表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/57

赤は絶対安静

朝、学校の支度をしてると、チカの家から電話がかかってきた

「もしもし」

「シシキ君?」

チカのお母さんの声だ、何かあったのかな

「そうですけど、チカに何かあったんですか?」

「チカが学校行くって言うのよ」

学校?行けるわけないじゃん、絶対安静なのに、俺も一日休めって言ったのに

「分かりました、今からなだめに行きます」

「ごめんね、シシキ君の言う事なら聞くから」

チカも反抗期か?でも、親まで俺を頼ってくれるんだ、応えない訳にはいかないだろ。


チカの家に着くと、中に入った、よく行くから最近は普通に入って行ってる、親も俺とチカの関係は気付いてると思うし

「チカは今部屋に?」

「うん、行ってあげて」

親はしたに残って俺だけチカの部屋に行った、自分の娘を男と二人きりにさせるのも変だよな。

扉を開けるとチカは怒ってた

「カイが何と言おうが、アタシは学校行くからな」「無理だろ、絶対安静の意味分かるだろ」

「でも…」

チカが膨れ始めた、チカに近寄って子供をあやすような感じで話した

「悪化するからやめとけ、一日だけ我慢しろ、な」

「ヤダ、学校行きたい」

ガキか、コイツは、しかもここまで学校行きたい中学生もいないぞ

「あんまり駄だこねると、喋れないようにするぞ」

「どうやっ…」

うるさいから、俺の唇でチカの唇を塞いだ、技ありってか、顔を真っ赤にして黙った、作戦成功

「ほら、黙った。メールしてやるから家にいろ」

無言でチカが頷いた、チカの頭をクシャクシャにして家を出た。


一時間目体育、終わって携帯を見た

“新着メール10件”

「うわっ!」

迷惑メールばりに、チカからメールが来てた

“今何の授業?”

“ねぇ、メール返せよ”

“早く返信しろ”

などなど、俺はすぐにメールを返した

“ゴメン、ゴメン。体育で返せなかった”

そう送って、制服に着替えて机に伏した。


あぁ、グラグラする

「カイ、起きろ、移動教室だぞ」

ダイチか、今は3時間目、丸々一時間寝てたのか、ふと携帯が気になった

“新着メール20件

着信14件”

「えぇ!?」

思わず叫んじゃった、ダイチが隣で跳ねたのが何となく分かった

「何だよカイ?」

「何でもない、先に行ってて」

ダイチを先に行かして、チカに電話した、これ以上こられたら迷惑だし

「チカ悪い!爆睡してた」

「も、もうやだぁ、今から学校行く!」

うわぁ、泣いてるよ、しかも号泣、これ以上ほっといたらホントに学校くるかもな

「分かった、今から行くから待ってろ」

「ほ、ホントに?」

「あぁ、だから大人しく待ってろ」

「わがっだ」

ガキが親に怒られて泣いてるみたいだな。

俺はとりあえず職員室に行って、フウちゃんに断っといた

「フウちゃん、調子悪いから帰る」

「大丈夫!?」

そこまで慌てる事じゃないだろ、でも教師生活初めての早退だから驚くのかな

「熱っぽいから、長引かないように早退するだけだから」

「気を付けてね」

「分かった、バイバイ」

そういって走って職員室を出た、熱出してる設定なのに、全力疾走で。


チカの家に着いた時は息もあがってた、この時期、民衆もやってないからチカの親はこの時間帯は、チカのお父さんが漁から帰ってくる時間だから、母親は手伝いでいなくなるらしい、だから家にはチカだけだった

「大丈夫か?」

扉を開けて部屋に入ると、クシャクシャな顔になって泣いてるチカがいた

「カァ〜イィ〜!」

入るや否や、チカが飛び付いてきた、足は大丈夫なのかな

「うわ、何だよチカ」

「カイの嘘つき、メール返してくれないじゃん」

「悪かった、今日はココにずっといるから」

「ホント?」

「ホントだ」

チカのクシャクシャになった顔を、ティッシュで拭いた、流石にひどかった、でもここまでチカがもろいとは思わなかった

「これくらいで泣くなよ」

「だって、不安でしょうがないんだもん」

何か傷心したチカって、女の子って感じで、悪くないな

「ガキじゃないんだから、一人で留守番くらいしろよ」

「カイに会えないのが不安なんだよ!」

ドキッとした、チカにあんまりこんな事を言われた事が無かったから、何か嬉しいな

「でも、今日だけは安静にしてろよ」

「カイが側にいれば、何時まででも安静にしてるよ」

チカが肩に頭を乗せてきた、しかもいつの間にか泣き止んでるし、喜怒哀楽の起伏が激しいな

「何か、良いように使われてるな」

「そんな事無いよ」

チカが楽しそうだしいいか、俺も満更でもないし

「カイ、コッチ見て」

「何…!」

チカの方を見ると、唇に何かが当たった、チカの唇?一瞬だったけど、始めてチカからキスをしてきた

「たまにはアタシからやらないとな」

顔を真っ赤にしながらそっぽを向いてる、いつもコッチからだったから、新鮮でいいや

「……」

「な、何か言えよ」

「ん?あ、あぁ、え〜と、そのぉ、何だ」

何テンパってんだよ、始めてじゃないだろ、今までにも何回キスした事あるだろ、なのに何で言葉が出てこない

「何だよ」

「あまりに、急だったから」

「いつもカイがやってる事だろ」

確かに、俺って案外心臓に悪いな、心臓がうるさくて頭が痛い、顔も熱いし

「急には良くないな」

「でもアタシは好きだよ、キスの後のドキドキ」

「俺も」

好きな人にキスされるのって、自分からするのとはまた違った味って事を始めて知った

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ