいで普通に接する事ができなかったんだろうな

「良いですよ」

「それと、友達なんだからもっと砕けて話そうよ。コノミちゃんの親が何やってても、コノミちゃんとミッチーには関係ないだろ」

「そうですね、コノミさん、普通に接して下さい」

二人とも顔真っ赤、こういう恋も見てて楽しいな。


その後3人で普通の会話をした、コノミちゃんもミッチーと普通に話せるようになったし、ミッチーも生き生きしてるし

「俺帰るから」

「もう帰っちゃうんですか」

「だって邪魔だろ、二人の方が良さそうだし」

そういって部屋を出た、ミッチーとコノミちゃんが玄関まで送ってくれた

「ミッチーまた明日」

「はい」

家を出るとコノミちゃんが走って来た

「どうした?」

「ありがとうございます!」

「何が?」

「ミッチーと話せて、私嬉しかった」

「積極的に行けよ、ミッチーは鈍感だから」

「はい!」

元気だな、この二人なら楽しくやってくれるだろ、ミッチーも優しいし、コノミちゃんは元気だし。


ミッチーって、そこらへんの奴より男らしいかもな

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