青とスポーツ大会
この学校にはスポーツ大会ってのがあるらしい、学年で紅白に別れて、得点を競うものらしい
「じゃあ、あみだで決めます!適当に書いて」
フウちゃん、緩すぎるよ、そんでヤル気なさすぎ。
適当にあみだをして決まった、俺は白組、メンバーはウメちゃんにミッチー、負け決定じゃん!
「意義あり!」
「はい、カイ君どうぞ」
「偏り過ぎだと思います!」
必死に訴えたけど、フウちゃんは聞く耳もたず、って感じ
「カイ、何とかなるだろ」
チカが俺の肩に手を乗せてきた
「無理だ!ガキんちょに没落貴族だぞ」
「…ガキ」
「…没落貴族」
二人共運動は出来ない方だから、イタイ、それに比べて、向こうはチカは運動神経が良いし、ダイチは足腰強いし、サエは体力があるほうだし…、負けたな
「フウちゃん、競技は何があるの?」
最後の頼みの綱だった、向こうが苦手なのばっかりくれば
「バスケ、テニス、ビーチバレー」「カイ君、僕がテニスをやるよ」
ミッチーの顔がいつになく自信に溢れてる
「大丈夫なの?」
「テニスなら負ける気がしないよ」
「ならテニスは任した」
「じゃあ、バレーは俺とユメちゃんで」
しょうがない、負ける試合でも全力を尽す、それが男だろ。
大会当日、最初の競技はバスケ、3on3、にしても、サエが上手すぎる!俺以外に回ったら速攻とられる
「52対49で紅の勝ち」
負けた、見えきってた事だけど
「はぁ、はぁ、死ぬ」
「カイ頑張ったな、ほとんど一人でやってたもんな」
「負けは負けだ、次はミッチーのテニスだからな、今度は勝てる」
ミッチーのテニスだけど…、メチャメチャ上手い、けどダイチも負けず劣らず上手い、チカ曰く二人はテニスのライバルらしい、にしても五分の試合だな、ミッチーの顔も生き生きしてるし
「ミッチーカッコイイな」
「うちの学校部活ないからな、あれば活躍できたのに」
ミッチーの意外な才能発見か、やっと勝負が決まったらしい
「犬柴の勝ち」
あれ、勝っちゃった
「ミッチー!やったな!」
「僕にかかればこれくらい、ティータイム前だよ」
何かずれてるよな、まぁいいか、勝てたんだし。
最後はバレーか、相手はサエとチカ、ユメちゃんと二人で、作戦としては俺がとって、ユメちゃんがトス、で、俺がアタック…、これが付け焼き刃だけど、決まる決まる
「ユメちゃん、これ勝てるかもな」
「勝てる?勝つ!」
ユメちゃん強気発言、もしかしたら、もしかするかも、でも、チカとサエも強い、付け焼き刃のペアじゃキツイくらいだよ
「二人強すぎ」
『このビーチバレークイーンズに喧嘩を売ったのが間違いだったな』
ハモってるし、ってかやっと決着着いたよ
「紅の勝ち」
「負けたー!」
クソォ、惜しかったな、勝てると思ったのに。
無駄に動き過ぎて木陰でのびてると、女の子3人衆が寄ってきた
「大丈夫か?」
「何となく」
「カイ、お疲れ」
「ユメちゃんもお疲れ」
「私達と接戦なんて、やるじゃない」
それだ、この二人の異常な強さ、どこからくるんだよ
「何で二人共そんなに上手いの?」
「この島でアタシとサエにビーチバレーで勝ったペアはいないからね」
ずるいよな、100%勝てるわけ無いじゃん
「って事は、ユメちゃん!俺等大健闘じゃん!」
ユメちゃんがエッヘンって感じで、首を縦に振った
「もしかして、ユメちゃんとの方が相性良かったりして」
「何、馬鹿な事言ってんだよ!」
“ゴツッ!”
チカの拳が俺の顔面に、あれ?だんだん意識が…。
ココどこだ?白いカーテンに包まれてて、俺はベッドの上に寝てる、しかも何でチカがベッドの隣で泣いてるんだろ
「チカ、どうした?」
「か、カイ…ゴメン」
かなり泣いてるし、ってか俺が謝られる筋合いは…、あるな、チカが殴ったやつか
「別に大丈夫だから、気にするな」
「でも…」
俺が泣かしたのか、情けないな、こんな事でチカを泣かせるなんて
「あれは疲れてたし、熱中症とかでフラフラで、俺が倒れそうになった時にチカが殴っただけだよ」
嘘だけど
「ホントに?」
「ホント」
我ながら最悪の嘘だな、でも、これはセーフティー範囲だろ、チカを慰めるためだから
「で、でもやっ、ぱり…」
また泣き出したよ、やっと治まったと思ったのに。
いつまでたっても、泣き止みそうに無かったから、チカの頭を俺の胸に抱き寄せた
「もう泣くなよ、俺はチカの泣き顔はみたくない、笑顔だけで良いんだ、それにチカに泣かれると、俺も苦しい」
その後暫くの間、チカは俺の胸で泣き続けた